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【学生団体紹介】生理用品×学校(筑波大学付属高等学校) withセイシル

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【学生団体紹介】生理用品×学校(筑波大学付属高等学校) withセイシル

 「withセイシル」では、全国の性に関する活動を行う施設や団体を紹介していきます! 学生団体のトップバッターは「生理用品×学校」(筑波大学付属高等学校) さんです。 どんな活動をしている? 筑波大学付属坂戸高等学校にて、 学校のトイレに生理用品を設置できるよう働きかける活動をしています! また、生理についての知識の共有や学生目線の生理情報の共有も行っています。 活動を始めたきっかけは? 「なんでトイレに行く時に、ナプキンを隠してコソコソしないといけないの!?」 という疑問から、学校生活に存在する生理の不安や悩みを解決したい!と思い、活動を始めました。   これから更に取り組みたいこと ・学校に生理用品を無償で常備する ・生理フェスの開催 →生理によって学校生活が楽しめなくなるのを阻止するために、 色んなことにアプローチしていきます!   <伝えたいメッセージ> 一人で悩まず、みんなで悩もう 生理はあなただけのことじゃない!! withセイシルポイント 学校で開催された「筑坂ソーシャルアクションフェスタ」にて 新入生からの質問に、 セイシルの回答を参照しながら回答してくださいました!   代表からのメッセージ 生理用品×学校の代表をしている関川あかりです。私たちは、「学校生活をもっと楽しく」をモットーに生理用品無料配布を軸として活動しています。また、高校生だからこそ感じる悩みを共有や解決するためにインスタで発信しています。現在は無料配布における提案書を学校に提出し、許可が降りたので継続して設置をしていく予定です! この活動を得て、メンバーでやることの楽しや、セイシルさんと知り合ったように発信することで繋がるコミュニティの凄さを感じています。 Instagramはこちらです!ぜひご覧ください。⇩https://instagram.com/utss_seiri?igshid=OGQ5ZDc2ODk2ZA==   施設・団体紹介希望者 大募集! withセイシルでは、全国の性に関わる施設や団体を紹介していきます。 当コラムで紹介を希望される施設や団体の方は、お問合せまでご連絡ください。  

「友達関係も当てはまるの?」高校生がデートDVチェッカーを使用した感想をご紹介

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「友達関係も当てはまるの?」高校生がデートDVチェッカーを使用した感想をご紹介

withセイシルでも、以前からご紹介している「デートDVチェッカー」。デートDVチェッカーは、10代にデートDV(カップル間で起きる暴力)について知ってもらうためのアイテムです。今回は、そんなデートDVチェッカーを実際に高校生に見てもらい、感想をいただきました。デートDVチェッカーとは何か、解説と合わせて紹介します。 デートDVチェッカーとは 上記画像のセイシルのデートDVチェッカーは下記でご提供しています。https://with.seicil.com/products/dvcheck50 デートDVチェッカーは、フランス・パリで「暴力チェックメーター」として開発されたものを、日本版として制作したアイテムです。パリ市監修のもとで作られていて、「良好な関係」「これは暴力」「危険な状況」の3段階に分かれていて、基準が明確化されています。基準をもとに、自分がデートDVの被害を受けていないかを確認するだけでなく、加害者になっていないかも確認ができます。「デート」とつくと、カップル間だけでのチェック項目のようにも捉えられるかもしれませんが、友達関係や家族関係、生徒と先生の関係にも当てはめて使えるものです。デートDVチェッカーの「これは暴力」「危険な状況」に当てはまっている時、誰かの助けが必要な時は、裏面に記載のある相談窓口に相談ができます。セイシルも相談窓口の一つとして記載しています。「10代の若者が抱える性のモヤモヤにこたえる性教育webメディア」としてさまざまなお悩みを取り上げているので、ぜひご活用ください。 >>セイシル<< DVのチェック項目 ここまでデートDVチェッカーについて紹介しましたが、そもそも、DVとは、どのようなことが当てはまるのでしょうか。DVとは、Domestic Violenceのことであり、家庭内や親密な関係、もしくは過去にその関係があった者からの暴力を表します。「暴力」と聞くと身体的なものを思い浮かべるかもしれませんが、他にも下記のような精神的暴力、社会的隔離、性的暴力が挙げられます。   身体的暴力 殴る、蹴るなど体に傷や跡が残るようなこと 精神的暴力 暴力、中傷などの言葉の暴力や、無視や脅迫、嫌がらせなど精神的な苦痛を与えること 社会的隔離 自分以外の人間と会わせない、家族や友達と距離を置かせるなど行動の制限があること   性的暴力 同意を得ずにセックスを強要したり、ポルノ動画を見るように強要すること デートDVについてさらに知りたい方は、下記のセイシルのサイトにて詳しく紹介しています。   カップル間で起きる暴力“デートDV”に気をつけよう!【前半】 カップル間で起きる暴力“デートDV”に気をつけよう!【後半】   高校生がデートDVチェッカーを使用した感想を紹介 今回は、立命館守山高等学校の生徒の皆さんに実際にデートDVチェッカーを使ってもらいました。立命館守山高等学校では、包括的性教育が行われています。包括的性教育とは、人権をベースとして身体や生殖の仕組みに限らず、人間関係(性的同意、性の多様性、ジェンダー平等など)の体系的に学ぶ教育です。   立命館守山高等学校の 「包括的性教育プログラム」については下記をご覧ください。 https://www.mrc.ritsumei.ac.jp/2023/09/06/post-71106/ 今回実施された授業は性についてストレートに伝えていく内容であり、性被害にあった経験を持つ人には事前に内容を共有したり、話を聞きたくない人は別室で自習、男女の表現についても予め「わかりやすく伝えるための表現」としており、生徒のさまざまな気持ちに配慮がありました。 ここからは、そんな包括的性教育の授業内で、デートDVチェッカーを紹介し、立命館高校の生徒の皆さんに実際に手に取って見てもらった時にいただいた感想を紹介します。   DVは、恋人だけでなく友達関係にも言えることだと知った   「友達関係の時でもこれが使えると聞いて驚いた」   「友達をちゃかしていることが警戒領域、ストップに入っていたのでびっくりしました。」   「異性との関係だけではなく、同性の友達にも当てはまるものだと思った。これを活用して良好な関係でいられるようにしたいと思う。」   「付き合ってる付き合ってない関係なく、仲のいい友達とでも気をつけなければいけいないことだなと感じました。些細なことで揉めてしまい、相手を尊重しない態度を取ることはだめだと改めて思いました。」   DV=恋人間の問題だと捉えていた人も多かったようで、友達関係にも当てはまることだと初めて知ったという感想が多く見受けられました。   また、友達をちゃかしたつもりでも、相手の感じ方によっては暴力になってしまうことや、もめた時の態度にも注意が必要だと気が付いたという意見もありました。   警戒領域は、身近に感じる内容があり驚きだった   「無視することや馬鹿にすることなど、場面次第では自分もふとしたときにやってしまいそうな言動が危険視されていて驚きました。気をつけたいと思います。」   「警戒領域が意外と身近なものもあったので、しないようにしたいしされたら注意したい。」   「束縛として扱われる内容が危険なレベルに書いてあってそれが普通、そういう人もいると思っている人が多いと思うのでおかしいと気づくことができるいいきっかけになると思った。」   「楽しむところと危険なところは紙一重だと感じました。」   「これは暴力」となる警戒領域の項目は、身近に感じる内容があり驚いたという感想も多くありました。   中でも、束縛は人によっては愛情と捉えていたり、当たり前だと思ってやっているケースもあります。しかし、デートDVチェッカーでは暴力に当てはまると知って、驚いたという声がありました。   感想にもありますが、相手の同意があれば「楽しむ」に変わることでも、相手の気持ちを尊重できずに行うと暴力になりかねません。   わかりやすい指標があることで、自分の判断に自信や勇気を持てると思う   「どこからが良くて、どこからが暴力になるのかが目安となって分かり易い。また自分の行いに照らし合わせて、自戒とすることもできる。そして、定規としても使用できるので、一石二鳥どころか一石三鳥である。」   「自分が良好だと思う関係ではなく、互いに良好だと思える関係を築くことが大切だと思った。」   「無視や束縛も暴力になるということが明記されていたので 自分だけでなく、周りの人が困っていたら相談に乗るようにすべきだと分かりました。」   「オレンジから赤色になると1人では解決できないような問題になっていくので周りの人に助けを求めることも大切だと思った。」 デートDVチェッカーは、客観的に見て暴力、危険となるラインがわかるアイテムです。「これは周りに相談すべき内容だろうか」などと悩むときにも、判断材料として役立ちます。   自分では「この範囲なら暴力ではない」と考えていたことでも、客観的に見た時に危険なラインに入っていないかを確認できます。 また、感想の中には「許せる範囲は関係値にもよるもので、警戒領域の上の方の内容でも、人によっては嫌だ、順番が変わる印象」という声もありました。   恋人、友達、身近な人などそれぞれの関係値によって判断が変わっていくことも考えられます。「デートDVチェッカーの中ではまだ危険な状況からは遠いから」と捉えずに、自分が嫌だなと感じたことは、周りに相談したり、助けを求めることが大切です。   withセイシルが提案したいデートDVチェッカーの使い方 withセイシルは、若者にデートDVチェッカーを一つの基準として、自分の行動や、相手の行動に目を向けるきっかけに使っていただきたいです。   付き合って行く中でだんだん自分の感覚が正しいのかわからなくなっていく体験をしたことがある人は多いのではないでしょうか。(恋は盲目)   デートDVチェッカーのような明確な指標があることで、冷静な判断ができ、自分を大切にする選択を取ることにつながると考えています。   デートDVチェッカーの「これは暴力」「危険な状況」という段階に当てはまったときに、どのように行動したら良いのか悩んだら、裏面に記載している下記の相談窓口もぜひ利用していただきたいです。   セイシル  10代の若者が抱える性のモヤモヤにこたえる性教育webメディアとしてさまざまなお悩みを紹介しています。 性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター一覧 全国各地にある「性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター」を紹介しています。 性犯罪被害相談電話#8103(ハートさん) 性犯罪の被害にあった際に、「#8103」の短縮ダイヤルで警察に相談できます。 Cure Time (キュアタイム) 外国語でも性暴力の相談ができます。年齢・性別・セクシュアリティを問わず、匿名で相談を受け付けてくれます。   また、学生がデートDVに悩むきっかけを減らすためにも、教育者や保護者の方々には、デートDVチェッカーを学生に配布して認識を促したり、正しい知識を共有するのに役立てて使っていただきたいです。...

デートDVチェッカー展示例紹介  in奈良県橿原市

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デートDVチェッカー展示例紹介   in奈良県橿原市

11/12〜11/25は「女性に対する暴力をなくす運動」期間です。 奈良県橿原市では「橿原市役所 分庁舎」と「かしはらナビプラザ」にて、セイシルの「デートDVチェッカー」が展示・配布されました。    橿原市役所 分庁舎 10階 展示スペース     かしはらナビプラザ4階 男女共同参画広場   他にも様々な展示があるので、お近くの方はぜひ足を運んでみてくださいね♪ 橿原市役所 分庁舎  〒634-0804奈良県橿原市内膳町1-1-60 HP:https://www.city.kashihara.nara.jp/soshiki/1045/gyomu/2/1/2670.html かしはらナビプラザ 〒634-0804 奈良県橿原市内膳町1-6-8 HP:http://www.kashihara-naviplaza.com/kyoudou.html デートDVチェッカー配布レポート募集中  withセイシルでは、デートDVチェッカーを配布した方のレポートやインタビューを募集しております!ご協力いただける学校関係者・団体の方はお問合せにてお知らせください! デートDVチェッカーをお求めの方はコチラ

【性教育お役立ちコラム】生命(いのち)の安全教育とは?子どもを性犯罪・性暴力から守るために今できること

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【性教育お役立ちコラム】生命(いのち)の安全教育とは?子どもを性犯罪・性暴力から守るために今できること

2023年(令和5年)から全国の学校で、本格的にスタートした「生命(いのち)の安全教育」。 今回は生命(いのち)の安全教育とは何か、内容、いつからどのように行われるものなのか詳しく解説します。   生命の安全教育とは? 出典元:文部科学省「生命(いのち)の安全教育」 生命の安全教育とは、政府が令和2年6月に策定した「性犯罪・性暴力対策の強化の方針」を踏まえ、子どもや若い世代が性被害の被害者、加害者や傍観者にならないために始まった取り組みです。全国の学校を対象に、推奨されています。   生命の安全教育の必要性 出典元:警視庁「なくそう、子供の性被害。」 児童買春や児童ポルノの製造などの子どもの性犯罪被害は減らず、中でもSNSに起因する被害数は増加傾向です。 性教育を通じて、自分の体の仕組みや性に関する知識を身に付けるとともに、子どものうちから自分や他者との関わり方、性被害や性暴力について学ぶことは、子どもが性被害の被害者・加害者・傍観者になるのを防ぐことにもつながります。   生命の安全教育の内容 生命の安全教育の内容は、性犯罪・性暴力を防ぐために必要な「自分・相手の身体を大切にすること」「性暴力が起きないようにするための考え方・態度」「性暴力の被害にあったときの対応方法」を中心に学びます。[1] 保健体育で学ぶ「自分の体の変化・健康管理について」に重きを置いた内容とは異なります。 また、生命の安全教育では、発達段階に合わせて、SNSの使い方やデートDVについても記載されています。実際に今問題となっている性犯罪・性暴力についても考える内容です。 生命の安全教育で取り組む内容については、文部科学省と内閣府が連携し、有識者の意見も踏まえて作製された「生命(いのち)の安全教育のための教材及び指導の手引き」をもとに行います。 生命の安全教育の教材・指導の手引き     出典元:文部科学省「生命(いのち)の安全教育」 具体例を用いて、考えるべきポイントや嫌な気持ちになったときの対象方法が紹介されているので、指導側も授業を受ける側も、教材を見るだけでどのように自分や相手を大切にすると良いのかがわかりやすいです。 生命(いのち)の安全教育動画教材(中学校)   生命(いのち)の安全教育動画教材(高校)   また、「生命の安全教育」指導の手引きには、以下についても記載されています。指導者にとっても、事前準備や子どもへの対応に悩んだ時に参考になるポイントです。 子どもへの指導の上で配慮すべき点 保護者への対応 児童の相談の解決が難しい場合に相談すべき相談機関 生命の安全教育はいつからどのように行われる? 生命の安全教育は、令和3年4月より、文部科学省から教材・手引きが発表され、令和5年からは本格的に取り組みが始まりました。 全国の学校で、幼児期から大学や一般、特別支援教育までが主な対象です。以下のように、発達段階に応じてねらいを設け、それぞれに合わせた内容で指導を進めていきます。 発達段階 ねらい・目指すポイント 幼児期(5~6歳) 幼児の発達段階の中で、自分と相手の体を大切にできるようになっていく 小学校 低・中学年 自分・相手の体を大切にする態度を身に付けるようになる 性暴力の被害に遭ったとき等に、適切に対応する力を身に付ける 小学校 高学年 自分・相手の心と体を大切にすることを理解し、よりよい人間関係を構築する態度を身に付ける 性暴力の被害に遭ったとき等に、適切に対応する力を身に付ける 中学校 性暴力に関する正しい知識を持ち、性暴力が起きないための考え方・態度を身に付ける 性暴力が起きたとき等に適切に対応する力を身に付ける 高校 性暴力に関する現状を理解し、正しい知識を持つことができるようになる 性暴力が起きないようにするために自ら考え行動しようとする態度や、性暴力が起きたとき等に適切に対応する力を身に付ける 特別支援教育 障害の状態や特性及び発達の状態等に応じて、個別指導を受けた被害・加害児童生徒等が、性暴力について正しく理解し、適切に対応する力を身に付ける 参照:「生命の安全教育」指導の手引き 学校や地域の状況に合わせて適宜内容の加除や改変を行った上での使用も可能です。 また、「生命の安全教育」の授業内に限らず、必要なシーンに応じて教材を使用しても良いとされています。(例:プールの授業の前にプライベートパーツに関する内容を共有するために教材を使う) 生命の安全教育と合わせて知りたい「こども・若者の性被害防止のための緊急対策パッケージ」 子どもたちは、生命の安全教育を通じて、生命の尊さや、自分や相手を尊重することの大切さ、性暴力の被害にあった時の対応方法を学びます。 しかし、残念ながら生命の安全教育だけでは性犯罪や性暴力を無くしていくことはできません。同時に、犯罪から子ども・若い世代を守る対策方法の強化も必要です。 現在、文部科学省が進めている「性犯罪・性暴力対策の強化の方針」の取り組みとして、以下の「こども・若者の性被害防止のための緊急対策パッケージ」があります。一部を紹介します。 日本版DBS導入の検討※ 保育所等における虐待防止のため、児童福祉法改正を検討 小学生・未就学児等を対象にしたプライベートゾーン等の啓発キャンペーン活動 男性・男児のための性暴力被害者ホットライン開設予定 文化芸術分野における相談窓口を設置 (弁護士が契約やハラスメントを含むトラブル等に対し助言や関係機関の紹介等を行う)[2] DBSとは、英国内務省が管轄する「Disclosure and Barring Service(ディスクロージャー・アンド・バーリング・サービス)」のことです。個人の犯罪歴をデータベースで管理し、就職する際に必要に応じて証明書が発行できます。 イギリス・ドイツ・フランスですでに導入されており、日本では、子どもに関わる職業を対象に、性犯罪の前科がないかを事前に確認できるように政府で検討が進められています。   子どもを性被害・性暴力から守るためにも、「性犯罪・性暴力対策の強化の方針の強化」「生命の安全教育の推進」をともにしっかりと進めていく必要があるといえるでしょう。 セイシルでも「生命の安全」を考える記事を発信中 セイシル「性暴力」 セイシルは、10代の性の悩みにこたえるwebメディアです。 恋愛・セックス、体のこと、妊娠・中絶、避妊、性感染症、多様な性、マスターベーション、性暴力などさまざまなお悩みに関して、実際に学生から寄せられた相談内容をもとに、専門家や医師が回答をしています。 セイシルの「性暴力」のカテゴリーでは、性的同意やデートDV、セクハラについて、痴漢にあったときの対処法などを紹介しています。 生命の安全教育の中で、「生命の安全」「性被害・性加害」について考える題材としてもぜひご活用ください。 セイシル 参考文献 [1]「生命(いのち)の安全教育」指導の手引き [2]男女共同参画局「性犯罪・性暴力対策」

【デートDVチェッカー配布レポ】 @東京都のとある高校

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【デートDVチェッカー配布レポ】 @東京都のとある高校

7月に都立高校2年生対象の保健講話で、withセイシルの「デートDVチェッカー」が配布されました。また、保健室内で高校1年生と3年生の数名に配布し、感想を聞いていただきました。 配布に携わった養護教諭の先生に、詳しくお話を伺いました。   保健講話では、生徒たちはどのような話を聞いたのですか? 保健講話では講師の先生から、デートDVと関わりのある友達を持った際には、 「デートDVでは、周りは別れた方がいい、と冷静にアドバイスするが、ときに正論は人を孤独にする。別れた方がいいのは百も承知で、別れられない人もいる。正論を伝えるより、友達としてのつながりを絶たないことが重要で、あるとき本人が「あっ別れよう」と思えたときに一緒に行動することが絆(ほだし)として必要だ」 という話をしていただきました。生徒たちもとても納得していました。   保健室での生徒たちの関わりに繋がる話はありましたか? 保健室で生徒と話をしていても、正論を伝えるだけではいけないということは本当に感じることです。 本人たちがあるとき「この関係のままじゃいけない」と思えたときに、養護教諭として、そばにいられる関係性を大切にしようと毎回感じています。講話を聴いて、生徒とのつながりを更に大切にしようと思いました。 チェッカーを受け取った生徒の様子はどうでしたか? 高校2年生は、この講話後に配布したこともあり、素直にデートDVの存在を受け止めていたように思います。 高校2年生からは、デートDVのみについての感想を集めることは困難でしたが、昼休みに毎日保健室に来る高校1年生の集団(10名ほど)にも渡してみると、まだお付き合いの経験が少ない年代で、そういうこともあるのね、という不思議そうな表情でチェッカーを見ていました。 不思議というのは、生徒たちは「デートDV」にどのような疑問を抱いたのでしょうか? 実際に「どうしてデートDVをするような人と付き合うことになるんだろうねー」という発言をしていたので、イメージのつかめなさがあるようでした。 この高校1年生集団とはまた違う意見を、高校3年生はくれましたよ。男子2人女子2人でチェッカーを見て感じたことをディスカッションしてもらいました。かなりわぁわぁ盛り上がっていました。 ぜひ「デートDVチェッカー」のディスカッションの様子を詳しく教えてください!  【助けを求めて身を守って】の部分で ・キレるの定義がわからない ・キレる、否定することはよくある キレるにもいろいろあって、嫌な事されたらキレるのは普通のことだし、高校生にとってキレる=イヤだと自己表現するぐらいのニュアンスなので、これが【助けを求めて身を守って】にあるのが違和感があるようでした。 補足として私から、「キレて相手を思い通りにしようとするのは、”キレさせないようにしようと気を使わせる”、”キレることで相手を思い通りにコントロールしようとする”という意味も含まれているんだよ」と伝えたら、「それはダメだね」と言っていました。 なるほど。いろんな例や説明があったほうが、ただ配布するよりもかなり効果的なことがわかりますね。 あとは「あなたのせいで自殺する」にも繋がりますが「メンヘラ系も入れた方がいい」という意見もありました。 生徒の中には「ネガティブになる等、自分でメンタル保てない人と付き合ったことがあって大変だった。」「夜中に電話がかかってきて、泣いていたり、最初は心配するけど、だんだん 『またか』ってなってくる。」とのことでした。 お付き合いでの苦労は計り知れないですね・・・。それも束縛に繋がる可能性が大いにあると思います。 その他に、本人たちは自覚(?)があって付き合っているので、ラブラブなときはこれを見ても「だとしても、そんなのわたしたち2人には関係ない」と思ってしまうのではないかという意見もありました。 自分が健康な時はデートDVチェッカーを見ても他人事に感じてしまうのかもしれません。しかし、「これを見て、ぼくたちのことだと思いました。」と打ち明ける男子生徒がいました。 チェッカーを見て、デートDVに気づいた男子生徒はどのような変化がありそうでしょうか? 「このチェッカーは決して彼女には見せられません。」とのこと・・・・。「私がデートDVしてるって言うの!」と彼女に責められるのが怖いみたいです。 ただ、一番上にある「あなたがしたいことを大切にする、あなたの友達や家族も大切にする」という当たり前のことが、当たり前ではない今の2人の状況がおかしいと改めて気が付くことができたみたいなので、「これを見て、相手にもぼくが大切に思っているものを大切にしてほしいと感じました」と言っていました。 そうでしたか。その男子生徒のお付き合いが少しでも改善されると嬉しいです。お付き合いの経験が少ない生徒の反応はどうでしょうか?  もう1人の男子生徒は「俺は病的でいいからグワーッって愛されてみたいから、これ見ても羨ましいとしか思えない。」と言っていたので、みんなから「痛い目みたらわかるよ、そんなの経験してないから言えるんだよ」と言われていました。 なるほど。痛い目にあわないとわからないというのも性教育の課題かもしれませんね。女子生徒の感想はいかがでしたか?  1年ほど病的な付き合い方をしていた彼氏と別れて、新しい彼氏と健全なお付き合いが始まったばかりの女子生徒は「これを見たら過去のわたしって感じで、今までデートDVチェッカーにあてはまる恋愛は、今会わなきゃ一生会えないみたいな感じだったけど、今は朝ドラみたいな恋愛で爽やかでとっても楽なの。」と言っていました。 独特な表現をされますね!過去の自分に戻らないようなサポートが周りにも必要ですね。 本当にそうです。結局、愛が足りない、もっと愛されたいと、病的な彼氏と復縁しそうな勢いなので、見守っている感じです。 もう1人の女子生徒は、「何でもいいから彼氏がほしい。わたしもメンタル不安定だから、彼氏にめんどくさいやつ、とか思われたらいやだな。」とのことでした。 高校生のリアルな恋愛事情を共有してくださり、ありがとうございました! withセイシルでは、デートDVチェッカーを配布した方のレポートやインタビューを募集しております!ご協力いただける学校関係者・団体の方はお問合せにてお知らせください! デートDVチェッカーをお求めの方はコチラ