news/column — 施設・団体紹介
【施設訪問】痴漢抑止活動センターに行ってきました!
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先日、大阪にある「一般社団法人 痴漢抑止活動センター」をセイシルスタッフが訪問しました。このセンターは、教育を通じ誰もが安心安全な車内を実現し、性犯罪を許さない社会の実現に寄与することを目的としています。 今回は痴漢抑止活動センターの取り組みや訪問の感想をご紹介します♪ 日本における痴漢の現状 まず、日本における痴漢の現状について紹介します。痴漢は長年にわたり社会問題として指摘され続けています。 警察庁の統計では、痴漢を含む「迷惑防止条例違反」の検挙件数は毎年一定数存在し、被害の多くは鉄道やバスなどの公共交通機関で起きています。 しかしながら、「泣き寝入り」 が多いのが実態です。 恥ずかしさや恐怖心から声を上げられない 相手を特定するのが難しい 周囲からの誤解や二次被害を恐れるといった理由から、被害を受けても届け出をしないケースが多数あります。 さらに、痴漢は被害者に与える精神的なダメージが大きく、 心的外傷後ストレス障害(PTSD) や通勤・通学への恐怖心など、長期的な影響を残す場合も少なくありません。 「痴漢は犯罪であり、決して許されない」 「痴漢は加害者が100%悪い」という共通認識を社会に広げることが重要です。今回ご紹介する痴漢抑止活動センターが教育・啓発活動に力を入れているのも、この「認識の変革」が根本的な解決につながると考えているからだと思います。 痴漢抑止活動センターとは? 痴漢抑止活動センターは、「誰にとっても安心・安全な社会」というミッションを掲げて活動されています。「性暴力を許さない社会」 を目指し、啓発活動や教育プログラムを幅広く展開している団体です。 活動の大きな柱は痴漢抑止バッジの普及です。「痴漢は犯罪です」「泣き寝入りしません」といったようなメッセージを掲げた 痴漢抑止バッジ のデザインコンテストを開催し、制作・配布をしています。バッジを身につけることは「自分自身の意思表示」であると同時に、周囲への抑止効果にもつながります。 痴漢抑止バッジの役割 訪問時に特に印象的だったのが、センターの象徴でもある 「痴漢抑止バッジ」 です。この小さなバッジには大きな3つの役割があります。 まず、加害を試みる人に「監視されているかもしれない」「面倒なことになるかも」と思わせることで行動を思いとどまらせる 抑止効果。次に、被害者側にとっては「私は泣き寝入りしない」という 無言の意思表示 になり、安心感や勇気を与える効果があります。実際に「これなら電車に乗れる」との声もあるそうです。さらに、周囲の乗客がバッジを目にすることで問題意識を持つきっかけとなり、傍観者を“支援者”へと変える 社会的な広がり を生む点も重要です。 小さなアイテムですが、その効果は個人を守るだけでなく、社会全体に「痴漢を許さない空気」を広げていくのだと感じました。 周りの人に問題意識を持ってもらうという点で、学生だけでなく大人のセイシルのスタッフも電車でつけておこうと思いました!親子でつけたり、電車通学の子どもへのプレゼントにも良いですね。 月1,000円からの寄付制度(マンスリーサポーター) 痴漢抑止活動センターでは、 月額 1,000円からの継続寄付(マンスリーサポーター制度) を設けており、これによってバッジの無料配布や啓発活動を継続するための基盤をつくっています。 実際、テレビ番組でバッジが紹介された際は、無償配布の申込が相当多数寄せられたとの報告もありますが、その需要をすべて受け止め、安定した供給を続けるためには、寄付者の支持をさらに広げる必要があります。 詳しくはこちら 第11回 痴漢抑止バッジデザインコンテスト 2025 バッジをただ配るだけでなく、未来の担い手である学生自身にデザインを問いかけ、意識を育む仕組みが バッジデザインコンテスト です。 センターは、学生(中高・専門学校・大学等)を対象に、公共交通機関で用いられる「痴漢抑止バッジ」のデザイン公募を行っています。 被害に遭いやすい学生自身が参画することで、保護者や教員などにも話題が拡がり、社会全体で関心を高める効果が期待できると思いました。 現在、第11回が行われており、1014点の応募があったそうです。2025年11月4日(火)から一般の方でもオンラインで審査に参加できます。 詳しくはこちら 痴漢を許さない社会へ、私たちができること 今回の訪問を通じて、痴漢抑止活動センターが単に「防犯バッジを配る団体」ではなく、教育・啓発・社会的な意識変革を軸に活動していることを実感しました。 痴漢抑止バッジは個人を守るだけでなく、加害を防ぎ、周囲の意識を変える「きっかけ」になります。そして、こうした取り組みを持続させるには、私たち一人ひとりの支援や参加が欠かせません! 「マンスリーサポート」や「バッジデザインコンテスト」など、関わり方はさまざまです。皆さんもぜひ、この取り組みに目を向けてみてくださいね。私たち一人ひとりの意思が集まることで、「痴漢を許さない空気」が社会全体へ広がっていくはずです。
【施設訪問】スマルナステーションに行ってきました!
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先日、大阪・心斎橋にあるユース世代向け相談施設「スマルナステーション」をセイシルスタッフが施設見学として訪問しました。この施設は、性や身体に関する悩みを抱える若者たちが、助産師さんなどの専門家と気軽に相談できる場所です。 今回はスマルナステーションの取り組みや訪問の感想をご紹介します♪ ⇧Osaka Metro御堂筋線「心斎橋駅」出口から徒歩3分の立地 「スマルナステーション」とは? スマルナステーションは、株式会社ネクイノが運営するユース世代向けの相談施設で、10代から20代前半の若者を主な対象としています。 同じビル内に婦人科クリニックが併設されユースクリニック機能もあることから、医師の診察が必要な場合でも安心です。 ここでは、妊娠や避妊、生理、性に関する悩みなど、誰にも相談できずに一人で抱えがちな問題について、助産師との無料相談が可能です。(保険証も不要!)対面だけでなく、LINEを通じたチャットでの相談も受け付けており、アクセスのしやすさが特徴です。 ⇧スマルナステーションの公式サイトはこちら ユースクリニックってなに? ユースクリニックとは、主に10代から20代前半の若者を対象に、性や健康、メンタルヘルスに関する相談や支援を提供する専門的な窓口です。スウェーデンなどの北欧諸国で発展した制度で、若者が安心して自身の身体や心の悩みを相談できる場として設けられました。日本でも近年徐々に広がりを見せています。 綺麗な施設内に優しい助産師さんが常駐 スマルナステーションの施設内は明るく温かみのある雰囲気で、訪れる人がリラックスして話せるような工夫が随所に見られました。また、コンドームの正しい使い方を学べるレクチャーや、デリケートゾーンケア用品のサンプル配布など、実践的な学びの場も提供されています。 ⇧セイシルの本も置いてくれていました♪ スタッフの方々は非常に親しみやすく、優しく訪問者一人ひとりの話に丁寧に耳を傾けていただけます。「誰に相談していいかわからない」「こんなこと聞いてもいいのかな」といった不安を抱える若者たちにとって、ここはまさに「安心して話せる場所」なのだと感じました。 スタッフの一人である神保さんはセイシルのモヤモヤ相談「アフターピルはどこで買えるの?」でも回答してくれています。 スマルナステーションでは、対面およびLINEでの無料相談の他にも、妊娠不安を抱えた際、併設する病院で500円で妊娠検査を受けることができる500円妊娠検査も実施しています。 「toreluna」体験 施設には生理用ナプキンを常備し無料で提供するサービス「toreluna(トレルナ)」がありました!全国の商業施設や公共機関、学校などに設置されています。 セイシルスタッフも生理用ナプキンを取り出す体験をさせてもらいました♪携帯でとても簡単に個室のトイレの中で受け取ることができるので、急に生理がきても安心ですね! 出張スマルナステーション 認定NPO法人D×Pが運営するユースセンターにスマルナステーションの助産師などの専門家が出向く「出張スマルナステーション」も開始しているとのことでした。 大阪ミナミエリアの通称“グリ下”近くのユースセンターにて性感染症検査キット「スマルナチェック」の無償提供も行っています。 ⇧詳しくはこちら スマルナステーションのような施設が全国に広がることで、性や身体に関する悩みを抱える若者たちが、早期に適切なサポートを受けられる社会が実現することを願っています。
【団体紹介】セクテル「男女ともに貢献できる」ちかん防止キーホルダー【チカキー】を高校生に届けたい!
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みなさん、こんにちは♪ withセイシル運営です。今日はセイシルが注目している、男子高校生3人が性教育をより良いものにするために様々な活動を行なっている団体「セクテル」さんと、セクテルさんのクラウドファンディング「男女ともに貢献できるちかん防止キーホルダー【チカキー】を高校生に届けたい!」をご紹介します! セクテルさんのクラウドファンディングはこちら!(支援は2024/9/30まで) このクラウドファンディングは、高校生に【チカキー】という痴漢防止キーホルダーを提供することはもちろん、痴漢に対しての問題意識が女性にしかない傾向にあるという現状に警鐘を鳴らすことを目指しています。クラウドファンディングについて知り、もっと彼らの話を聞いてみたい!ということで、オンラインでの顔合わせが叶いました✨ メンバーの1人の「痴漢現場を見たかも?」という会話から始まったというクラウドファンディング。女性だけが痴漢を対策していることに違和感があるなどの考えを巡らし、このような活動に至ったという高校生たちの思考と行動力に尊敬しっぱなしのMTGでした。また、性別を問わず誰もが自分や周りの人々を守るためのツールを持つことができるようにするというアイデア、そして何よりも男子高校生が性教育の面から日本社会をより良くしようとする活動に深く感心しました! 現代社会において、性加害・性被害を未然に防ぐための教育やツールの提供は不可欠ですが、現実にはその手段が十分に整っていないのが現状です。だからこそ、このクラウドファンディングの意義は非常に大きいと感じています🔥 高校生の痴漢被害の実態 日本の高校生は、通学時に公共交通機関を利用する機会が多く、痴漢被害に遭いやすい層とされています。混雑した電車やバスでの痴漢被害は特に多く、毎日多くの高校生が被害に遭っています。被害者の多くが女子生徒であり、加害者は高校生の若さや無防備さを狙って犯行に及ぶケースが目立ちます。被害を受けた生徒は、恐怖や羞恥心から声を上げられず、周囲に助けを求めることが難しいと感じることが少なくありません。 さらに、性犯罪は身体的な被害だけでなく、心理的な影響も大きく、被害者は長期的なトラウマを抱えることがあります。性犯罪に対する教育や啓発活動は学校でも行われていますが、具体的な対策や被害を受けた際の適切な対応方法が十分に浸透しているとは言えません。 このような状況を改善するためには、社会全体が連携して痴漢に対する厳しい姿勢を示すことが求められています。痴漢や性犯罪が決して許されない行為であることを周知し、加害行為の未然防止に努めることが重要です。 セイシルでも痴漢に関するモヤモヤ相談を紹介しています。 コラムを読んでいる性教育従事者の皆さんには、このクラウドファンディングの情報を積極的にシェアしていただきたいと考えています。多くの性教育の現場で活躍する皆さんだからこそ、この【チカキー】の価値を広めることができるはずです✨未来を担う高校生たちに安心を届けるため、共に力を合わせましょう。 このクラウドファンディングはすでに多くの方々からの支援を受けており、プロジェクトの成功は間近です!しかし、より多くの高校生に【チカキー】を届けるためには、さらなる支援が必要です。皆さんもぜひこの機会にご支援いただき、一緒に社会を少しでも安全に、そして思いやりに満ちた場所にしていきましょう。 セクテルさんのクラウドファンディングはこちら!(支援は2024/9/30まで) (2024/9/4時点のTOPページ)
【スタッフ体験記】極私的梅毒展❹に行ってきました!
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セイシルのスタッフが横浜AIDS市民活動センターさんで行われていた「極私的梅毒展❹」に行ってきました! そこで学んだこと、感じたことをご紹介します♪ 「極私的梅毒展」とは? ハコ物館作家であるコケ丸さんの展示「極私的梅毒展」は、梅毒に関する知識と経験をアートを通して伝えるユニークな試みです。 実際に同時期に梅毒になった、東京と大阪の親友ふたりのリアルな体験をベースにしたドキュメンタリーだから「極私的(キョクシテキ)」梅毒展なのだそう。ふたりの感染経路、症状、治療法、検査、梅毒の歴史などを10個の箱に分けて、視覚的に表現されていました。 また、梅毒の患者としての「患者力」に焦点を当て、病気への異なる対応方法も探求しています。 梅毒とは? 梅毒とは、梅毒トレポネーマという細菌によって引き起こされる性感染症です。 梅毒が世界で初めて認識されてから、日本で流行するまでの流れも、箱で紹介されています。 ※あくまで一般的な説 この病気は、主に性的接触(セックス、オーラルセックス、キス等)を通じて感染し、発疹や潰瘍などの症状を引き起こすことがあります。 梅毒の発疹は赤やピンクの色をしていて、バラの花のように見えるためバラ疹とも言われます。また、ヤマモモ(漢名:楊梅)の実にも似ていることから「梅毒」と名付けられたという説もあります。 【展示物のヤマモモのシロップ漬け】 梅毒は適切な治療(飲み薬か注射)をすれば完治が可能ですが、治療されない場合は進行し、重篤な健康問題を引き起こす可能性がある性感染症です。 梅毒についてもっと詳しく知りたい方は、セイシルの記事も参考にしてください。 梅毒と向き合うアートの力 展示は、性感染症に詳しい専門家からのアドバイスや、梅毒になった親友ふたりとそのパートナーからのリアルな話を元にした箱など、教育的な側面も持ち合わせていました。 これらの要素が組み合わさることで、梅毒についての理解を深め、性感染症に対するタブーを打破し、見る人に新たな視点を提供しているのだと思います。 性感染症との向き合い方や、社会的偏見に対する新たな認識を促す貴重な機会!! 詳細は、こちらのウェブサイトでご覧いただけます。 スタッフのお気に入りの箱を紹介① どの箱もじっくり拝見しました。細かい作り自体にも感動します✨ スタッフが注目した箱の1つが「症状」の説明です。 梅毒の症状というと、見ることをためらう人も多いのではないでしょうか。 コケ丸さんの箱は、その心配もないポップなイラストと、立体的に見せる箱という工夫で、楽しくじっくり梅毒について学ぶことができます。 実際には、梅毒は「偽装の達人」と言われるほど人によって症状は様々です。「症状はコレだ!」とは言い切れません。検査をしないと診断は難しいのです。展示では、こうした大事な情報もフキダシで補足していました。 スタッフ自身も、こんなにも楽しくワクワクしながら、性感染症について学んだことは初めての経験でした。 スタッフのお気に入りの箱を紹介② 10つの箱のうち、特に印象に残ったのが・・・・・・この箱! 「秘密ののぞき箱」と紹介されており、この目の部分をのぞき込んでみると・・・・なんと!! 梅毒になった親友が、最初に違和感を感じたという陰茎の写真と正常な陰茎の写真を比較できます! 「閲覧注意 モロに陰茎となります」と注意書きがあり、本人がのぞき込もうとしないと見ることができないので、箱ならではの配慮の仕方だなと感心しました。 極私的梅毒展をあなたの街に! 小さな箱が魅せる大きな学び! 極私的梅毒展を鑑賞することで、素敵な時間を過ごすことができました。 性教育従事者の皆様、特に教育施設や団体の皆様、ぜひ「極私的梅毒展」を開催してみませんか? お問い合わせはtentetsuki@gmial.com まで 写真提供:ハコ物館作家であるコケ丸さん
【学生団体紹介】IFMSA-Japan SCORA
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「withセイシル」では、全国の性に関する活動を行う施設や団体を紹介していきます! 学生団体2団体目は IFMSA-Japan SCORA です! 1団体目はこちら どんな活動をしている? ・定期的な勉強会 ・交流会 ・各地での対面イベント参加(レインボープライド、フォーラムなど) 特に若者の性に関する知識や意識を向上させることを目指し、活動しています! withセイシルポイント さっぽろレインボープライドにて、グッズを配布させていただきました! また、イベントでセイシルのサイトを紹介しています。 活動レポートはこちら 代表からのメッセージ 社会に出る前の段階で「性」について学んでおくことは非常に重要だと思っています。 「性」を知り、「生」を豊かに、をモットーにしてこれからも活動を続けていきます。 施設・団体紹介希望者 大募集! withセイシルでは、全国の性に関わる施設や団体を紹介していきます。 当コラムで紹介を希望される施設や団体の方は、お問合せまでご連絡ください。