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【性教育実践インタビュー②】現場の声から考える性教育 星野貴泰さんに聞きました!

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【性教育実践インタビュー②】現場の声から考える性教育 星野貴泰さんに聞きました!

性教育をより良くしたい──。そんな思いで現場に立ち続けている方たちの取り組みを紹介する、【性教育実践インタビュー】シリーズ。第2回となる今回は、手術看護師で性教育歴16年の星野貴泰さんにお話を伺いました。ご自身が性教育に興味を持ったきっかけ、授業後の生徒へのアフターフォロー、外部講師として授業先の先生とのやりとりの工夫、そして星野さんが立ち上げた性教育コミュニティ「kokoro color」の活動まで、たっぷり語っていただきます。インタビュアーは、セイシルを運営する福田です。現場のリアルな声と実践方法を参考に、ぜひ一緒に性教育を考えていきましょう。   性教育に興味を持ったきっかけは遠見先生 福田:まず、性教育に興味を持たれたきっかけと経歴から教えてください。 星野:私は群馬県のすごく田舎の出身で、最寄りの電車の駅がなくてバスが1時間に1本あるかないか、みたいな地域です。2007年、高校3年生のときに、その田舎の高校へ当時医学生だった「えんみちゃん」が性教育の講演会に来てくれたんです。 福田:なんと遠見才希子先生(現 産婦人科医)が星野さんの高校に! 星野:そうです。当時、私は保健委員長をやっていて、もともとHIV/AIDSへの興味関心はあったんです。でも、性教育が予防に不可欠だという思いはあるけれど、学ぶ機会がなくて。そんな中でえんみちゃんの講演を聞いて、「今まで聞いた性教育と全く違う」と衝撃を受けました。そこから「自分もこういう活動をやりたい」と思ったのが一番のきっかけです。 福田:それで進路も変わったんですか? 星野:はい。もともとは高校卒業後、農家になる予定だったんです。でもそれをやめて看護師の大学に進学しました。「大学に行ったら性教育の活動をやろう」って決めて。 福田:すごい転機ですね! 〈当時、医学生の遠見先生と高校生の星野さん〉 星野:当時の群馬県には、エイズ予防講演会推進事業という事業があって、医師が来ることが多かったんです。スーツにネクタイで、いわゆる“禁止教育”的な内容が多かった。でもえんみちゃんの講演はそれと真逆で、それが私が「やりたい」と思う決定打でした。 福田:その予算の中で医学生の遠見先生も呼ばれたんですか? 星野:後から予算の中だと聞きました。当時、養護教諭の先生が思春期学会でえんみちゃんの活動を知って、「呼んでみよう」と思って呼んだそうです。えんみちゃんが群馬県に来るのは初めてでした。 福田:そこで星野さんが、たまたま講演を聞いていた。 星野:そうなんです。あとそのとき「水の交換ゲーム※」をやるってなって、最初の1人に私がなったんですよ。えんみちゃんとコミュニケーションを取りながら参加して、講演後に少し話して。翌年、大学に進学してからAIDS文化フォーラム(横浜)でえんみちゃんに「看護師になるために大学に進学しました。性教育をやるために来ました」と伝えたら、「頑張ってね」って言ってくれて。以降も仲良くしてくれています。 福田:すごい・・・!それがきっかけだったんですね。 星野:そして2010年、大学3年生のときに初めて性教育の講演に呼んでもらえるようになりました。最初は「大学卒業したら辞めるんだろうな」と思っていたけど、ありがたいことに依頼が続いて、今も続けています。気づけば講演歴16年目になりました。 ※水の交換ゲーム・・・性感染症の広がり方を体験的に学ぶワーク。参加者がコップの透明の水を数人と交換し、それを性的接触に見立てる。その後、薬品を入れて色の変化を見ることで、最初は少数でも接触を通じて感染が広がることを理解する参加型の活動。 “聞いて終わり”ではない、性教育が広がった瞬間 星野:しかもありがたいことに、私の講演を聞いて「性教育をやりたい」と言ってくれる子も実際にいて。私が高校へ講演に行ったときに生徒だった子が、のちに私の大学の後輩になって、性教育の講演をするようになったこともあります。 福田:そのバトンがまた繋がっていくなんて! 星野:あとは性教育コミュニティ「kokoro color(後ほど紹介)」に入ってくれた人が、自己紹介で「高校生のときに星野さんの講演を聞きました。一般企業に勤めていますが勉強したくて入りました」って書いてくれたり。自分の言葉が届いているのか不安なこともあったけど、受け取って動いてくれる人がいるのは嬉しいですね。 〈性教育講演の様子〉 福田:そういう“後から返ってくる反応”は大きいですね。 星野:そうなんです。アンケートで「満足」と書かれても、その後の人生でどう活きたかは分からない。性教育って効果指標が見えにくいからこそ、「活動するようになった」とか「学び続けてくれている」っていうのは、自分の授業の効果のひとつの指標になるなと思っています。 忙しい日々の中でも続く、性教育への情熱 福田:今は看護師をされながら性教育を、ということですよね。 星野:はい。手術室看護師として働いて13年くらいです。でも性教育の講演歴は16年なので、看護師歴より長いですね。 〈手術看護師として学会に参加する星野さん〉 福田:忙しい中、どうやって時間を捻出しているんですか? 星野:以前は年1〜2回の講演だったので割と余裕を持って講演をしていましたが、今はありがたいことに増えてきて、月1回の年休をとって「午前1件・午後1件・定時後1件」みたいに詰め込んだりしていました。 福田:なんて多忙なんでしょう…! 星野:世の中には性教育を仕事でやっている人もいて、年間何百回と講演をしている人と比べたらずっと少ないんですけどね。それでも資料作りは、仕事の合間や帰宅後に少しずつ少しずつやっています。最近は執筆依頼や論文の査読依頼も来るので、昼休みにメール返したり、帰宅後にご飯を作って、子どもとお風呂入って、寝かしつけは家族が担当してくれるので、その後に続きを作ったり。 〈性教育と同じく夕飯作りにも奮闘していることがわかるInstagramの投稿〉 Instagramまでが授業の一貫 福田:Instagramもよく更新されていますよね。 星野:講演が決まったら講演の参加者に事前質問をアンケートで集めます。講演内でも答えるけど、時間が足りないので、「インスタ見たら詳しく載ってるよ」と案内してます。だから講演前に更新が増えますね。 〈講演質問のInstagramの投稿例〉 福田:なるほど、Instagramで子どもたちの質問に答えているわけですね。 自分の質問が投稿で取り上げられると、生徒も嬉しいですよね。 星野:そうですね、「自分の質問を答えてもらえてうれしかった」という感想があります。生徒数が多くない学校も多くて、質問数もそこまで多くないので、いただいた質問は全部回答するようにしています。10個来たら10個全部。 安心して聞ける性教育の授業づくり:前提に話すべきこととは? 福田:他に工夫されている点はありますか? 星野:最初に必ず言うのは、「今日の話を聞きたくない人がいるかもしれないけど、無理して聞かなくてもいい」ということです。“絶対に聞かせる”スタンスじゃない、と最初に示します。苦手な人を否定せず、安心していられる空間を作ることが大事だと思っています。それから前提として、まずバウンダリー(境界線)とプライベートゾーン/プライベートパーツの話。その後、どの授業でも必ずセクシュアリティの話をします。 福田:必ず入れているんですね。 〈授業の初めにセクシュアリティの話をしている様子〉 星野:異性愛前提の話だけにならないように、「セクシュアリティはみんなに関係ある話」として伝えています。事前質問でもセクシュアリティに関する質問が昔より増えていて、「自分はゲイなんだけど」「ジェンダーフルイドだと思う」などが来ます。書くほどではないけどモヤモヤしている人も、最初にその話を聞くことで「自分が抱えてたモヤモヤはこれなんだ」と気づくきっかけになることがあるので、この順番にしています。 リアルな経験が子どもたちの心を動かす 福田:先生方や生徒からの反応で、特に評価される点は? 星野:よく言われるのは「身近な経験談があるから自分ごととして捉えられていたのが分かった」です。病院の話をそのまましても自分ごとにならない子もいるので、子どもたちの年齢に近いケースを話します。例えば、お腹が痛いと救急搬送された17歳の女の子が、検査したら妊娠36週だった、みたいな話をすると一気に引き込まれることがある。あとは講演後に養護教諭の先生から「実は先週、今日講演を聞いた生徒の中で中絶をした子がいた」と言われたこともあります。14歳の女の子で、相手も14歳。妊娠に気づいたのは母親だった、など。 〈星野さんの話を興味津々に聞く学生たちの様子〉 福田:現場のリアルですね…。 星野:そして「難しい話をするのかと思ったけど、分かりやすかった」とも言われます。それは手術室看護師として、看護学生に教える中で「難しい言葉を使わず噛み砕く」訓練をずっとしてきたからだと思っています。 保護者にも届く、家庭でのヒントになる性教育 福田:保護者向け(PTAなど)の講演もありますか? 星野:あります。去年、中2の講演が授業参観日にあって、生徒向けの後に保護者向けもやりました。保護者向けは15分で、性教育の本の紹介や、保護者の事前質問に答える内容でした。 〈保護者向けの講演会の様子〉 福田:反応はどうでしたか? 星野:保護者は全員ではないけど、20人くらい来てくれました。生徒60人に対して20人。「性の話を子どもとどう話せばいいか分からなかったけど、淡々と話せばいいと分かった」とか、「姉と妹で女の子に挟まれた長男がいて、女の子っぽいから“男らしくなりなさい”と言ってしまった。反省した」という声もありました。性教育の話だけのつもりでも、子育ての接し方のヒントとして受け取ってくれる方もいて、良かったです。 講演会までの準備の工夫 福田:学校の先生とのやり取りはどのようにされていますか? 星野:基本はホームページの依頼フォームから連絡が来て、メールで調整します。本当は電話がいいけど、仕事中電話できる時間が少なくて…。やり取りが増えるのが大変なので、まとめたファイルを作ってあります。 講演の演題(複数候補から選択) 交通費の計算方法 当日準備してほしいもの 講師紹介文の参考などを一括で案内。 年度が始まったタイミングでそれを送って、日付・人数などを入力してもらうGoogleフォームも一緒に送ります。「この1通で準備が分かる」ようにして、なるべく少ないメールで済むようにしてます。 性教育の時間をどう確保するか:学校への伝え方 福田:授業時間について、こちらからどうお話しされてますか? 45分とか50分とか言われることも多いですよね。集合に10分かかって、実質30分しかない、みたいな。 星野:ありますね。今は「この順番でこの内容を話すので最低1時間は必要です」と理由付けしてお願いしています。先生から「この話をしてほしい」と要望を聞いた上で、「それなら最低この時間は必要」と伝えると、学校側も確保に動いてくれることがあります。 福田:限られた時間の中でテーマもあり、質問にも答えるとなると、時間配分はどうしていますか? 星野:基本は50分〜1時間、できれば70分をお願いして、細かいタイムマネジメントを毎回ガチガチにするというより、頭の中で「今の残り時間でどこまでいけるか」を考えながら進めています。ただ「水の交換ゲーム」を入れると、相手次第で読めなくて配分をミスるときもあります。 〈性教育講演での様子〉 福田:なるほど。 星野:あと、始まりの“儀式”みたいなの(挨拶や紹介など)を長く取るより、話す時間を確保したいので、校長先生の挨拶や紹介は短くしてもらうようお願いすることもあります。講師紹介は「看護師・星野」で十分です、と。 性教育講演依頼の狙い目は春!? 福田:呼ばれるのは授業というより行事の中が多いですか? 星野:行事の中が多いですね。主催も保健部・生徒指導部・学年などいろいろで、Googleフォームで聞いています。 福田:時期の傾向はありますか? 星野:群馬県は12月近辺が多いです。昔の「エイズ予防講演会推進事業」の名残だと思います。世界エイズデー(12/1)もあって、秋〜12月が多い。 〈性教育イベントで出展参加する星野さん〉 福田:春(3〜5月)は少ないですか? 星野:少ないです。式典もあるし、養護教諭は健康診断で忙しくて動けない時期なので。 福田:学校以外(外部団体、自治体、男女共同参画センターなど)の方は、3〜5月は逆に狙い目かもしれないですね! 性教育コミュニティkokorocolorの活動について 福田:性教育コミュニティkokoro colorについて、どんな活動をされているか簡単に教えてください。 星野:2020年、コロナで性教育のイベントや研修が軒並み中止になったときに、「みんなで集まって性教育の話がしたい」と思ってオンラインイベントを開催したのが始まりです。参加者から「性教育を勉強したくても場所がない。居場所がない」と声をもらって、誰でも参加できる性教育の居場所を作ろうと思いました。今はLINEのオープンチャットを中心に、月2回くらいZoomで勉強会をしたり、LINEのライブトークで交流したりしています。最近のテーマだと、緊急避妊薬が薬局で販売されるようになったことについて、SNSでの反応共有や、学校でどう伝えるか(生徒にどう返すか)をみんなで考えたり、研究データをもとに議論したりしています。参加者は、性教育をバリバリやっている人もいれば、勉強したいけど何をしたらいいか分からない人もいて、フラットに話し合える場になっています。   講演のその先へ:Instagramと書籍化の目標 福田:今後の目標や野望があれば、教えてください! 星野:いつかやめるんだろうと思いながら続けてきたけど、やめずにここまで来ました。子どもが生まれてからは、性の話を“特別にする”んじゃなくて、日常の中で当たり前に扱えるように意識して子どもに接しています。それも学ぶ機会があったからだなと思っていて、自分の子どもが性で困らないように、子どものために勉強していきたいです。野望としては、ずっと「次は書籍化だよね」と言われてきて、まだ話はないけど、Instagramをこんなに頑張ってるなら書籍化できたらいいなと。出版社から「やりませんか」と言われたら「やります!」って言えるように、日々投稿を良くしていこうと思っています。目標はフォロワー1000人、そして書籍化。以前、看護師としての仕事とのバランスについて悩んだ時期もありましたが、慎重さを持ちながら活動を続けています。 福田:インスタ投稿、私も見てて楽しいです。応援しています! 〈定期的に丁寧な投稿をされているので、ぜひ星野さんのInstagramをご覧ください。〉 星野:ありがとうございます。インスタを頑張ってる理由は、講演を聞いた生徒が「もっと知りたい」と思ったときにアクセスできるツールにしたいからです。あと、どの学校でも、その学校に合わせた資料を用意してます。裏面にQRコードをたくさん貼って、「今日のみんなのために選んだ信頼できる情報サイト」へ飛べるようにして、正しいかどうか曖昧な、不適切な情報に行かないようにしています。そのリンク先の一つとしてInstagramも入れてます。 福田:最後に、性教育事業を頑張ろうと思っている人へのメッセージがあればお願いします。...

性教育の出前授業・講演・講座とは?外部講師に依頼するメリットや依頼する際のポイントを解説

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性教育の出前授業・講演・講座とは?外部講師に依頼するメリットや依頼する際のポイントを解説

学校や地域、企業で「性教育を伝えたい」と思っても、「どこまで扱ってよいのかわからない」「専門的な知識や準備の時間が足りない」と悩む現場は少なくありません。 そうした課題をサポートする方法としてあるのが性教育の出前授業・講演・講座(出張授業)です! このコラムでは、性教育の出前授業・講演・講座とは何か、外部講師に依頼するメリット、実際の内容やテーマ、依頼する際の確認ポイントについてわかりやすく解説します⭐️実際に依頼できる「全国版 性教育講師リスト」も最後に紹介しているので、見てみてくださいね! 性教育の出前授業・出張授業とは? 性教育の出前授業(出張授業)とは、性教育を専門とする講師が学校や地域、企業などに出向き、授業や講演を行う取り組みです。 以下のような形で実施されています。 小学校・中学校・高校での性教育出前授業 PTA・保護者向けの性教育講演 教職員向けの研修講座 自治体や企業での性教育講座 対面・オンラインの両方に対応できるケースも多く、学校現場の状況や対象者に合わせて柔軟に実施できる点が特徴です。 性教育講演・講座との違いは? 性教育の出前授業・講演・講座は、対象や目的によって使い分けられることが多いです。 出前授業・出張授業学校向けが中心。学年や発達段階に応じた内容で、参加型・対話型の授業が多い。 講演保護者、教職員、一般向けに行われることが多く、理解促進や啓発が目的。 講座連続型・研修型で、性教育を体系的に学ぶ形式。教員研修や専門職向けに実施されることも。 いずれも「性教育」という共通テーマを持ちながら、目的と対象によって設計が異なる点がポイントですが、特に分けることなく、使われることもあります。 性教育に外部講師が求められている理由 性教育の現場では、次のような背景があります。 学習指導要領の枠組みの中で扱える内容に限界がある SNSやインターネットによる誤った情報への不安 教員一人ひとりにかかる負担の増加 生徒・保護者からの性教育ニーズの高まり こうした中で、専門知識を持つ外部の性教育講師が関わることで、現場の負担を減らしながら、より実態に即した性教育を届けることが可能になります。 性教育の講師に依頼するメリット 性教育を外部講師に依頼することには、以下のようなメリットがあります。 専門的で正確な知識を伝えられる 最新の社会状況や子どもたちの実態を反映できる 第三者だからこそ話しやすいテーマがある 生徒・参加者の関心や理解が高まりやすい 教員や保護者の心理的負担を軽減できる 特に、デリケートなテーマほど「いつもの先生」ではなく外部講師の存在が効果的なケースも多くあります。 性教育の出前授業・講演で扱われる主なテーマ 性教育の出前授業や講演では、以下のようなテーマが扱われます。 思春期の体と心の変化 同意(同意の考え方・境界線) デートDV・性暴力予防 ジェンダーと多様な性 SNS・ネットリテラシー プレコンセプションケア(将来の健康を考える視点) 年齢や立場に応じて内容や表現を調整し、「今、その子どもたちに必要な性教育」を届けることが重視されます。 性教育出前授業・講演を依頼する際のポイント 依頼する際は、以下の点を確認すると安心です。 年齢や目的、地域性やその学校に合った内容か 当日の内容を事前に確認できるか ➡︎校内や企画関係者内で共有しておきましょう 講師の専門性や実績(教育現場での経験) 事前の打ち合わせや相談が可能か ➡︎メールだけでなく、可能な限り対面で行いましょう 講演料(謝礼)や交通費の目安、支払い方法について事前に確認できるか➡︎事務や経理担当と確認しましょう 単発で終わらず、その後の学びにつながる設計ができるかも重要なポイントです。 性教育講師をお探しの方へ withセイシルでは、現在「全国版 性教育講師リスト」を公開しています! 随時、講師の先生を追加していきますので、お楽しみに。 ぜひご検討ください!

【どこでも性教育シリーズ③】英語の授業で性教育をどう行う?

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【どこでも性教育シリーズ③】英語の授業で性教育をどう行う?

どこでも性教育シリーズ第3弾!いつでもどこでも性教育がしたいというみなさんにお応えして、これから保健の授業だけでない性教育のタイミングや内容を紹介していきます! 今回は「英語」です。 英語は単なるコミュニケーションの手段ではなく、文化や価値観を学ぶ入り口でもあります。 英語の授業で性教育を扱うと、生徒は「性に関する言葉」を学ぶと同時に、世界の多様な考え方に触れることができます。 もちろん学校の授業の中だけでなく、ぜひご家庭でも参考にしてくださいね。   性教育に関する英単語を学ぶ 性や人権に関わる英語表現を知ることは、国際的な場で自分や他者を守る力になります。 consent(同意) safe sex(安全な性行為) reproductive health(生殖に関する健康) LGBTQ+(性的少数者) harassment(ハラスメント) 授業の工夫: 簡単な例文で「Yes means yes, No means no.」を扱い、性的同意をシンプルな英語で理解させる。 海外ではどのように単語を使用しているのか調べたり、性に関する英単語の意味を深掘りしたりして考える。 有名な「性的同意と紅茶」の動画を日本語訳ではなく、英語の音声で聞く   異文化理解と性教育 英語教材には「family」「adolescence(思春期)」「life events」といったテーマがよく登場します。 そこに各国の性教育事情を盛り込むと、生徒は「文化比較」を通して性教育の意義を学べます。 授業の工夫: 「日本と欧米の性教育の違い」を調べ、英語でプレゼン。 性に関するイベントなど、海外のポスターやキャンペーンを教材にし、「どんなメッセージか」を英語で読み解く。   コミュニケーションスキルとしての性教育 性教育は「伝える力・聞く力」と直結します。 英語の会話練習に「断る表現」「相手を尊重する表現」を取り入れると、コミュニケーションスキルと性教育を同時に学べます。 相手の気持ちを聞く英語は、「YESをもらうため」ではなくて「相手が選べるようにする言葉」だと伝わると良いでしょう。 授業の工夫: ロールプレイで「誘いを断る表現」を英語で練習する。例: I don’t feel comfortable.I’d rather not.(ちょっと嫌だな。できればやめときたい。)    Not really.(うーん、あんまり。)    No.Stop.(いや、やめて。) ロールプレイで「相手の気持ちを確認する表現」を英語で練習する。例:Is it OK if I sit next to you?(隣に座ってもいい?)  You don’t have to if you don’t want to.(嫌ならしなくていいよ。) 国際的なニュースや文章を題材に 性教育やジェンダーに関する国際ニュース記事を教材にすると、リーディング力と社会的理解が深まります。 授業の工夫: UN(国連)の “International Day of Women” のスピーチを教材にし、リスニングの練習。 性に関する海外の記事を読んで、「自分の意見」を書くor英語で書く。   英語から性の「言葉」と「文化」を学ぶ授業へ 英語の授業は、性教育を「国際的な言葉と文化の学び」として展開できる場です。 単語学習で「性を語る言葉」を知る 異文化比較で「日本と世界の違い」を理解する ロールプレイで「同意や拒否を伝える力」を育てる こうした工夫を取り入れることで、生徒は英語を学びながら、性についても前向きに考えられるようになるでしょう。   おまけ:オススメの海外の性教育動画 アメリカの性教育NGOが製作している性教育動画「AMAZE」は、無料公開されています。 NPO法人ピルコンでは、日本語訳した「AMAZE」の動画やワークシートを公開しています。 字幕ありでもなしでも英語の勉強をしながら、性のことが学べますよ。 参考:https://pilcon.org/activities/amaze

【性教育実践インタビュー①】現場の声から考える性教育 玉田先生に聞きました!

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【性教育実践インタビュー①】現場の声から考える性教育 玉田先生に聞きました!

学校の性教育をより良くしたい──。そんな思いで現場に立ち続けている先生たちの取り組みを紹介する、【性教育実践インタビュー】シリーズ。 第1回となる今回は、私立の高等学校で長年保健教育に携わり、独自のカリキュラムで14年間、性教育を実践している玉田先生にお話を伺いました。 ご自身の体験、授業での工夫、生徒の変化、そして「今の学校に必要だと思うこと」まで、たっぷり語っていただきます。 インタビュアーは、セイシルを運営する元保健体育教員の福田です。現場のリアルな声と実践方法を参考に、ぜひ一緒に性教育を考えていきましょう。 性教育に興味を持ったきっかけ セイシル福田(以下、福田):玉田先生、よろしくお願いします!では早速、性教育に関心を持ったきっかけから教えてください。 玉田先生(以下、玉田):こちらこそよろしくお願いします!始まりは高校〜大学時代です。私は女子中高一貫校で10年間女子校出身だったので、女性同士の関係の話や、ドラマの中の「いろいろな愛の形」に触れることが多く、「もっと知りたい」と思うことが多かったんです。当時はSNSもなく、本屋で立ち読みしたり買って読むしか情報源がありませんでした。自分が知りたいことを誰も教えてくれなかったんです。 さらに大きかったのが、出産・子育ての経験です。からだや気持ちが揺れた経験があるからこそ、「同じように不安な人の背中を押したい」という思いが強くなりました。 もともと私は体育科「部活命」のタイプで、大学からダンスを始め、着任校にダンス部がなかったので自分で立ち上げました。部は全国大会にも出られるほどに育ちましたが、時代が変わる中、昭和的な「ガンガン指導」から抜け出せない自分とのズレを感じ、生徒主体にシフトしました。 そのタイミングで、長年保健を担当していた先生が退職され、私がどっぷり保健を引き受けることになり、日本の性教育の遅れを痛感し、今までの想いも合わさって、一気に自分の熱量が性教育に全振りするようになりました。 14年間の保健授業での性教育実践 福田:教員人生が大きく動いた瞬間ですね!最初に取り組まれたことは何でしたか? 玉田:まず、「忘れられない、イヤ、忘れたくない授業にしたい。生徒たちの一番役に立つ教科になりたい!」という目標を掲げて、保健の教科書の順番を見直しました。性に関する単元は本来2年生なのですが、「中学までに知っているべきこと」がかなり足りていないと感じたので、思い切って1年生の最初に持ってきたんです。 保健の授業の年間およそ30時間のうち、5時間だけ他の単元に割き、残りはすべて性に関連づけて構成しました。このカリキュラムは14年間続いていて、今は他の先生も継承してくれています。 福田:すごい!この改革は私立だからこそですね。でも、保健の授業内容はほとんど性に関連づけて話すことは可能だと私も思います。 玉田:毎回、性のことを学ぶ習慣がついていくのが良いですよね。授業の大きな軸になったのが、遠見才希子先生の『ひとりじゃない』という本との出会いです。共感する部分が多く、朗読したり、自分自身と向き合うための資料として配布して、気持ちを書いてもらったりしています。知識と気持ちの両方を扱えるのが、この本の良いところです。 〈14年間愛用している、玉田先生の宝物の本と生徒用の配布資料〉本の監修者である岩室紳也先生サインに加え、講演会で学校にお招きした際に直接いただいたサインも添えられています 参考:『ひとりじゃない 自分の心とからだを大切にするって?』著 | 遠見才希子 福田:遠見先生の言葉が生徒たちの心を掴むんですね。授業内容についても教えていただきたいです! 玉田:単元ごとに導入としてクイズを入れています。男性のからだ、女性のからだ、性感染症などを、あえて「何も見ずに」答えてもらうと、正答率がとても低い。生徒たちも「自分は何を知らないのか」に気づけるので、その後の学びが深くなります。 他に、国際セクシュアリティ教育ガイダンスを紹介して、「世界では9〜12歳でどうしたら妊娠するのか、避妊法、性感染症まで学んでいる」と話します。そして、「この1年間で世界基準に追いつくぞ!」と宣言します。最初は「セックス」という言葉だけで固まる生徒もいますが、私は特別視せずに堂々と話す姿勢が大事だと思っています。 福田:生徒たちの前で、明るく拳をつき上げて宣言する玉田先生が想像できます!ちなみに、テストはどんな感じですか? 玉田:テストは「人生に役立つ知識」に寄せた設問や記述が多いです。例えば中絶では、是/非の立場を選んで自分の考えを書く、学んだ知識を覚えているだけ書くなど、採点は大変ですが、その分、深い定着を目指しています。 3学期には、「何を学び、どんな気持ちに変化したか(プラス・マイナス両方)」を書いてもらいました。結果は圧倒的にプラスが多く、「知ることができてよかった」「安心した」という声が多かったんです。自分自身も「初めて採点を楽しいと思えた」というくらい、手応えのある内容でした。 1年の終わりには、(性のことを)「友だちと普通に話せるようになった」「お母さん・お父さんとも話せるようになった」などの感想をもらいます。卒業生からも、「大学では知らない人が多くて驚いた」と言われることが多く、必要性を改めて感じます。 〈生徒に配付する性教育の資料〉卒業してもこの資料を見たら玉田先生の声が聞こえてきますね   学校での性教育の課題 福田:玉田先生の学校における性教育に関して課題と感じることはありますか? 玉田:教科内では自由にできていますが、「学校全体の行事」としての性教育はまだ実現できていません。防災訓練は年2回必ずやるのに、性に関する安全はまだ「オプション扱い」です。管理職の先生も重要と思ってはくれていますが、時間割が詰まりすぎていて調整が進まないのが現状です。「薬物乱用防止指導のように、性の安全教育も義務化してほしい」というのが本音ですね。 保護者との連携もこれからの課題です。今のところ保健での性教育実践に対してクレームはゼロですが、「PTA向けの性の講演会」があれば学校全体の推進力にもなるので、今後挑戦したい点です。 玉田先生からのメッセージ 福田:性教育に必要性を感じているのに、なかなか実践できない、このままでいいんだろうか?と悩んでいる先生方が多いと思います。最後に、これから学校で性教育を実践していきたい先生たちへ、メッセージをお願いします。 玉田:「性教育が必要であると感じている気持ちは間違っていません」とハグをしながら伝えたいです。私自身も、必要性を感じていない大人に「どう伝えるか」で悩むことがあります。でも、「私自身がアップデートし続け、学び続ける姿を見せる」「一緒に考えませんか?というスタンスで広げる」ことを大切にしながら、『ひとりじゃない』ことを信じて、共に進んでいきましょう! 福田:やっぱり、学校で仲間(味方)を増やして、一緒に取り組めると良いですよね!今の子どもたちに伝えたいことはありますか? 玉田:子どもたちに伝えたい一番のメッセージは、「自分の気持ちがいちばん大事」ということですね。優しい子が多く、自分が我慢して丸く収めようとしがちです。でも、 嫌なことは「嫌」と言っていい 自分の気持ちを伝えていい 喧嘩を避けるために全部飲み込まなくていい ということを何度も伝えたいと思っています。 福田:素敵なメッセージをありがとうございます! 玉田:このインタビューを読んで、「私もやってみよう」と思ってくれる先生がいたら、とても嬉しいです。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ いかがでしたか。 教科書の順番を少し変えること。導入にクイズを1問入れてみること。「自分の気持ちを大切にしていい」と伝え続けること。 どれも小さな工夫の積み重ねですが、そのひとつひとつが生徒の安心をつくり、学校全体の空気をゆっくりと変えていく力を持っています。 そして何より、先生ご自身が「性教育は大事だ」という自分の感覚を信じて、生徒とともに学び続けていること。その姿勢こそが、生徒たちにとっての何よりの学びになっているように感じました。 このシリーズ【性教育実践インタビュー】では、今回の玉田先生のように、性教育に向き合う現場の先生たちの声をお届けしていきます。 「どうやって始めたらいいんだろう?」「自分の学校でもできるだろうか?」そんな問いに、現場の声がヒントになれば嬉しいです。 【性教育実践インタビュー②】はこちら

【どこでも性教育シリーズ②】古典の授業で性教育をどう行う?

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【どこでも性教育シリーズ②】古典の授業で性教育をどう行う?

どこでも性教育シリーズ第二弾!いつでもどこでも性教育がしたいというみなさんにお応えして、これから保健の授業だけでない性教育のタイミングや内容を紹介していきます! 今回は「古典」です。 古典文学には、恋愛や結婚、男女の関係を描いた場面が数多く登場します。古典を学ぶ場は「昔のこと」として終わらせるのではなく、「現代にどうつながるか」を考えるきっかけにできます。そこに性的同意やジェンダー平等といった視点を組み込むことで、文学を通じた性教育が可能になるのではないでしょうか。 もちろん学校の授業の中だけでなく、ぜひご家庭でも参考にしてくださいね。   『伊勢物語』『源氏物語』に見る男女関係 恋愛や結婚を描く古典作品では、当時の価値観や社会制度が色濃く反映されています。 例えば『源氏物語』では、光源氏の恋愛遍歴が描かれますが、その中には現代の価値観で見ると「同意のない関係」と受け取れる場面も少なくありません。 授業の工夫:・「当時はどのように受け止められていたのか」・「現代ならどう評価されるか」を比較することで、性的同意の大切さを生徒と議論できます。   和歌や恋愛文学から考える「表現」と「気持ち」 和歌は相手への思いを表現する大切な手段でした。 短い言葉に「相手を思いやる気持ち」や「距離の取り方」が込められており、これは現代の人間関係にも通じます。 授業の工夫:・恋の歌を取り上げ、「相手の気持ちを尊重する表現」を見つけさせる。・「相手が望んでいないときに迫ること」と「相手の気持ちを待つこと」の違いを考えさせる。これによって、言葉や態度を通じた「同意」の重要性が自然に伝わります。   ジェンダー観の変化を学ぶ 古典には「男は外で活動」「女は家で待つ」といった当時の性役割が前提として描かれることが多くあります。 これを「時代背景」として学ぶと同時に、「現代では性別で役割を決めつけることは不適切である」というジェンダー平等の視点を組み込むことができます。 授業の工夫:・古典に出てくる女性の立場を整理し、「現代の女性の立場とどう違うか」を比較する。・そこから「対等な人間関係の大切さ」「性的同意を得ることの当たり前さ」へと橋渡しをする。   倫理・人生観への広がり 古典文学の多くは「人間はどう生きるべきか」という普遍的な問いを含んでいます。 そこに「愛するとは何か」「相手を尊重するとはどういうことか」という視点を加えると、性教育の基盤となる人権教育・倫理教育が結びつきます。 授業の工夫:・作品を読みながら「相手の意思を尊重することが愛情なのか、欲望なのか」を問う。・性的同意を単なる知識としてではなく、人間関係を築くうえで不可欠な態度として理解させる。   文学から「同意」と「ジェンダー」を学ぶ授業へ 古典の授業は「昔の文学を読む」だけでなく、「当時と現代の違いを考える場」でもあります。 そこに「性的同意」「ジェンダー平等」の視点を加えることで、古典は生徒にとって「今を生きる知恵」に変わることでしょう。 文学を媒介にすることで、性教育は説教ではなく対話として成立しやすくなり、生徒が主体的に考える機会となりますように!