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【どこでも性教育シリーズ①】家庭科の授業で性教育をどう行う?

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【どこでも性教育シリーズ①】家庭科の授業で性教育をどう行う?

どこでも性教育シリーズ第一弾!いつでもどこでも性教育がしたいというみなさんにお応えして、これから保健の授業だけでない性教育のタイミングや内容を紹介していきます! 今回は「家庭科」です。家庭科は「日常生活に根ざした学び」を扱う教科です。衣食住から家族、消費、健康まで幅広くカバーしているからこそ、性教育とも自然に結びつけやすい土台があります。授業の中で性教育を扱うときは、「特別なテーマ」として切り出すよりも、既存の学習内容に重ね合わせていくことが効果的です。 もちろん学校の授業の中だけでなく、ぜひご家庭でも参考にしてくださいね。   衣生活との関連 衣生活の学習では「体と衣服の関係」を取り上げます。思春期の体の変化に応じた下着の選び方や、月経・精通を経験する時期に必要な衣服の工夫は、性教育の入り口として自然です。授業例:肌着の素材や通気性の比較を行い、「汗をかく思春期」「月経のある生活」での選び方を考えるワークを取り入れる。   食生活との関連 食生活の学習では「栄養と健康」をテーマにします。ここに「妊娠・出産に向けた体づくり」や「性ホルモンと栄養の関係」を組み込むことができます。授業例:調理実習で鉄分の多い献立(ひじきの煮物、レバー入り炒め物など)を作り、月経による鉄分不足や成長期の体づくりとの関連を説明する。   住生活との関連 住生活では「安全で快適な生活空間づくり」を学びます。ここから「プライバシーの尊重」や「自分の心身を守る環境づくり」につなげることができます。授業例:家族の部屋割りや個室の必要性を考えるワークを行い、「プライバシーを守ることが心の健康や性の安心にもつながる」ことを話し合う。   家族・消費生活との関連 家族分野では「家族の機能と役割」を学びます。ここに「ライフサイクルと性の関わり」を自然に盛り込むと、性教育が「人生の中での継続的なテーマ」として理解されます。授業例:人生設計を考える授業で、結婚・出産・子育ての時期に必要な支援制度を調べさせ、ライフイベントと性・家族形成の関連を学ばせる。 また消費生活では「情報の選び方・見極め方」を扱うため、インターネット上の性情報や性の商品広告との付き合い方も取り上げられます。授業例:性に関するネット広告やSNS情報を複数提示し、「信頼できる情報源とそうでないもの」を見分けるディスカッションを行う。   健康・福祉との関連 家庭科の「健康」の単元は性教育の核です。性感染症や避妊法、妊娠・出産のプロセスといった知識はもちろん、「自分と相手を尊重する関係性」「同意の大切さ」といった心の学びも扱えます。授業例:妊婦体験ジャケットや赤ちゃん人形を活用した体験授業で、「妊娠・出産には体力も協力も必要」という現実を伝える。同時に、妊娠を望まない時に避妊や同意がいかに大切かを話す。   性を自然に扱おう! 家庭科は「暮らしと学びをつなぐ教科」であり、性教育もその延長にあります。衣食住・家族・健康など身近なテーマの中で性を自然に扱うことで、生徒は「自分ごと」として受け止めやすくなります。具体的な授業例を取り入れれば、性教育を生活の一部として理解させることができ、より実践的で意義深い授業になるでしょう! いかがでしたか?身の回りにある性教育チャンスを見逃さずに、積極的にチャレンジしてみましょう。少しでもみなさんの性教育活動の参考になれば幸いです。

【感謝】皆様のお声に励まされて

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【感謝】皆様のお声に励まされて

先日、withセイシルのメルマガ会員募集をお知らせした際、たくさんのご登録希望の申し込みをいただきました。 ご登録いただきありがとうございました! 本日2025年9月30日正午までにメルマガをご登録いただいた方限定に、素敵なクーポンをお送りさせていただきます。 チャンスを逃してしまった方も、これからも月に1回お得な情報や性教育に役立つコラムや商品を紹介しているので、ぜひご登録くださいね! 📩 メルマガ登録はこちら(最短30秒)https://docs.google.com/forms/d/1A5kQ5o3BWYe0ZLnx7GvAvkgDgCryCO5_WaxRqZ41f3k/edit   会員登録の申込フォームにある自由記入欄で、「使っています!」「助かっています!」といった声や、新しいアイデアとなるご意見をたくさんいただきました。 ひとつひとつのメッセージに目を通しながら、「あぁ、ちゃんと届いているんだな」と嬉しくなり、同時に皆様にとても励まされています。 たとえば―― 「新しい教材、アイディアなど楽しみにしています!!」 「情報発信は目を通しています。参考にしていますよ」 「いつも有効な情報ありがとうございます」 「また学園祭でお世話になるつもりです!毎年ありがとうございます」 「障がいのある子どもたちへの性教育についての情報が充実していただけると嬉しいです」 「高校へ出前授業へ向かう時、デートDVチェッカーを持参しています」 「中高生にわかりやすい教材が多く助かります。もっと小学生向けもあると嬉しいです」 「相談対応で性のお悩みの時に紹介しています」 「大学ので活用しています。学生にも好評です」 ……などなど、ほんとうにたくさんの声をいただいています。   こうした声をいただけることで、「次はこんな教材をつくろう」「もっと幅広い世代に届けたい」と新しいアイディアが生まれます。「役に立った」「話のきっかけになった」という実感を届けていただけることが、次の活動への大きな力になります。 これからも、みなさんの現場で安心して使っていただける教材や情報を届けていきます。そして、「性をめぐる学びが誰にとってもやさしく、わかりやすいものになるように」歩みを続けていきたいと思います! いつもご活用くださっていること、そして温かい声を寄せてくださることに、心から感謝しています。これからも性教育従事者が力を合わせて、性教育をもっと身近に、もっと安心できるものにしていきましょう🎵

【性教育お役立ちコラム】授業で使える!性教育クイズ7問

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【性教育お役立ちコラム】授業で使える!性教育クイズ7問

みなさんこんにちは!性教育の授業では、知識を「一方的に聞くだけ」ではなかなか身につくのが難しい、と言うのが性教育実践の課題の1つですよね。 そこでおすすめなのが クイズ形式で楽しく学ぶ方法です!✨今回は実際の授業ですぐに使える7つのクイズと、その答えと解説を紹介します。 授業の導入としてもおすすめです! Q1. 「プライベートゾーン」とは何を指す? A. 自分だけの部屋 B. 他人に勝手に触られたくない体の部分 C. トイレ   答え:B 解説: 「プライベートゾーン」とは、性器や胸、口など、自分以外の人に勝手に触られたくない、見られたくない体の部分を指します。自分の体を守るための大事な考え方で、「イヤ」と言っていい権利があることを伝えましょう。 Q2. 「同意がある性行為」とはどんな状態? A. 相手が黙っていたらOK B. はっきりと「いいよ」と言っている C. どちらかが酔っていればOK   答え:B 解説: 性行為は、相手が 自分の意思ではっきりと「同意する」と言ったときだけ成立 します。沈黙や酔った状態は同意とは言えません。お互いに「Yes」と言い合える関係が大切です。 Q3. 日本で人工妊娠中絶ができる時期は、原則として妊娠何週まで?   答え:22週未満 解説: 母体保護法により、人工妊娠中絶は妊娠22週未満までと定められています。それ以降は母体の命に危険がある場合などを除き、原則できません。 Q4. 「LGBTQ+」の「T」は何を意味する?   答え:トランスジェンダー(Transgender) 解説: 「T」のトランスジェンダーは生まれたときに割り当てられた性別と、自分が感じる性別が一致しない人を指します。LGBTQ+は多様な性のあり方を尊重するための言葉であり、「+」には他にもさまざまな性のあり方が含まれています。 Q5. 次のうち、正しく使えば最も避妊効果が高い方法はどれ? A. コンドーム B. 経口避妊薬(ピル) C. 体外射精 D. 生理日を計算する方法   答え:B(経口避妊薬・ピル) 解説: 正しく服用すれば、ピルは99%以上の高い避妊効果があります。(ただし、100%ではありません。)コンドームは性感染症対策としても大切で、正しく使えば約98%の避妊効果がありますが、装着ミスや破損なども含めた一般的な使用では約85%に下がってしまいます。体外射精や生理日計算法は避妊効果が低いため、信頼できる方法ではありません。 Q6. 緊急避妊薬(アフターピル)は、性行為から何時間以内に飲むのが望ましい? A. 12時間以内 B. 24時間以内 C. 72時間以内 D. 1週間以内   答え:C(72時間以内) 解説: アフターピルは性行為から 72時間以内に服用することが推奨 されています。できるだけ早く飲むほど効果が高まります。これまで日本では医師の処方が必要でしたが、今後は処方箋がなくても薬局やドラッグストアで購入できる方針が了承されています。   Q7. 日本の法律では、何歳から性交同意が認められる?(2023年法改正以降) A. 13歳 B. 16歳 C. 18歳 D. 20歳   答え:16歳 解説: 2023年の刑法改正で、性交同意年齢(性交同意の最低年齢)が 13歳から16歳に引き上げ られました。16歳未満との性交は、同意があっても犯罪になります。 いかがでしたか?まだまだ皆さんのアイデア次第で、クイズは作れるはずです!今回紹介したクイズは、性教育の授業で「知識を楽しく確認する」ための入り口になります。 クイズや解説をきっかけに、子どもたちが「自分の体を大事にすること」「相手を尊重すること」を自然に学べるよう工夫してみましょう!

プレコンセプションケアとは?性教育授業での取り入れ方を紹介

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プレコンセプションケアとは?性教育授業での取り入れ方を紹介

近年、医療や教育の分野で注目されている言葉に「プレコンセプションケア」があります。これは妊娠を希望する前の段階から、自分自身の体や心の健康を整えることを指し、世界保健機関(WHO)や厚生労働省も推進しています。 妊娠や出産について考えるのは大人になってからが多いかもしれませんが、実はプレコンセプションケアの考え方は中高生など若い世代から知っておくことが大切です。なぜなら、生活習慣や性に関する知識は、妊娠するかどうかに関係なく、早いうちから身につけることで将来の健康に大きく影響するからです。 今回は、プレコンセプションケアの基本と、性教育に携わる方が若者向けにどのように授業で伝えられるかについてご紹介します。   プレコンセプションケアが注目される理由 プレコンセプションケアの目的は、「健康な妊娠・出産の実現」だけではありません。将来的に妊娠を望むかどうかに関わらず、自分の体を大切にする生活習慣を身につけることに意味があります。 たとえば、以下のような生活習慣は、将来の妊娠だけでなく、生涯の健康にも直結します。 これらは大人だけでなく、中高生が日常生活で意識できるポイントでもあります。だからこそ、「プレコンセプションケア=妊活のための知識」ではなく、「生き方・健康の土台づくり」として伝えることが重要です。   性教育にプレコンセプションケアを取り入れる意義 従来の性教育は、「避妊」や「性感染症の予防」といったリスク回避に焦点が当たることが多くありました。もちろんそれも大切ですが、それに加えてプレコンセプションケアの観点を取り入れることで、より前向きな学びにつながります。 性教育にプレコンセプションケアを取り入れると、以下のようなメリットがあります。 ①「将来の自分」を考えるきっかけになる 「今の生活習慣が未来の健康につながる」と伝えることで、自分の体を大切にする意識を育てられます。 ②性と健康を切り離さず学べる 「性は恥ずかしいこと」「隠すべきこと」ではなく、体や心の健康の一部として理解できるようになります。 ③男女ともに関わるテーマとして伝えられる 妊娠は女性だけの問題ではありません。男性にとっても生活習慣や精子の健康は重要であることを伝えることで、性別に関係なく学べます。   授業でできるプレコンセプションケアの取り入れ方 では、実際に子どもたちへどう授業で伝えると良いのでしょうか。ここでは具体的な活動アイデアをご紹介します。 1. 「未来の自分」を描くワーク 生徒に「10年後の自分」をイメージしてもらい、どんな生活をしているかを書き出します。その中で「健康でいるために今からできること」を考えてもらうと、生活習慣と未来のつながりを実感しやすいです。 2. 生活習慣チェックシート 睡眠時間、食習慣、運動、スマホ使用時間などをセルフチェックするシートを配布し、「自分の生活を整えることが未来の健康につながる」ことを学びます。 3. 性感染症と妊娠の正しい知識を学ぶ 避妊法や性感染症の知識はプレコンセプションケアの基本です。正しい情報を知ることで「自分や相手を守ることは未来を守ること」と理解できます。 4. 男女一緒に学ぶ時間をつくる プレコンセプションケアは性別に関わらず学ぶ必要があるテーマです。共に学ぶことで「相手の立場を理解する」視点も育ちます。 5. 栄養・運動・メンタルを総合的に扱う 例えば、「将来の赤ちゃんの健康は母体の栄養状態に影響する」と伝えると同時に、「運動やストレス管理は男性の精子の質にも影響する」ことを紹介するなど、男女双方に具体的なイメージを持たせます。   若者に伝えたい大切なメッセージ プレコンセプションケアを性教育に取り入れるときに大切なのは、「妊娠を前提としない」ことです。 「結婚するかどうか」「子どもを持つかどうか」は個人の自由であり、多様な生き方があります。 しかし、どんな生き方を選んでも、自分の体と心を大切にすることは全員に共通するテーマです。 そのうえで「自分の未来の選択肢を広げるための知識」として、プレコンセプションケアを伝えることが、性教育の新しい価値になります。 未来を生きる子どもたちが「自分の体を大切にしながら、選択肢を広げていけるように」そのためにプレコンセプションケアの視点を取り入れた性教育は、これからますます重要になっていくでしょう。

【イベント報告】AIDS文化フォーラム横浜 2025 出展&登壇

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【イベント報告】AIDS文化フォーラム横浜 2025 出展&登壇

2025年8月1日〜3日の3日間、横浜で開催された「AIDS文化フォーラムin横浜」に参加しました! セイシルのブース展示 ブースでは、セイシルの資料や教材を展示。 来場者の方々が足を止め、興味深そうに見てくださる姿や、質問・感想を直接聞けたことがとても嬉しかったです。 お越しくださった皆さま、本当にありがとうございました✨ 養護教諭の先生、医療関係者、学生さん、NPOスタッフさんなど、立場も年代もさまざまな方とお話しできました。「こんな教材/サイトが欲しかったんです!」「デートDVチェッカー使っています!これ良いですよね〜」といった嬉しいお声をたくさんいただきました♪   男の子の性教育について講演 そして2日目には、パネルディスカッション 「敢えて問う!男子への性教育で何を変えたい!?!」 に登壇。  進行は岩室先生、パネリストは内田先生、福元先生、そしてセイシルスタッフの福田。 セイシルへのモヤモヤ相談のリアルな子どもたちの声から見えてくる男子への性教育の現状と課題、そして「何を、どう変えていくべきか」について、現場での声を交えながらお伝えしました。 特に、男の子への「マスターベーション」教育の難しさについて、その単語は出さずとも「自分のからだを大切にしよう」という視点で伝えるだけなら、幼少期からでも行いやすいのでは?という提案をさせていただきました。 男の子のマスターベーションは、方法によっては膣内射精障害/不妊の原因になります。改善は大人になってからだと難しいので、幼い頃からの注意が必要です。詳しくはこちら   今回のフォーラムを通じて、性教育に関わる人々同士のつながりや情報共有の重要性を改めて実感しました。 お会いできた皆様、またどこかでお会いできる嬉しいです👀 これからもセイシルは、子どもたちが性について安心して学べる環境づくりに向けて活動を続けていきます!