【どこでも性教育シリーズ②】古典の授業で性教育をどう行う?

【どこでも性教育シリーズ②】古典の授業で性教育をどう行う?

投稿者 : on

どこでも性教育シリーズ第二弾!いつでもどこでも性教育がしたいというみなさんにお応えして、これから保健の授業だけでない性教育のタイミングや内容を紹介していきます!

今回は「古典」です。

古典文学には、恋愛や結婚、男女の関係を描いた場面が数多く登場します。
古典を学ぶ場は「昔のこと」として終わらせるのではなく、「現代にどうつながるか」を考えるきっかけにできます。
そこに性的同意やジェンダー平等といった視点を組み込むことで、文学を通じた性教育が可能になるのではないでしょうか。

もちろん学校の授業の中だけでなく、ぜひご家庭でも参考にしてくださいね。

 

『伊勢物語』『源氏物語』に見る男女関係

恋愛や結婚を描く古典作品では、当時の価値観や社会制度が色濃く反映されています。

例えば『源氏物語』では、光源氏の恋愛遍歴が描かれますが、その中には現代の価値観で見ると「同意のない関係」と受け取れる場面も少なくありません。

授業の工夫:
・「当時はどのように受け止められていたのか」
・「現代ならどう評価されるか」
を比較することで、性的同意の大切さを生徒と議論できます。

 

和歌や恋愛文学から考える「表現」と「気持ち」

和歌は相手への思いを表現する大切な手段でした。

短い言葉に「相手を思いやる気持ち」や「距離の取り方」が込められており、これは現代の人間関係にも通じます。

授業の工夫:
・恋の歌を取り上げ、「相手の気持ちを尊重する表現」を見つけさせる。
・「相手が望んでいないときに迫ること」と「相手の気持ちを待つこと」の違いを考えさせる。
これによって、言葉や態度を通じた「同意」の重要性が自然に伝わります。

 

ジェンダー観の変化を学ぶ

古典には「男は外で活動」「女は家で待つ」といった当時の性役割が前提として描かれることが多くあります。

これを「時代背景」として学ぶと同時に、「現代では性別で役割を決めつけることは不適切である」というジェンダー平等の視点を組み込むことができます。

授業の工夫:
・古典に出てくる女性の立場を整理し、「現代の女性の立場とどう違うか」を比較する。
・そこから「対等な人間関係の大切さ」「性的同意を得ることの当たり前さ」へと橋渡しをする。

 

倫理・人生観への広がり

古典文学の多くは「人間はどう生きるべきか」という普遍的な問いを含んでいます。

そこに「愛するとは何か」「相手を尊重するとはどういうことか」という視点を加えると、性教育の基盤となる人権教育・倫理教育が結びつきます。

授業の工夫:
・作品を読みながら「相手の意思を尊重することが愛情なのか、欲望なのか」を問う。
・性的同意を単なる知識としてではなく、人間関係を築くうえで不可欠な態度として理解させる。

 

文学から「同意」と「ジェンダー」を学ぶ授業へ

古典の授業は「昔の文学を読む」だけでなく、「当時と現代の違いを考える場」でもあります。

そこに「性的同意」「ジェンダー平等」の視点を加えることで、古典は生徒にとって「今を生きる知恵」に変わることでしょう。

文学を媒介にすることで、性教育は説教ではなく対話として成立しやすくなり、生徒が主体的に考える機会となりますように!

 


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