カテゴリー
news/column
性教育はいつから?どこまで話す?年齢別にわかりやすく解説【完全ガイド】
投稿者 : on
「性教育って、いつから始めればいいの?」「まだ早い気がするけど、何も教えないのも不安…」 そんなふうに悩んだことはありませんか? 実は、性教育に「早すぎる」ということはありません。子どもへの性の関わりは、実は日常の中で0歳からすでに始まっています。 ただし、大切なのは「早く全部教えること」ではなく、年齢や発達に合わせて、少しずつ伝えていくことです。 この記事では、「性教育はいつから?どこまで話せばいい?」という疑問に対して、年齢別の具体例とともに、わかりやすく解説します。 「何をどう伝えればいいかわからない」という方も、今日からできるヒントがきっと見つかります。 性教育はいつから始めるべき? 「性教育はいつから始めるべき?」という疑問に対して、結論はとてもシンプルです。性教育は0歳からすでに始まっています。 「まだ言葉もわからないのに?」と思うかもしれません。ただ、ここで大切なのは「子どもに理解させること」だけではありません。 性教育は、子どもと同時に“親も育っていくもの”です。 なぜ0歳から始めるのか 性教育をいざ始めようと思っても、「どう伝えたらいいかわからない」「恥ずかしい」と感じる方は少なくありません。 だからこそ、言葉が理解できるようになってから急に始めるのではなく、0歳の頃から少しずつ“親自身も慣れていくこと”が大切です。 たとえば、 おむつ替えのときに体の名前を伝える(例:おちんちん、おまたなど ×あそこ) 「ここは大事な場所だよ」と前向きな声をかける(×はずかしい、汚い) こうした関わりは、子どもにとっての学びであると同時に、親にとっての“伝える練習”にもなります。 子どもは、思っているより早く理解している また、「まだ理解できないから意味がない」と思われがちですが、実は子どもは、大人が思っているよりもずっと早い段階から言葉や雰囲気を受け取っていると言われています。 言葉の意味を完全に理解していなくても、繰り返し伝えられることで「大切なことなんだ」という感覚が育っていきます。 そして、理解できるようになったときには、すでにそれが“当たり前の価値観”として根づいています。 性教育は「親子で育てていくもの」 性教育は、「教える・教えられる」という一方通行のものではなく、親子で一緒に意識を育てていくプロセスです。 完璧に伝えようとしなくても大丈夫です。日常の中で少しずつ言葉にしていくことが、子どもにとっても、親にとっても大きな意味を持ちます。 性教育はなぜ早い方が良い?3つの理由 性教育は、思春期になってからまとめて伝えるものではなく、小さな頃から少しずつ積み重ねていくことが大切です。 「早くから伝えると、かえって興味を持ちすぎてしまうのでは?」いわゆる“寝た子を起こす”のではないかと心配される方もいます。 しかし、実際には性教育によって性行動が早まるという根拠はなく、むしろ適切な知識を得ることでリスクを下げることが、国際的な報告でも示されています。 つまり、性教育は「性行動を早めるもの」ではなく、子どもが自分を守るための準備です。 その理由は大きく3つあります。 ① 性被害を防ぐため 子どもが自分の体について正しく理解し、「イヤ」と言っていいことを知っていることは、性被害の予防につながります。 プライベートゾーンや距離感(バウンダリー)を早い段階から伝えておくことで、「これはおかしい」と気づく力を育てることができます。 ② 自己肯定感を育てるため 自分の体や気持ちを大切にすることは、そのまま自己肯定感の土台になります。 「自分の体は大切にされるべきもの」「イヤなことは断っていい」 こうした感覚を小さい頃から積み重ねることで、他者との関係の中でも自分を守れる力につながります。 ③ 思春期に困らないため 思春期になって急に性の話をしようとしても、子どもは戸惑ったり、恥ずかしさから受け入れにくくなることがあります。 一方で、幼い頃から自然に話題にしてきた家庭では、性の話も特別なものではなく、日常の延長として受け止められます。 その結果、思春期の変化や悩みにもスムーズに対応しやすくなります。 性教育はどこまで話すべき? 性教育について悩む中で、「どこまで話せばいいの?」と迷う方はとても多いです。 結論からいうと、すべてを一度に教える必要はありません。 大切なのは、子どもの年齢や理解に合わせて、少しずつ・必要なタイミングで伝えていくことです。 この考え方は、ユネスコがまとめた国際セクシュアリティ教育ガイダンスでも示されています。 (※SEXOLOGYさんのサイトでわかりやすく紹介されています!) このガイダンスでも、性教育は年齢や発達に応じて段階的に学ぶことが重要とされています。 基本の性教育の考え方 性教育を行うときは、次の3つを意識するとぐっと楽になります。 ①年齢に合わせる 子どもの発達段階によって、理解できる内容は大きく異なります。 たとえば、幼児期であれば「体の名前」や「大切な場所」の話、小学生以降になると「体の変化」や「人との距離感」など、その時期に合った内容を選ぶことが大切です。 ②聞かれたら答える 子どもからの質問は、性教育の絶好のタイミングです。 「赤ちゃんはどうやってできるの?」などと聞かれたときは、その年齢に合った範囲で、シンプルに答えれば十分です。 (※参考:おとなセイシル「子どもにセックスって何?」と聞かれたら) 無理に話を広げる必要はありません。子どもの“知りたい”に合わせて答えることがポイントです。 ③一度で全部話さない 性教育は「一回で終わるもの」ではなく、何度も重ねていくものです。 一度にすべてを説明しようとすると、子どもも理解しきれず、親も負担に感じてしまいます。 日常の中で少しずつ話題にすることで、自然と理解が深まっていきます。 性教育のNG対応例 一方で、ついやってしまいがちな対応もあります。 ごまかす 質問をはぐらかしたり、嘘でごまかしたりすると、子どもは「聞いてはいけないことなんだ」と感じてしまうことがあります。 恥ずかしがる 親が強く恥ずかしがっていると、子どもも同じように「性=恥ずかしいもの」と受け取ってしまうかもしれません。 怒る 性に関する質問や行動に対して叱ってしまうと、子どもは次から話しにくくなってしまいます。 性の話は、特別なものではなく、体や心の成長の一部として自然に扱うことが大切です。 完璧に答えようとしなくても大丈夫。「一緒に考えていこう」という姿勢が、子どもに安心感を与えます。 【年齢別】性教育の伝え方(一覧) 性教育は、その時期に合った内容を少しずつ伝えていくことが大切です。年齢ごとのポイントを一覧でまとめました。 年齢 伝える内容例 ポイント 0~5歳 ・体の名前(正しい呼び方)・プライベートゾーン・イヤと言う練習 自分の体は大切にされるものと伝える。イヤなことは断っていい経験を積む。 小学生 ・赤ちゃんの誕生のしくみ・体の変化(思春期の準備)・人との距離感(バウンダリー) 「知らない不安」より「知る安心」を大切にする。体の変化を前向きに伝え、からかいや誤情報を防ぐ。 中学生 ・性的同意・避妊・性感染症・デートDV 「好き」と「同意」は別であることを理解する。正しい知識で自分と相手を守る視点を持つ。 高校生 ・性行動のリスク・自己決定・パートナーとの関係性 周囲に流されず、自分で考えて選ぶ力を育てる。対等で安心できる関係とは何かを考える。 上記の内容は、国際セクシュアリティ教育ガイダンスの考え方を参考に整理したものです。 ただし、性教育に明確な正解はなく、あくまで一例です。子どもの様子や関心に合わせて柔軟に調整していくことが大切です。 まとめ: 性教育に迷ったときに大切にしたいこと 性教育について考えるとき、「どこまで詳しく話すべき?」「嫌がられたらどうしよう」「学校に任せればいいのでは?」と、さまざまな迷いが出てくるものです。 しかし大切なのは、正解を探すことよりも、子どもと向き合い続けることです。 性教育に「早すぎる」はなく、日常の中で少しずつ積み重ねていくことで、子どもは自然に理解を深めていきます。 また、一度にすべてを伝える必要はありません。年齢やタイミングに合わせて、必要な分だけ伝えていけば十分です。...
【参加レポート】体験型 性教育イベント「こころ・からだフェス」に行ってきました‼️
投稿者 : on
2026年3月20日、京都で開催された体験型 性教育イベント「こころ・からだフェス」に参加してきました! 当日の様子を写真とともにレポートしながら、現場で活かせるヒントや教材情報もあわせてご紹介します。 「性」と「生」をテーマに、“見る・聞く”だけでなく“体験する”ことが重視されたイベントです。 イベントは「性教育講師の実践の場」でもある 本イベントは、助産師の渡邉安衣子さんが中心となって企画・運営されました。 今回の特徴は、単なるイベントではなく 「性教育講師の実践の場」でもあったことです。 安衣子さんは今回の開催意図について、次のように話されています。 大きな講演をすることだけが性教育講師の仕事だと思っている人も多いですが、そうではなく、小さな規模でも目の前の人に届けることも立派な性教育。いろんな提供の仕方があることを伝えたかったんです。 さらに、 集客・広報は運営側が担う 講師は“届けること”に集中できる という設計により、集中してワークショップ形式で実践経験を積める場が作られていました。 会場の様子:子どもから大人まで幅広い参加 会場には親子連れを中心に、多くの来場者が訪れていました。 今回の来場者は、 一般参加:約80名(子ども含む) スタッフ:約40名 合計約120名が出入りする規模でした。 乳幼児や小学生を中心とした子どもたち 保護者 教育・医療関係者 全国で性教育を実践するスタッフの皆様(安衣子さんのスクール生) と、多世代が同じ空間で学んでいるのが特徴的でした。 安衣子さんと大久保暁さんの講演会は、会場が満席になるほど多くの参加者で賑わい、熱気に包まれていました。質疑応答の時間も活発で、会場全体で学びを深めるひとときとなっていました。 性を学べるたくさんの体験ブース 今回特に印象に残ったのは、“触れて理解する”体験型コンテンツの充実度です。 ① 「思春期Labo女の子・男の子」ブース ここは、生理や射精の仕組みなどを、実際に見て・触れて・体験できるブースです。理科の実験のように、子どもたちが身を乗り出して夢中で学ぶ姿が印象的でした。 また、スタッフの説明に耳を傾けながら、家庭でもサポートできるようにと、伝え方のヒントを学ぶ保護者の姿も見られました。 子どもたちは、「説明を聞く」だけでなく、「実際に触れること」によって理解が深まっているように感じられました。 ② 「妊娠チェックと避妊」ブース 恥ずかしさを軽減するための場づくりや声かけの重要性を感じながら、セイシルスタッフ自身も説明を一緒に聞いていました。しかし、参加していた小学生たちからは、いわゆる「恥ずかしさ」はあまり感じられませんでした。 「これは何?」という純粋な興味関心。そして、スタッフの説明を通してそれが大切なものであると知ったときの、真剣なまなざしがとても印象的でした。やはり性教育は、早い段階から行うことに大きな意味があると実感します。 コンドームは「恥ずかしいもの」や「エロいもの」ではなく、自分と相手を守るための大切なアイテムです。その正しい使い方を知っておくことは、自分自身を守るためにも欠かせません。 また、保護者と一緒に参加していた中学生たちも、初めて見て触れることにドキドキしながらも、真剣な表情で向き合っていました。保護者の方にも少し緊張した様子は見られましたが、家庭では扱いにくいテーマだからこそ、こうした場で学べることは非常に貴重な機会になったのではないでしょうか。 その後、親子で少し話をしている様子も見られ、家庭で性について考え、話すきっかけにもつながっていると感じました。 ③ 距離感(バウンダリー)や同意のワークブース 一方的に「正解」を伝えるのではなく、参加者自身が楽しみながら考えられる工夫がされている点が、とても印象的でした。子どもたちは自然と会話を交わしながら、笑顔の中で大切なテーマに触れていました。 今回は親子での参加が多く見られましたが、これが友達同士であれば、さらに活発なやり取りが生まれるだろうと感じました。対話の中で自分とは異なる考え方に出会うことは、多様な価値観を知るきっかけとなり、お互いを尊重する関係づくりにもつながっていきます。 また、親子でこうしたテーマについて話し合うことは、性に限らずとても重要なコミュニケーションです。子どもであっても、自分の気持ちや「イヤ」と伝える権利があります。距離感や同意は、年齢や関係性に関わらず、誰にとっても大切にされるべきものだと改めて感じました。 ④妊娠・出産のリアル体験ブース 赤ちゃん人形の抱っこ体験や妊婦体験、子宮袋から生まれてくる体験ができるこのブースでは、子どもたちも保護者も「いのち」を身近に感じている様子が印象的でした。 子どもたちは赤ちゃんの重みや扱い方に触れながら、「重たい」「大事にしないと」と自然に気づきを深めていきます。妊婦体験でも「思ったより大変」といった声があがり、身体の変化への理解につながっていました。 また、体験をきっかけに「あなたが生まれてくる前はね」「○○グラムで生まれたんだよ」と、保護者がわが子に出産時の話を初めて伝える場面も見られ、親子の会話が生まれていました。 産まれてくる前に、参加したことがある保護者は多いかと思いますが、産まれてきた子と一緒に体験して、出産のエピソードを共有する機会は貴重ですね。 さらに、出産は必ずしも産道を通るだけでなく、帝王切開という方法もあると説明されていた点も大切だと感じました。 ⑤その他にもたくさんのブースがありました 写真は、自分や周りの人のからだ・こころ・性を大切にする力を育む「ここからかるた」です。からだの仕組みがひと目でわかる「からだガイド」も付いており、子どもたちだけでも楽しみながら学べる工夫がされています。対象年齢は5歳からで、2人〜幅広い人数で遊ぶことができます。「ここからかるた」の詳細はこちら 様々な性に関する書籍を手に取って読めるコーナーもありました。 近隣のユースクリニックの情報共有や、セイシルも展示と教材や資料の配布をさせていただきました! セイシルの展示ブースでは、安衣子さんのスクール生の方々を中心に「いつも参考にしています!」といった嬉しいお声を多くいただきました。 また、デートDVチェッカーを手にした子どもたちのそばで、保護者の方が「そろそろこういうことも学んでほしいと思っていたんです」と話してくれ、その後に親子で一緒に内容を見ている姿がありました。真剣な表情で言葉を交わす様子から、家庭での性教育のきっかけが生まれていることを感じました。 実際にその一歩となる場面に立ち会えたことを、とても嬉しく思います。素敵な機会をありがとうございました! 「知識」だけじゃない、性教育の価値 今回のイベントを通して改めて感じたのは、性教育は「知識」を伝えるだけではない、ということです。実際に見て、触れて、考え、対話する中でこそ、自分ごととして理解が深まり、人との関わり方や価値観にもつながっていきます。 こうした体験型のイベントは、性教育の“今”を実感できる貴重な機会だと感じました。 今後もwithセイシルでは、現場に活かせる情報や実践事例を引き続き発信していきます。
【掲載情報】『10代のための「性と加害」を学ぶ本』にデートDVチェッカーが紹介されました!
投稿者 : on
この度、時事通信社より2026年3月に出版された『10代のための「性と加害」を学ぶ本』にて、セイシルの「デートDVチェッカー」をご紹介いただきました。 セイシルでもお世話になっている斉藤章佳先生と櫻井裕子先生が執筆され、性加害の問題と向き合う10代の子どもたちへの臨床・教育実践をもとに構成された一冊です。 ▼書籍詳細はこちらhttps://bookpub.jiji.com/book/b672198.html ▼試し読みはこちらhttps://bookpub.jiji.com/files/seitokagaiwomanabuhon_sample.pdf ■ セイシルスタッフが読んで感じた本書の魅力 ① イラストが豊富で直感的に理解できる! 漫画形式で進むため、難しいテーマでもイメージしやすく、読者が「自分ごと」として捉えやすい構成になっています。 ② わかりやすい言葉で、誰でも読める! 専門的な内容でありながら、言葉はとても平易で、10代はもちろん、大人にとっても読みやすい一冊です。 ③ 内容は深く、学びが多い! 読みやすさとは裏腹に、扱っているテーマは非常にリアルで、性・加害・関係性について深く考えさせられます。 そして何より、「面白く、楽しく学べる」ことが本書の大きな魅力だと感じました。 ■ セイシル「デートDVチェッカー」掲載について 本書の中では、関係性の中で起こりうる「デートDV」への気づきのツールとして、セイシルの「デートDVチェッカー」をご紹介いただいています。 本書とあわせて、現場での活用や、子どもたちとの対話のきっかけとしてぜひご活用いただければ幸いです。 ■ 出版記念セミナーのご案内 出版を記念し、以下のセミナーが開催されます。 加害者臨床×包括的性教育~SEG(Sexual Education Group)の実践を通して Part③~ 日時:2026年4月22日(水)15:00〜 詳細: https://enomoto-clinic.jp/news/22422-2/ 本書の背景にある実践や、より深い学びに触れられる機会です。ご関心のある方はぜひご参加ください。 ■ 最後に 性の問題、とりわけ「加害」に関するテーマは、これまで十分に語られてこなかった領域でもあります。 本書は、そうしたテーマに対して、「怖いもの」「遠いもの」ではなく、学び、向き合えるものとして提示してくれる一冊です! 性教育に関わる方はもちろん、子どもに関わるすべての大人にとって、読んでいただきたいと思います。
【新商品紹介】プレコンセプションケア冊子「セイシル マイプレコン」
投稿者 : on
先月ご紹介した「プレコンシート」をもとにした冊子が、ついに完成しました‼️ その名も・・・ 「セイシル マイプレコン」です! 本冊子は全14ページ。実際に書き込みながら、自分の未来や健康について考えられるワークブック形式になっています。 1冊100円(送料別)➡︎商品購入ページはこちら 50冊セット3000円(送料無料)➡︎商品購入ページはこちら ■ 自分を見つめる「事前課題」からスタート いきなり将来を考えるのではなく、まずは「事前課題」として 今の生活習慣 自分の価値観や考え方 を整理するところから始めます。 ■ プレコンシートで“人生”を考える その後、「プレコンシート」を記入。 進路だけでなく、 健康 人間関係 性に関すること など、人生に関わるテーマを横断的に考えることができるのが特徴です。 活用のポイント 💡 ⭐️ 抽象 → 具体に導く声かけがカギ!「健康に過ごす」といった抽象的な記入になりがちな場合は、➡︎「健康的に過ごすためには何が必要?」と問いかけることで、より具体的な行動に落とし込めます。 ■ 記入例つきで書き進めやすい 記入例を見ながら進めることで、 自分自身のこと 家族や周囲の人の健康 新しい価値観や考え方 多様な生き方 についても自然と考えが深まります。 さらに、記入例は90代まで用意されており、長期的な視点で人生設計を考えることができます。 実施時のポイント 📝 人生計画のワークは、個人のプライベートな内容を扱うものです。そのため、基本的には他人と無理に共有しないことをおすすめします。 一方で、友達同士で一緒に取り組むことで、新しい価値観に出会えるのも大きな魅力のひとつです。 クラスや団体の状況、実施の段階、そして本人の同意などを踏まえながら、さまざまな実施方法を検討してみてください。 セイシルの「プレコンセプションケア」に関するコラムも合わせて読んでもらうのもおすすめです。 ■ プレコンセプションケアは大人にもおすすめ このワークは子どもだけでなく、大人がやっても気づきが多く、楽しめる内容です。 自分の人生を見つめ直すのに、「遅すぎる」ということはありません。 プレコンセプションケアは、すべての人のためのものです。 大人は「おとなセイシル」の「プレコンセプションケア」に関するコラムも合わせて参考にしてください。 ■ マイプレコンを継続して活用しよう 一度書いて終わりではなく、子どもたちには ➡︎「1年後に見返してみよう」➡︎「変わっていたら修正してもOK」 と声をかけることで、より実践的で意味のある学びにつながります。 性教育の授業だけでなく、学校でのキャリア教育や保健指導・個別面談でもおすすめです。 “今”と“未来”をつなぐ一冊。ぜひ、多くの場でご活用ください!! 1冊100円(送料別)➡︎商品購入ページはこちら 50冊セット3000円(送料無料)➡︎商品購入ページはこちら
【性教育実践インタビュー②】現場の声から考える性教育 星野貴泰さんに聞きました!
投稿者 : on
性教育をより良くしたい──。そんな思いで現場に立ち続けている方たちの取り組みを紹介する、【性教育実践インタビュー】シリーズ。第2回となる今回は、手術看護師で性教育歴16年の星野貴泰さんにお話を伺いました。ご自身が性教育に興味を持ったきっかけ、授業後の生徒へのアフターフォロー、外部講師として授業先の先生とのやりとりの工夫、そして星野さんが立ち上げた性教育コミュニティ「kokoro color」の活動まで、たっぷり語っていただきます。インタビュアーは、セイシルを運営する福田です。現場のリアルな声と実践方法を参考に、ぜひ一緒に性教育を考えていきましょう。 性教育に興味を持ったきっかけは遠見先生 福田:まず、性教育に興味を持たれたきっかけと経歴から教えてください。 星野:私は群馬県のすごく田舎の出身で、最寄りの電車の駅がなくてバスが1時間に1本あるかないか、みたいな地域です。2007年、高校3年生のときに、その田舎の高校へ当時医学生だった「えんみちゃん」が性教育の講演会に来てくれたんです。 福田:なんと遠見才希子先生(現 産婦人科医)が星野さんの高校に! 星野:そうです。当時、私は保健委員長をやっていて、もともとHIV/AIDSへの興味関心はあったんです。でも、性教育が予防に不可欠だという思いはあるけれど、学ぶ機会がなくて。そんな中でえんみちゃんの講演を聞いて、「今まで聞いた性教育と全く違う」と衝撃を受けました。そこから「自分もこういう活動をやりたい」と思ったのが一番のきっかけです。 福田:それで進路も変わったんですか? 星野:はい。もともとは高校卒業後、農家になる予定だったんです。でもそれをやめて看護師の大学に進学しました。「大学に行ったら性教育の活動をやろう」って決めて。 福田:すごい転機ですね! 〈当時、医学生の遠見先生と高校生の星野さん〉 星野:当時の群馬県には、エイズ予防講演会推進事業という事業があって、医師が来ることが多かったんです。スーツにネクタイで、いわゆる“禁止教育”的な内容が多かった。でもえんみちゃんの講演はそれと真逆で、それが私が「やりたい」と思う決定打でした。 福田:その予算の中で医学生の遠見先生も呼ばれたんですか? 星野:後から予算の中だと聞きました。当時、養護教諭の先生が思春期学会でえんみちゃんの活動を知って、「呼んでみよう」と思って呼んだそうです。えんみちゃんが群馬県に来るのは初めてでした。 福田:そこで星野さんが、たまたま講演を聞いていた。 星野:そうなんです。あとそのとき「水の交換ゲーム※」をやるってなって、最初の1人に私がなったんですよ。えんみちゃんとコミュニケーションを取りながら参加して、講演後に少し話して。翌年、大学に進学してからAIDS文化フォーラム(横浜)でえんみちゃんに「看護師になるために大学に進学しました。性教育をやるために来ました」と伝えたら、「頑張ってね」って言ってくれて。以降も仲良くしてくれています。 福田:すごい・・・!それがきっかけだったんですね。 星野:そして2010年、大学3年生のときに初めて性教育の講演に呼んでもらえるようになりました。最初は「大学卒業したら辞めるんだろうな」と思っていたけど、ありがたいことに依頼が続いて、今も続けています。気づけば講演歴16年目になりました。 ※水の交換ゲーム・・・性感染症の広がり方を体験的に学ぶワーク。参加者がコップの透明の水を数人と交換し、それを性的接触に見立てる。その後、薬品を入れて色の変化を見ることで、最初は少数でも接触を通じて感染が広がることを理解する参加型の活動。 “聞いて終わり”ではない、性教育が広がった瞬間 星野:しかもありがたいことに、私の講演を聞いて「性教育をやりたい」と言ってくれる子も実際にいて。私が高校へ講演に行ったときに生徒だった子が、のちに私の大学の後輩になって、性教育の講演をするようになったこともあります。 福田:そのバトンがまた繋がっていくなんて! 星野:あとは性教育コミュニティ「kokoro color(後ほど紹介)」に入ってくれた人が、自己紹介で「高校生のときに星野さんの講演を聞きました。一般企業に勤めていますが勉強したくて入りました」って書いてくれたり。自分の言葉が届いているのか不安なこともあったけど、受け取って動いてくれる人がいるのは嬉しいですね。 〈性教育講演の様子〉 福田:そういう“後から返ってくる反応”は大きいですね。 星野:そうなんです。アンケートで「満足」と書かれても、その後の人生でどう活きたかは分からない。性教育って効果指標が見えにくいからこそ、「活動するようになった」とか「学び続けてくれている」っていうのは、自分の授業の効果のひとつの指標になるなと思っています。 忙しい日々の中でも続く、性教育への情熱 福田:今は看護師をされながら性教育を、ということですよね。 星野:はい。手術室看護師として働いて13年くらいです。でも性教育の講演歴は16年なので、看護師歴より長いですね。 〈手術看護師として学会に参加する星野さん〉 福田:忙しい中、どうやって時間を捻出しているんですか? 星野:以前は年1〜2回の講演だったので割と余裕を持って講演をしていましたが、今はありがたいことに増えてきて、月1回の年休をとって「午前1件・午後1件・定時後1件」みたいに詰め込んだりしていました。 福田:なんて多忙なんでしょう…! 星野:世の中には性教育を仕事でやっている人もいて、年間何百回と講演をしている人と比べたらずっと少ないんですけどね。それでも資料作りは、仕事の合間や帰宅後に少しずつ少しずつやっています。最近は執筆依頼や論文の査読依頼も来るので、昼休みにメール返したり、帰宅後にご飯を作って、子どもとお風呂入って、寝かしつけは家族が担当してくれるので、その後に続きを作ったり。 〈性教育と同じく夕飯作りにも奮闘していることがわかるInstagramの投稿〉 Instagramまでが授業の一貫 福田:Instagramもよく更新されていますよね。 星野:講演が決まったら講演の参加者に事前質問をアンケートで集めます。講演内でも答えるけど、時間が足りないので、「インスタ見たら詳しく載ってるよ」と案内してます。だから講演前に更新が増えますね。 〈講演質問のInstagramの投稿例〉 福田:なるほど、Instagramで子どもたちの質問に答えているわけですね。 自分の質問が投稿で取り上げられると、生徒も嬉しいですよね。 星野:そうですね、「自分の質問を答えてもらえてうれしかった」という感想があります。生徒数が多くない学校も多くて、質問数もそこまで多くないので、いただいた質問は全部回答するようにしています。10個来たら10個全部。 安心して聞ける性教育の授業づくり:前提に話すべきこととは? 福田:他に工夫されている点はありますか? 星野:最初に必ず言うのは、「今日の話を聞きたくない人がいるかもしれないけど、無理して聞かなくてもいい」ということです。“絶対に聞かせる”スタンスじゃない、と最初に示します。苦手な人を否定せず、安心していられる空間を作ることが大事だと思っています。それから前提として、まずバウンダリー(境界線)とプライベートゾーン/プライベートパーツの話。その後、どの授業でも必ずセクシュアリティの話をします。 福田:必ず入れているんですね。 〈授業の初めにセクシュアリティの話をしている様子〉 星野:異性愛前提の話だけにならないように、「セクシュアリティはみんなに関係ある話」として伝えています。事前質問でもセクシュアリティに関する質問が昔より増えていて、「自分はゲイなんだけど」「ジェンダーフルイドだと思う」などが来ます。書くほどではないけどモヤモヤしている人も、最初にその話を聞くことで「自分が抱えてたモヤモヤはこれなんだ」と気づくきっかけになることがあるので、この順番にしています。 リアルな経験が子どもたちの心を動かす 福田:先生方や生徒からの反応で、特に評価される点は? 星野:よく言われるのは「身近な経験談があるから自分ごととして捉えられていたのが分かった」です。病院の話をそのまましても自分ごとにならない子もいるので、子どもたちの年齢に近いケースを話します。例えば、お腹が痛いと救急搬送された17歳の女の子が、検査したら妊娠36週だった、みたいな話をすると一気に引き込まれることがある。あとは講演後に養護教諭の先生から「実は先週、今日講演を聞いた生徒の中で中絶をした子がいた」と言われたこともあります。14歳の女の子で、相手も14歳。妊娠に気づいたのは母親だった、など。 〈星野さんの話を興味津々に聞く学生たちの様子〉 福田:現場のリアルですね…。 星野:そして「難しい話をするのかと思ったけど、分かりやすかった」とも言われます。それは手術室看護師として、看護学生に教える中で「難しい言葉を使わず噛み砕く」訓練をずっとしてきたからだと思っています。 保護者にも届く、家庭でのヒントになる性教育 福田:保護者向け(PTAなど)の講演もありますか? 星野:あります。去年、中2の講演が授業参観日にあって、生徒向けの後に保護者向けもやりました。保護者向けは15分で、性教育の本の紹介や、保護者の事前質問に答える内容でした。 〈保護者向けの講演会の様子〉 福田:反応はどうでしたか? 星野:保護者は全員ではないけど、20人くらい来てくれました。生徒60人に対して20人。「性の話を子どもとどう話せばいいか分からなかったけど、淡々と話せばいいと分かった」とか、「姉と妹で女の子に挟まれた長男がいて、女の子っぽいから“男らしくなりなさい”と言ってしまった。反省した」という声もありました。性教育の話だけのつもりでも、子育ての接し方のヒントとして受け取ってくれる方もいて、良かったです。 講演会までの準備の工夫 福田:学校の先生とのやり取りはどのようにされていますか? 星野:基本はホームページの依頼フォームから連絡が来て、メールで調整します。本当は電話がいいけど、仕事中電話できる時間が少なくて…。やり取りが増えるのが大変なので、まとめたファイルを作ってあります。 講演の演題(複数候補から選択) 交通費の計算方法 当日準備してほしいもの 講師紹介文の参考などを一括で案内。 年度が始まったタイミングでそれを送って、日付・人数などを入力してもらうGoogleフォームも一緒に送ります。「この1通で準備が分かる」ようにして、なるべく少ないメールで済むようにしてます。 性教育の時間をどう確保するか:学校への伝え方 福田:授業時間について、こちらからどうお話しされてますか? 45分とか50分とか言われることも多いですよね。集合に10分かかって、実質30分しかない、みたいな。 星野:ありますね。今は「この順番でこの内容を話すので最低1時間は必要です」と理由付けしてお願いしています。先生から「この話をしてほしい」と要望を聞いた上で、「それなら最低この時間は必要」と伝えると、学校側も確保に動いてくれることがあります。 福田:限られた時間の中でテーマもあり、質問にも答えるとなると、時間配分はどうしていますか? 星野:基本は50分〜1時間、できれば70分をお願いして、細かいタイムマネジメントを毎回ガチガチにするというより、頭の中で「今の残り時間でどこまでいけるか」を考えながら進めています。ただ「水の交換ゲーム」を入れると、相手次第で読めなくて配分をミスるときもあります。 〈性教育講演での様子〉 福田:なるほど。 星野:あと、始まりの“儀式”みたいなの(挨拶や紹介など)を長く取るより、話す時間を確保したいので、校長先生の挨拶や紹介は短くしてもらうようお願いすることもあります。講師紹介は「看護師・星野」で十分です、と。 性教育講演依頼の狙い目は春!? 福田:呼ばれるのは授業というより行事の中が多いですか? 星野:行事の中が多いですね。主催も保健部・生徒指導部・学年などいろいろで、Googleフォームで聞いています。 福田:時期の傾向はありますか? 星野:群馬県は12月近辺が多いです。昔の「エイズ予防講演会推進事業」の名残だと思います。世界エイズデー(12/1)もあって、秋〜12月が多い。 〈性教育イベントで出展参加する星野さん〉 福田:春(3〜5月)は少ないですか? 星野:少ないです。式典もあるし、養護教諭は健康診断で忙しくて動けない時期なので。 福田:学校以外(外部団体、自治体、男女共同参画センターなど)の方は、3〜5月は逆に狙い目かもしれないですね! 性教育コミュニティkokorocolorの活動について 福田:性教育コミュニティkokoro colorについて、どんな活動をされているか簡単に教えてください。 星野:2020年、コロナで性教育のイベントや研修が軒並み中止になったときに、「みんなで集まって性教育の話がしたい」と思ってオンラインイベントを開催したのが始まりです。参加者から「性教育を勉強したくても場所がない。居場所がない」と声をもらって、誰でも参加できる性教育の居場所を作ろうと思いました。今はLINEのオープンチャットを中心に、月2回くらいZoomで勉強会をしたり、LINEのライブトークで交流したりしています。最近のテーマだと、緊急避妊薬が薬局で販売されるようになったことについて、SNSでの反応共有や、学校でどう伝えるか(生徒にどう返すか)をみんなで考えたり、研究データをもとに議論したりしています。参加者は、性教育をバリバリやっている人もいれば、勉強したいけど何をしたらいいか分からない人もいて、フラットに話し合える場になっています。 講演のその先へ:Instagramと書籍化の目標 福田:今後の目標や野望があれば、教えてください! 星野:いつかやめるんだろうと思いながら続けてきたけど、やめずにここまで来ました。子どもが生まれてからは、性の話を“特別にする”んじゃなくて、日常の中で当たり前に扱えるように意識して子どもに接しています。それも学ぶ機会があったからだなと思っていて、自分の子どもが性で困らないように、子どものために勉強していきたいです。野望としては、ずっと「次は書籍化だよね」と言われてきて、まだ話はないけど、Instagramをこんなに頑張ってるなら書籍化できたらいいなと。出版社から「やりませんか」と言われたら「やります!」って言えるように、日々投稿を良くしていこうと思っています。目標はフォロワー1000人、そして書籍化。以前、看護師としての仕事とのバランスについて悩んだ時期もありましたが、慎重さを持ちながら活動を続けています。 福田:インスタ投稿、私も見てて楽しいです。応援しています! 〈定期的に丁寧な投稿をされているので、ぜひ星野さんのInstagramをご覧ください。〉 星野:ありがとうございます。インスタを頑張ってる理由は、講演を聞いた生徒が「もっと知りたい」と思ったときにアクセスできるツールにしたいからです。あと、どの学校でも、その学校に合わせた資料を用意してます。裏面にQRコードをたくさん貼って、「今日のみんなのために選んだ信頼できる情報サイト」へ飛べるようにして、正しいかどうか曖昧な、不適切な情報に行かないようにしています。そのリンク先の一つとしてInstagramも入れてます。 福田:最後に、性教育事業を頑張ろうと思っている人へのメッセージがあればお願いします。...