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【活用事例】ふれあいの12段階を活用したワーク
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今回はwithセイシルで提供している「ふれあいの12段階」の画像を活用したワークを紹介します! ふれあいの12段階とは? 「ふれあいの12段階」とは、イギリスの動物学者デズモンド・モリスが唱えた考え方のことです。恋人同士がどんな過程を経て親密になるかを12段階に分けて示しています。 どこをゴールにするかや、ステップの順番や数はこの通りでなくてもいいのですが、セックスを含む「性のふれあい」には段階があるということを意識することが大切です。 セイシルでは「ふれあいの12段階」を性知る記事「はじめてのセックス その前に。」で紹介しています。 ふれあいの12段階を用いたワーク 上記の「ふれあいの12段階」の画像を活用して、助産師の有馬祐子さんが素敵なワークを考案してくれました。このワークは、学芸大学附属世田谷中学校、谷百合香先生の授業実践を参考にしていて、今回はそのワークの内容と制作した教材を紹介します! 高校生向けと小学生向けにそれぞれ授業が行われました。 高校生に向けた実践「接触・ふれあいの同意についての学習」 まずは、都内の高校2年生に向けて行われたワークの紹介です(授業内容は全てではなく、省略している部分があります)。 授業実践の流れ ①個人ワーク 生徒一人ひとりに、「ふれあいの12段階」のうち8枚のカード( 「目から体」「目から目」「声から声」、 「手から手」「腕から肩」「腕から腰」、「手から頭」「手から体」)を配布。親しくなっていくにつれてふれあいはどのように進展していくか、生徒一人一人が考察して、ワークシートに記入しました。 ②グループワーク 3〜4人のグループで、それぞれの考えを発表し合い、共通する箇所、異なる箇所について確認し合いました。その後、グループの考える 8つのふれあいの進展について考えをまとめる作業をしました。 ③全体共有 6グループで作成したカードの順番を一つの場所に並べ、様々な考え方があることをクラス全体で共有しました。 ④まとめ デズモンド・モリスの『親密の12段階』の順番をホワイトボードで示して、参考として提示し、人が親しくなるのに受け入れられるふれあいの進み方(順番)というものは、一人一人が違うことを伝え、同じにしようとするものではない、ことを確認。 違うからこそ、良い関係性を持つためにはコミュニケーション、対話を持って同意をとることが大切になること、自分の考える順番を相手に同意なく求めることは、穏やかな関係性をこわす可能性があると伝えました。 この後、次の時間に「壁ドン」や「バックハグ」などについても考え、親密度の進展についてあらためてグループで話し合い、デートDVチェッカーを配布しました。 授業を受けた生徒の感想 最後に、生徒からの感想の一部を紹介します。 ・人それぞれ考えや、嫌なことが違う。カードは対象の人を誰にするかで、結構結果が変わりました。誰かに触る時は、友達でもちゃんと考えたい。相手が嫌がることはしないようにしようと思いました。 ・シチュエーションによって親しさの段階は変わっていくし、人によっては嫌がることや許せることなどが変わってくることがわかりました。自分の感情や気持ちだけで行動するのではなく、相手の反応や行動を見てからにしようと思いました。 ・人によって順番がバラバラで、感じ方もそれぞれ違うことが分かった。自分はそこまで親しくなくてもできることでも、他の人からしたら親しくないとできないこともあって、自分が意見を強調しすぎないようにしようと思った。無理にすることも良くないし、断ることも大切。 ・相手を異性とするのか、同性とするのか、そして他人としてできるのかなどでカードの並びは変わっていくだろうと思いました。自分がいいと思っていることでも、相手にとってそれは嫌なことかもしれない。だから人間関係は難しいんだなと思いました。 ・今日の授業で、価値観がみんなばらばらだったことに驚きました。だけど、なぜこの順番にしたのか話し合ったりすると、相手の考えが分かったり、自分の気持ちを理解してもらえたりして、すごく楽しかったです。 ・人によって、全然距離も感じ方も手段も違うということを、改めて確認することができました。私は距離が近くなってしまうので、苦手な人もいるということを頭に入れておきたいです。 ・人それぞれ、親しさ段階の考え方が違って、考え方が違うと同時に、感じ方の違いも学びました。だから、自分が「いいでしょー」と思ってやったことが、相手にとって嫌なことの可能性もあるから、同意をしたうえでやったり、信頼し合える仲になった時など、自分のことも相手のことも、その立場に立って考えることが必要だと思いました。 小学生に向けた実践「ロイロノートを活用した学習」 次に、都内の小学5年生に向けて行われたワークの紹介です。 〈あなたが思う「親しくなっていくふれあいの順番」は?〉という質問に対して、ふれあい・親しさについて考察しながら、ふれあいの12段階の内8つのカードを、ロイロノートを使用してタブレット上で並べていきます。 カードには、ふれあいの行為をイメージしやすいように言葉を添えています。 【目から体】その人がいるとわかる 【目から目】おたがいに目が合う 【声から声】その人と言葉を交わす 【手から手】その人と手をつなぐ 【腕から肩】どちらかの人が、相手の肩に手をふれる 【腕から腰】どちらかの人が、相手の腰に手をふれる 【手から頭】おたがいに頭にふれる 【手から体】おたがいにだき合う (有馬さんが、小学生にわかりやすい言葉を助産師の相賀佳代子さんと考えました。) それらのカードを自分の生活の中で人とふれあう機会を思い起こしながら並べ、それぞれが考えた順番を教員に送信しました。 今回は、友人同士で意見交換をする場面は作らず、教員4名が作成した順番を生徒に見せながら次のことを子どもたちに伝えました。 「人の考えには違いがある」 「同じこともあるけれど、違う場合は相手の思いを確認できないでいるから、不愉快な気持ちにさせてしまうことがある」 「確認をとることは大切」 「いやな関わりやふれあいがあったら『いや』と言って、自分の気持ちを守っていい」 授業後には「くすぐられる嫌がらせを受けて困っている」と教員に伝えることができた児童が数人いたようです。 授業を受けた児童の感想 最後に児童からの感想の一部を紹介します。 ・今回の授業で人と自分とでは触れ合うことに対する価値観が違うということがわかりました。自分より敏感な人に気をつけたり嫌そうな顔をしている時は引くようにするなどして今後の生活に役立てていければいいなと思います。 ・今回の授業では、心や体を大事にすることが、とても大切なんだなと学ぶことができました。人は、それぞれ個人差があるということが、学びとなりました。人の体に触れるときには、しっかり許可を得なければいけないということを、改めて実感できました。 ・今日の授業では、友達との関わり方や心の発達の話など、いろいろなことを学ぶことができ、正しい知識を得られたので、よかったです。また、今日の授業で習ったことをこれからも大切にして、今後の生活に活かしていきたいです。 ・今日は「やめて」といってもよいということが僕の心に残りました。 僕はいつも本当はやりたくないことを無理してやることが多かったが、「やめて」といってもよいと知ると心がすこし楽になりました。 実践を振り返って 授業を実践した有馬祐子さんよりコメントをいただきました。 ふれあいの行為をカードで表し、親しさの進展について考えさせる方法は、子どもたちにとって非常に分かりやすいと感じました。また、この学習を進める際には、ふれあいの対象が「親しい友達」なのか「恋愛対象」なのかを明確にすることで、子どもたちが課題に取り組みやすくなると思います。 「性的同意」をテーマとする授業を準備する場合、もし時間に余裕があるなら、まず今回のように性的接触を表すカードを使わず、ふれあいと同意について考察する機会を設けるのが良いでしょう。その上で、次の授業で「この行為が加わったらどのような影響があるか想像してみましょう」といった形で性感染症や妊娠の可能性に触れると、子どもたちにとって「性的同意」の理解がさらに深まるのではないかと思います。 授業の中で、「ふれあい」や「接触」に対して想像することが難しいと感じる生徒もいました。ある生徒からは、「このカードは全部使わなければいけないんですか?親しさが増したとしても、私は『嫌だ、してほしくない』というものがあるんですが、それでもいいですか?」という質問がありました。 このような場合には、「この8枚のカードを使って親しさが増していく段階を考えて並べてみましょう。ただし、すべてのカードを使用する必要はありません」といった説明をあらかじめ添えることで、子どもたちの困惑を和らげることができると考えます。 有馬さん、素敵な活用方法をご紹介いただき、ありがとうございました! みなさんも「同意」の理解に繋げるためにも、ぜひ「ふれあいの12段階」をご活用ください♪
【活用事例】「デートDVチェッカー」活用5事例を紹介
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デートDVは、恋人同士で起こる暴力を指します。特に若い世代において、デートDVの存在を知り、早期に気づくことが重要です。 そのために制作したセイシルの「デートDVチェッカー」は、デートDVについて知り、自分自身やパートナーとの関係を振り返るきっかけを提供する教材として、多くの場で活用されています🌈 今回は自治体や大学を中心に、全国での「デートDVチェッカー」活用事例を5つご紹介します。これらの事例から、デートDV啓発活動の参考にしていただければ幸いです。ぜひ実際の取り組みの様子をご覧ください✨ ① 越谷市男女共同参画センターでの展示 越谷市男女共同参画センター「ほっと越谷」では、地域住民を対象としたデートDVの啓発展示を実施しました。 近隣の自治体の相談窓口の情報と一緒に、「デートDVチェッカーのトリセツ」のチラシを掲示されています。 同時に近隣の相談施設を知ることで、身近なサポートを感じられるので、とても良い掲示ですよね! 展示期間は、期末考査や共通テストの勉強をするため、学生の来所者が増える11月中旬から12月中旬の期間を予定してくださいました。多くの若者の心身の健康のサポートになれば嬉しいです! ② 茨城県庁のエイズデー展示 茨城県庁で行われたエイズ予防キャンペーンでは、性感染症(STI)予防とともに、若年層のデートDV防止にも焦点が当てられました。 クリスマスに合わせた展示が目を惹きますね!🎄展示の中で、TENGAのコンドームと啓発冊子、セイシルカードとともに、「デートDVチェッカー」が配布されました。 エイズ・性感染症予防というテーマの中で、恋愛関係の健康さや安全性を考えるきっかけを提供した事例です。 「来庁された県民の方が立ち止まり、啓発物品をお持ち帰りいただく姿を見られ、県民のみなさまに正しい知識の普及啓発が行えた」と担当の方からコメントもいただきました! 茨城県庁では昨年もご配布くださいました。 昨年はこちら ③ 昭和女子大学のゼミ活動で新宿駅で配布 昭和女子大学 人間社会学部 現代教養学科 の木村教授のゼミ生の方々が、デートDVに関する研究の一環として「デートDVチェッカー」を新宿駅で通行人に配布しました。 デートDVチェッカーの説明をしながら配布した様子や、配布した学生さんたちの感想が、昭和女子大学のゼミ活動報告で紹介されているので、ぜひご覧ください。性別に関係なく、幅広い世代に受け取っていただけたとのことでした! 木村教授は、実際に他者に理解してもらうことの重要性や難しさというものを学生に体験して欲しくて今回新宿駅で配布することを決められたそうです。夏の暑い時期のご配布、ありがとうございました❣️多くの人にデートDV防止の重要性に気づいてもらえたら嬉しいです。 ④ 筑波大学園祭での配布 筑波大学学園祭の産婦人科ブースにて、アンケートに参加いただいた方に、生理用ナプキンかコンドームと一緒にセイシルのクイズカードが配布されました。 「デートDVチェッカー」はブースで自由に持ち帰れるようにしていただき、"面白い"とカップルや夫婦に人気だったとのことです。 男性にも気軽に来場いただけるような企画にしたとのことで、2日間で1000人の来場者のうち、4分の1が男性だったようです。やはり男性だと「産婦人科」に対するハードルは高いと思うので、今回のように「ふらっと」足を運べて、生理についてなど知っていただく機会があるのは素敵なことですね! この企画はyahoo!ニュースでも紹介されていますのでぜひご覧ください。 ⑤ 大阪公立大学の学園祭「ユースクリニック」で配布 大阪公立大学では、学園祭中に地域の産婦人科医の方を招き、ユースクリニックである「ユースカフェ」を設置しました☕️ その中で「デートDVチェッカー」を人通りの多い廊下にて配布していただき、恋愛関係に関する相談や悩みについて話し合うきっかけが生まれました。 ユースクリニックでは、ピルのオンライン診察・処方サービスでおなじみの「スマルナ」さんも招いていて、生理痛体験をすることができたり、性に関する本の紹介や、学生オリジナルのクイズが掲示されていたりと、盛り上がっていました👏 今回のユースカフェを企画した学生の一人、髙橋琉樹さんからは「(ユースカフェに対して)こういうのもあるんだーという反応が多く、特に50~60代の方は感心されていたと思う。また、デートDVチェッカーはカップルで見ながら話している人たちも多かった。今後も学園祭に限らず、こういった場を設けて活動していきたい。」というコメントをしてくれました🎵 上記の事例は、全国各地で「デートDVチェッカー」がどのように活用されているかを示す一例です。これらの活動事例を通じて、具体的な雰囲気や取り組みの様子を感じていただけると思います。ぜひご自身の地域や活動に取り入れていただき、デートDV防止の輪を広げていきましょう‼️
【活用事例】セイシルが「ほけんだより」に❣️
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今回は、兵庫県のとある中学校の保健室から発行された「ほけんだより」を紹介します✨ この「ほけんだより」は、セイシルの「付き合っているふたりの力関係」の画像を活用し、デートDVチェッカーを紹介していただきました。 「デートDV特別号」として、デートDVに関する知識だけでなく、養護教諭の先生からのコメントが入ったり、生徒に問いかける項目があったり、応用した内容である刑法についても触れたりと、多くの子どもたちに関心を持たせる工夫が詰まった「ほけんだより」になっています♪ ぜひ皆さんも、セイシルの活用事例として参考にしてくださいね。 「セイシル活用事例」大募集中‼️ withセイシルでは、セイシルを活用した「ほけんだより」や「授業のワークシート」を募集しています。 withセイシルのコラムで紹介しても良いという方は、ぜひお問合せまでご連絡ください。
武蔵野大学看護学部の実習を行いました!
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先日、助産師資格や教員経験のあるセイシルスタッフ3名が、2日間に分けて武蔵野大学看護学部の「母性看護学実習」を行いました。 武蔵野大学での実習は昨年から行っており、担当の武蔵野大学看護学部教授の坂上明子先生とセイシルスタッフの出会いから、この実習が実現しました。 対象は看護学部の3年生で、夏(前期)に2回、冬(後期)に2回、合わせて4回の実習を、毎回違う学生に向けて、10名ずつに分かれて実施します。 当日の実習内容を紹介 1回の実習は120分です。55分ずつ前半と後半に分けて、前半と後半の間に10分の休憩時間をとりました。 ⭐️配布物(withセイシルでご注文いただる教材もございます!) ・セイシルカード5種 →ノーマルカード →クイズカード・デートDVチェッカー →トリセツつき・プレコンセプションケア冊子「私はパパになれますか?」・ニニンカツ冊子(非売品)・プレコンセプション学習教材(非売品) →セイシルオリジナルのプレコンセプションケア冊子・講義用の指導案ワークシート(非売品)・コンドーム装着棒2種(大学側準備物、使用後回収)・練習用コンドーム2種(大学側準備物)・ウェットシート(大学側準備物)・セイシルオリジナルコンドーム →ピーチかチョコどちらか(学生のお土産用) 【前半】性教育の歴史学習とコンドーム実習 まず、セイシルのスタッフ3名が自己紹介を行いました。それぞれ、なぜこの仕事を選んだのか、そしてこれまでどのような経験を積んできたのかを語り、プレコンセプションケアにも役立つ人生計画の参考にしてほしいという想いや、いろいろな人生があることを知ってもらいたい、というメッセージを込めています。 続いて、会社の概要や性教育WEBサイト「セイシル」について説明した後、事前アンケートで募集した看護学生たちの性に関する悩み「モヤモヤ」に答えました。避妊や性欲に関する質問が多く、セイシルの情報をもとに回答しました。自分の悩みが取り上げられた学生はもちろん、他の学生も同級生がどんな悩みを持っているか知ることで共感を深めてもらえたと思います。 次に、学生さんたちのアイスブレイクを兼ねて、二人組を作って話し合い、発表してもらう時間をとりました。内容は「①小中高での性教育の思い出」と「②家庭での性教育の思い出」です。 学校での思い出は、「あまり覚えていない」というのが一番多く、小学生の時に男女分かれて生理の話を聞いたという学生が数名いました。中には、男女分かれて掃除の時間だと聞かされ、雑巾を持って女子が体育館に行くと、性教育が始まって騙されたというエピソードも! 家庭での思い出は、「全くない」というのが一番多く、ナプキンをもらった時に少し聞いたという学生や、親が学生のお菓子をコンドームと間違えて急遽性教育の話になった学生もいました。(勘違いに気づいた親御さんの焦りが目に浮かびます…^^;) そして、避妊具の中でもコンドームについて詳しく説明しました。学生に一人ずつ配布し、開け方から一緒に行ってもらいました。 スタッフは見本として、コンドームモデル(アームサイズ)を使って手順を説明しました。本物として使うことはできませんが、腕まで入る大きさなので、見本として使うと学生さんたちに見えやすいです。 初めて触る学生や、見たことはあるけど自分ではつけたことがないという学生が多く、意外と難しいと言い合いながら学生同士でワイワイと装着棒につけました。この難しさを経験してもらうことで、なぜ失敗が起きてしまうのか、いかに練習が必要であるかを感じてもらうことが狙いです。コンドームを袋から出すポイントを知らなかったと驚いていたり、捨てる時にどれくらい爪を立てたら破れるのか実験してみたり、素材や厚さが違うコンドームと比べてみたり、じっくり楽しく学んでもらいました。 最後には、学生自身が学んだ後に、コンドームを高校生に学んでもらうために、自分たちが先生として授業をするなら、どんな授業をするかというような指導案づくりにもチャレンジしてもらいました。コンドームにまつわるクイズを用意したり、性感染症予防の切り口で説明したり、失敗例を紹介したりするなど、色々なアイデアが出ました。 【休憩】質疑応答&性に関するアイテム紹介 休憩時間は、お手洗いや水分補給の時間でもありつつ、質問があればスタッフに聞いたり、実際に性に関するアイテムに触ってもらったりする時間にしました。 セイシルを運営する株式会社TENGAヘルスケアの商品は、性の悩みの解決を目指したアイテムばかりです。性に関する幅広い悩みが存在することを学びつつ、実際に触ってもらいました。また、武蔵野大学の先生方には、指用のコンドーム「フィンドム」や口腔性交用の「デンタルダム」、月経カップなど、たくさんの性に関するアイテムを展示してもらいました。 女子学生も男子学生も、興味津々で質問してくださり、スタッフはいろいろなアイテムの使用体験談を踏まえて、使い方や使い心地などを学生さんたちに紹介しました。男女それぞれが、実際のアイテムを手にとって使い方を学べる機会は貴重だったと思います。 アイテムの他に、性に関するたくさんの書籍も武蔵野大学の先生方に用意していただきました。こんなにも色々な本があることに驚いている学生が多かったです。 【後半】プレコンセプションケアについて考えよう 後半は、将来に目を向けていきます。ここでは事前アンケートで募集した悩みから、将来のことに関するモヤモヤに対して回答しました。 講師という立場はもちろんのこと、学生さんたちより長く人生を経験している先輩として、具体的な経験談を交えて、1つ1つ丁寧に答えました。 その後は、セイシルオリジナルのプレコンセプションケア学習教材を使用しました。プレコンセプションケア(Pre conception care)とは、「将来妊娠するかどうかにかかわらず、すべての人が性と生殖に関する正しい知識をもち、自分たちの生活や健康に向き合うこと」です。 (来年にはwithセイシルで提供開始予定です!) プレコンセプションケアの視点を踏まえて、学生さん自身の将来のライフプランを検討していきます。この時、セイシルが気をつけたことは「結婚や妊娠を絶対条件にしてはいけないこと」、「計画通りではない妊娠が絶対に悪いわけではない」ということです。 モデルケースでは多種多様なパターンを準備して、結婚する/しない、子どもは産む/産まない、異性愛や同性愛、転職や海外での就業、副業、留学などさまざまな働き方や人生を例としてあげました。 そして、将来、妊娠したいと考えた時に妊娠できる(妊娠したいと考えていない時には避妊ができる)ようにするためには、性別に関係なく、今、できる生活改善やパートナーとの関係性についても伝えた上で、実際に10代〜老年期まで人生計画を考えてもらいました(各学生が書くライフプラン検討シートは他者に共有しないことを約束しています)。 学問や趣味など5項目に分けて書き進めてもらいましたが、10代から5項目全て埋めて書きながら考える人や、人生の軸と自分で決めた1項目を全て書いてから他を書き進める人、老後の野望を書いてからそれに向けて計画する人、書き方だけでも、いろんな人生計画があることがわかります。 学生の中には「書いてみると、思っていたより時間がない!」と、明日から何かを始めようと意気込んでいる人もいました。また、「将来の人生を考えると、今のうちから健康管理をしっかりしないといけないと気付いた」という学生もいました。 また、プレコンセプションケアの1つとして、男性不妊に関する冊子「私はパパになれますか?」は、多くの学生が興味を持って読んでくれていて、後の実習記録にも、その情報について、男性不妊が多いことへの驚きなどの感想が多く寄せられていたと先生方にお聞きしました。 その他、性感染症やデートDVについてもプレコンセプションケアに関連付けて、少しですが話をさせていただき、どれもとても熱心に聞いてくださいました。 実習を受けた看護学生さんたちの声 実習後に武蔵野大学の看護学生さんたちにアンケートに答えてもらいました。その一部をご紹介いたします。 実習の満足度 今回の実習の満足度は、なんと10段階評価で平均10でした! 受講者は、毎回10人程度と少人数に絞って行いましたが、参加した学生全員が10の満足度をつけてくれました✨少数だからこそ、コンドーム装着練習やディスカッションもしやすかったと感じます。 満足度を選んだ理由: ・自分の今後について考える機会になった。実際に体験すること、試しながら触ったりすることが初めてで、普段できない経験をすることができたから。 ・正しいコンドームの付け方を教えてもらったことはなかったし調べたこともなかったため勉強になったため。また、初めて知る商品があったりして充実した授業を受けることができたため。 ・嫌悪感なく楽しく性について学ぶことができたことや、自分のこれからの計画について見つめることができたから。 ・実際にコンドームの装着を体験したことで、こんなにも難しいことなのだと初めて知ることができたからです。また今までに知らなかった知識を知ることができ、自身の人生を選択するための糧になるものがあったと思います。 ・自分の人生について30代より先まで考えたことが無かったので、具体的に20代で行いたいことをした上で30代以降自分にどんな事がしたいか、必要かを考えることが出来たから。 ・恥ずかしさを感じずにこの授業を受けることが出来たから。また飽きることなく2時間過ごすことが出来たから。 ・実際に避妊具を用いながら講義を行うことは、今までの学校では行われなかったことだったので、非常に新鮮で知らないことが多いと感じたからです。 ・正しい知識を得ることができた。コンドームの正しい着用を実際に行うことができた。休み時間までも様々な物品について説明していただいたから。 感想の紹介 受講した学生さんたちの感想の一部もご紹介します。 ・性欲は無くても大丈夫だということを知ることが出来て、私は性欲がないことに困っていたためとても安心しました。 ・男性も不妊の原因になる可能性があること、また割合として女性と変わらないことが印象的でした。 ・梅毒が流行していることがとても印象に残っている。感染症の検査などをしっかり行って予防していきたい。 ・性を楽しむために色んな商品が発売されているのを知った。見た事がないものが多くあって驚きが大きく、印象的だった。また不妊に関して、精子を守るための7ヶ条が印象的だった。 ・避妊や性感染症の対策グッズには種類が沢山あることを知りませんでした。妊活支援のグッズも安価で手に入り、使いやすいことを知りました。 ・コンドームの付け方について、実際に学ぶことがなかったので印象に残った。 ・コンドームの付け方は今日習って忘れることは無いと思います。 ・意外にも性行為を強要したり、コンドームを使用したがらない男性が世の中にはいるのだということが驚きだった。 ・(マイプレコンについて)50代以降も書いてあったのが未来を想像しやすくてよかった。 ・(マイプレコンについて)自分の思い描く将来を表に表すことで具体的な希望が見えた。 ・(マイプレコンについて)記入例があることでさまざまな生き方があることを学ぶことができた。自分の未来について考えるきっかけになった。 どの感想も、実習で積極的に学んでくれた姿勢が伝わる内容で、看護学生さんたちの将来の夢を応援したくなります。素敵な感想をありがとうございました‼️今後の実習の参考にさせていただきます。 実習効果を学会で発表 2024年3月に香港で開催された、27th East Asian Forum of Nursing Scholarsと、2024年9月に開催された、第22回日本生殖看護学会 学術集会で、このセイシルの昨年の実習の効果について、武蔵野大学の先生方にポスター発表をしていただきました。 一般演題(ポスター)として、タイトルは「Effectiveness of Preconception Care Program in Reproductive Health Practice」と、「母性看護学実習によるプレコンセプションケア学習プログラムの効果-質問紙調査による評価-」です。 この実習のプログラムが、学生がプレコンセプションケアを学ぶための有効なツールであったと評価していただきました。 おまけ:実習後に食堂へ 武蔵野大学さんでの実習後、セイシルスタッフみんなで食堂でランチタイムを過ごしました。大学へ実習に行くお楽しみポイントですね✨ 武蔵野大学看護学生の前期履修のみなさん、ありがとうございました‼️ 後期のみなさんとも、お会いできることを楽しみにしています♪
【活用事例】コンドームの装着を楽しく学べる!「コンドームモデル(アームサイズ)」
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今回はコンドームモデル(アームサイズ)の活用事例を紹介します! コンドームアームは性感染症予防や避妊に関する授業で、コンドームの正しい使い方を効果的に教えるために開発された教材です。 1リットルのペットボトルや人間の腕に装着して使うことができ、視覚的にコンドームの扱い方を学ぶことができます✨ 特に、精液だまりの部分が通常よりも大きめに設計されているのが特徴で、教室の後方にいる生徒でもしっかりと確認できる仕様です。 ジェルが付いていないため、繰り返し使用できる点も教育現場で重宝されています。 購入者の活用事例を紹介 このコンドームモデル(アームサイズ)を、NPO法人HIKIDASHIの大石真那さんが大阪府の高校生への性教育に活用してくださいました。(記事はこちら) また、デートDVチェッカーも一緒にご配布いただきました♪ 記事内では、お写真とともに具体的な活用方法や生徒や先生たちからの反応にも触れられており、この教材についての効果の参考にしていただければと思います。 実際、セイシルでも生徒たちから、コンドームアームへの以下のような声が寄せられています。 「本物よりも大き過ぎるので、リアルじゃない分、気持ち悪く感じずに説明をしっかり聞けました。」 「大きなコンドームがとても印象に残りました。使い方を一生忘れないと思います。」 「はじめ馬用かと思いました!驚きましたが、楽しく学べました。」 このように、インパクトのある教材として、学生たちの関心を引きつけながら、楽しくコンドームの正しい使い方を伝えられるのがこのモデルの魅力です。 活用方法と参考動画 さらに、このコンドームモデルの活用方法や大きさ、伸び具合について知りたい方は、専用の参考動画をご覧ください。 視覚的に確認することで、授業やワークショップでの使用イメージを掴みやすくなります。 コンドームモデル(アームサイズ)の概要 サイズ: 広げた時の長さ約28cm、輪の直径約7.5cm 素材: 天然ラテックスゴム製 特徴: 半透明、潤滑剤なし、香りなし 使用期限: 3年(繰り返し使用できますが、ゴムは劣化するためご注意ください) 原産国: タイ 注意事項 ラテックスアレルギーの方はご使用をお控えください。 コンドームを扱う際、爪などでゴムを傷つけないようご注意ください。 直射日光を避け、涼しく乾燥した場所で保管してください。 たばこを吸った手で触れると変色する恐れがありますのでご注意ください。 実際の性行為には使用できません。これは教材専用です。 購入はこちらから可能ですので、ぜひ一度試してみてくださいね🎵