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はどめ規定とは?性教育の現場で押さえたい意味と実践ポイント

投稿者 : on

はどめ規定とは?性教育の現場で押さえたい意味と実践ポイント

学校や地域で性教育に関わっていると、性教育の「はどめ(歯止め)規定」という言葉にぶつかることがあります。 特に、性交、妊娠、避妊、性感染症、性暴力について扱うとき、受精・妊娠に至る過程について「どこまで話してよいのか」と迷う方は少なくありません。 まずは、現場でよくある疑問から整理します。 まず押さえたい「はどめ規定」FAQ Q. はどめ規定とは何ですか? 性教育におけるはどめ規定とは、小学校理科で「人の受精に至る過程は取り扱わない」、中学校保健体育で「妊娠の経過は取り扱わない」とされている記述を指して使われる通称です。法律名ではなく、学習指導要領やその解説にある制限的な記述を、現場で「はどめ規定」と呼んでいます。 Q. はどめ規定は「性交を教えてはいけない」という意味ですか? 「絶対に教えてはいけない」という意味ではありません。国会答弁でも、歯止め規定は「決して教えてはならない」というものではなく、「全ての子供に共通に指導するべき事項ではない」という趣旨で説明されています。 Q. 外部講師はどこまで話してよいのでしょうか? 学校の授業として行う場合は、学校側との事前確認が重要です。対象学年、授業目的、扱う内容、使う言葉、教材、保護者説明、授業後の相談導線をすり合わせておく必要があります。特に性交、避妊、妊娠、性感染症、性暴力を扱う場合は、「講師個人の判断」ではなく、学校全体の共通理解のもとで実施することが大切です。 Q. はどめ規定があっても包括的性教育はできますか? できます。ただし、学校教育の枠内では、発達段階、学習指導要領、学校全体の合意、保護者への説明可能性を踏まえて設計する必要があります。包括的性教育は、性交や避妊だけを扱うものではありません。身体、心、人間関係、同意、尊重、相談、情報リテラシー、性暴力予防などを含む広い学びとして組み立てることができます。 はどめ規定(歯止め規定)とは何か 性教育における「はどめ規定」とは、法律名ではなく、学習指導要領※(全国どこの学校でも一定の水準が保てるよう、文部科学省が定めている教育課程の基準)や、その解説にある「取り扱わないものとする」という記述を指して使われる通称です。 小学校学習指導要領解説・理科編では、「人は、母体内で成長して生まれること」を扱う一方で、「人の受精に至る過程は取り扱わないものとする」とされています。 中学校学習指導要領では、「妊娠や出産が可能となるような成熟が始まる」という観点から受精・妊娠を扱う一方で、「妊娠の経過は取り扱わないものとする」とされています。 この「受精に至る過程」や「妊娠の経過」が、現場ではしばしば「性交」の扱いと結び付けて理解されます。そのため、はどめ規定は、学校で性交や避妊を扱うことへの心理的・制度的ハードルとして語られてきました。 ※参考:学習指導要領とは?/文部科学省 学校段階 関連する内容 歯止め規定として語られる部分 実際の記述の情報源 小学校 理科 人の誕生・母体内での成長 人の受精に至る過程は取り扱わない 【第5学年】3 内容の取扱い(4) (p.105) 中学校 保健体育 心身の発達・受精・妊娠 妊娠の経過は取り扱わない 【保健分野】3 内容の取扱い(7) (p.129)   「教えてはいけない」という意味なのか ここは誤解されやすいポイントです。 国会答弁※では、はどめ規定について「決して教えてはならないというものではなく、全ての子供に共通に指導するべき事項ではない」と説明されています。また、学校が必要と判断する場合に指導したり、個々の生徒に対応して教えたりすることはできる、という趣旨も示されています。 ※参考:あべ俊子文部科学大臣記者会見録(令和7年6月13日) つまり、はどめ規定は「絶対禁止」ではありません。一方で、すべての児童生徒に一律に指導する内容ではない、という整理があるため、学校現場では慎重な判断が求められます。 性教育従事者にとって重要なのは、「教えて良い/悪い」の二択で考えないことです。むしろ、次のような問いに落とし込む必要があります。 この授業の目的は何か。 対象学年の発達段階に合っているか。 学校全体で合意されているか。 保護者にどう説明するか。 集団指導で扱う内容と、個別支援で扱う内容をどう分けるか。 授業後に相談できる導線はあるか。 この設計がないまま「性教育だから何でも扱う」「はどめ規定があるから何も扱わない」と振り切ってしまうと、どちらも子どもに必要な学びを届けにくくなります。 なぜはどめ規定が問題視されているのか はどめ規定が問題視される理由は、文言そのもの以上に、現場での受け止められ方にあります。 「取り扱わないものとする」という表現は、実践者にとって強いブレーキになります。特に、外部講師、養護教諭、担任、管理職、教育委員会、保護者の間で共通理解がない場合、「そこまで踏み込むと問題になるのではないか」という不安が先に立ちます。 一方で、中学校保健体育の解説では、エイズや性感染症の予防に関して、HIVの主な感染経路が性的接触であること、感染予防には性的接触をしないことやコンドームを使うことなどが有効であることにも触れるよう示されています。ここに、現場の悩ましさがあります。 性感染症やコンドームには触れる必要がある。しかし、性交や妊娠の経過については慎重な扱いが求められる。 この間で、どこまでをどう説明するのかが、性教育従事者の実践上の大きな論点になります。 はどめ規定を撤廃するための実行委員会(〝人間と性〟教育研究協議会幹事会などで構成され、教育評論家の尾木直樹さんらも賛同人となっている。)は、署名運動※を2025年9月に開始し、約2ヶ月後には文部科学省に 42,759筆の署名を提出しました。 ※参考:「はどめ規定」をなくして、いまこそ当たり前の性教育をこの国に 性教育従事者が押さえたい実践のポイント はどめ規定をめぐる授業設計では、まず「目的」を明確にすることが大切です。 性交や避妊を扱う場合でも、それは興味をあおるためではありません。子どもたちが自分の身体を理解し、予期せぬ妊娠や性感染症、性暴力、性的搾取、誤情報から自分と他者を守るための知識と判断力を育てることが目的です。 次に、集団指導と個別指導を分けて考えます。集団指導では、身体の変化、プライベートゾーン、同意、境界線、相談先、情報リテラシー、性感染症予防、妊娠に関する基本的な理解など、全員にとって必要な基礎を扱います。一方、個別指導では、妊娠不安、性的被害、交際関係の悩み、性的行動に関する相談など、個々の状況に応じた支援を行います。 また、外部講師として関わる場合は、学校との事前打ち合わせが欠かせません。授業案、使用する言葉、教材、保護者説明文、質問への対応、授業後の相談先をあらかじめ共有しておくことで、現場の不安を減らすことができます。文部科学省資料でも、性に関する指導において産婦人科医や助産師などの外部講師を活用することについて、教育委員会へ周知しているとされています。 特に大切なのは、「学校に迷惑をかけないように薄める」ことではなく、「学校が説明責任を果たせる形に整える」ことです。子どもの権利、健康、安全、尊厳を守る教育として、堂々と説明できる設計にする必要があります。 包括的性教育の視点から考える 国際的には、包括的性教育は、性を単に生殖やリスクの問題として扱うのではなく、身体、感情、人間関係、権利、尊重、意思決定を含む学びとして位置づけられています。UNESCOは包括的性教育を、性の認知的・感情的・身体的・社会的側面について学ぶ、カリキュラムに基づいた教育プロセスと説明しています。包括的性教育は、性行動を促すものではなく、子どもや若者が健康、尊厳、尊重ある人間関係、自分と他者の権利を理解するための教育です。 この視点から見ると、はどめ規定をめぐる議論は「性交を教えるかどうか」だけの問題ではありません。子どもたちが、性に関する情報をどこで、誰から、どのような文脈で学ぶのかという問題です。 インターネットやSNSには、断片的で刺激の強い性情報があふれています。だからこそ、学校や地域で行われる性教育には、科学的で、年齢に応じていて、人権と尊重を土台にした学びを届ける役割があります。 朝日新聞が実施した保護者向けのアンケート調査※によると、回答を得た方の9割弱が「教育現場での性教育の充実」を求めている実態が浮き彫りになりました。また、実践上の大きなハードルとなっている学習指導要領の「はどめ規定」についても、約7割の方がその必要性を感じていないという結果が出ています。 ※参考:学校での性教育、充実を望む保護者 はどめ規定「不要」声も 朝日新聞社アンケート まとめ:はどめ規定を「できない理由」にしない はどめ規定を「何もできない理由」にしてしまうと、子どもたちに必要な知識と支援が届かなくなります。 大切なのは、発達段階に応じた内容を、学校全体の合意のもとで、保護者にも説明できる形で届けることです。 性教育は、子どもたちに性行動を促すものではありません。自分の身体を知り、相手を尊重し、危険に気づき、必要なときに助けを求める力を育てる教育です。 はどめ規定をめぐる議論が続く今こそ、性教育従事者には、萎縮ではなく、丁寧な設計と対話が求められています。子どもたちの安全と尊厳を守るために、現場からできることを一つずつ積み重ねていきましょう。 「性教育講師をお探しの方」はこちら「年齢別の性教育ガイドを読みたい方」はこちら  

性教育はいつから?どこまで話す?年齢別にわかりやすく解説【完全ガイド】

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性教育はいつから?どこまで話す?年齢別にわかりやすく解説【完全ガイド】

「性教育って、いつから始めればいいの?」「まだ早い気がするけど、何も教えないのも不安…」 そんなふうに悩んだことはありませんか? 実は、性教育に「早すぎる」ということはありません。子どもへの性の関わりは、実は日常の中で0歳からすでに始まっています。 ただし、大切なのは「早く全部教えること」ではなく、年齢や発達に合わせて、少しずつ伝えていくことです。 この記事では、「性教育はいつから?どこまで話せばいい?」という疑問に対して、年齢別の具体例とともに、わかりやすく解説します。 「何をどう伝えればいいかわからない」という方も、今日からできるヒントがきっと見つかります。 性教育はいつから始めるべき? 「性教育はいつから始めるべき?」という疑問に対して、結論はとてもシンプルです。性教育は0歳からすでに始まっています。 「まだ言葉もわからないのに?」と思うかもしれません。ただ、ここで大切なのは「子どもに理解させること」だけではありません。 性教育は、子どもと同時に“親も育っていくもの”です。 なぜ0歳から始めるのか 性教育をいざ始めようと思っても、「どう伝えたらいいかわからない」「恥ずかしい」と感じる方は少なくありません。 だからこそ、言葉が理解できるようになってから急に始めるのではなく、0歳の頃から少しずつ“親自身も慣れていくこと”が大切です。 たとえば、 おむつ替えのときに体の名前を伝える(例:おちんちん、おまたなど ×あそこ) 「ここは大事な場所だよ」と前向きな声をかける(×はずかしい、汚い) こうした関わりは、子どもにとっての学びであると同時に、親にとっての“伝える練習”にもなります。 子どもは、思っているより早く理解している また、「まだ理解できないから意味がない」と思われがちですが、実は子どもは、大人が思っているよりもずっと早い段階から言葉や雰囲気を受け取っていると言われています。 言葉の意味を完全に理解していなくても、繰り返し伝えられることで「大切なことなんだ」という感覚が育っていきます。 そして、理解できるようになったときには、すでにそれが“当たり前の価値観”として根づいています。 性教育は「親子で育てていくもの」 性教育は、「教える・教えられる」という一方通行のものではなく、親子で一緒に意識を育てていくプロセスです。 完璧に伝えようとしなくても大丈夫です。日常の中で少しずつ言葉にしていくことが、子どもにとっても、親にとっても大きな意味を持ちます。 性教育はなぜ早い方が良い?3つの理由 性教育は、思春期になってからまとめて伝えるものではなく、小さな頃から少しずつ積み重ねていくことが大切です。 「早くから伝えると、かえって興味を持ちすぎてしまうのでは?」いわゆる“寝た子を起こす”のではないかと心配される方もいます。 しかし、実際には性教育によって性行動が早まるという根拠はなく、むしろ適切な知識を得ることでリスクを下げることが、国際的な報告でも示されています。 つまり、性教育は「性行動を早めるもの」ではなく、子どもが自分を守るための準備です。 その理由は大きく3つあります。 ① 性被害を防ぐため 子どもが自分の体について正しく理解し、「イヤ」と言っていいことを知っていることは、性被害の予防につながります。 プライベートゾーンや距離感(バウンダリー)を早い段階から伝えておくことで、「これはおかしい」と気づく力を育てることができます。 ② 自己肯定感を育てるため 自分の体や気持ちを大切にすることは、そのまま自己肯定感の土台になります。 「自分の体は大切にされるべきもの」「イヤなことは断っていい」 こうした感覚を小さい頃から積み重ねることで、他者との関係の中でも自分を守れる力につながります。 ③ 思春期に困らないため 思春期になって急に性の話をしようとしても、子どもは戸惑ったり、恥ずかしさから受け入れにくくなることがあります。 一方で、幼い頃から自然に話題にしてきた家庭では、性の話も特別なものではなく、日常の延長として受け止められます。 その結果、思春期の変化や悩みにもスムーズに対応しやすくなります。 性教育はどこまで話すべき? 性教育について悩む中で、「どこまで話せばいいの?」と迷う方はとても多いです。 結論からいうと、すべてを一度に教える必要はありません。 大切なのは、子どもの年齢や理解に合わせて、少しずつ・必要なタイミングで伝えていくことです。 この考え方は、ユネスコがまとめた国際セクシュアリティ教育ガイダンスでも示されています。 (※SEXOLOGYさんのサイトでわかりやすく紹介されています!) このガイダンスでも、性教育は年齢や発達に応じて段階的に学ぶことが重要とされています。 基本の性教育の考え方 性教育を行うときは、次の3つを意識するとぐっと楽になります。 ①年齢に合わせる 子どもの発達段階によって、理解できる内容は大きく異なります。 たとえば、幼児期であれば「体の名前」や「大切な場所」の話、小学生以降になると「体の変化」や「人との距離感」など、その時期に合った内容を選ぶことが大切です。 ②聞かれたら答える 子どもからの質問は、性教育の絶好のタイミングです。 「赤ちゃんはどうやってできるの?」などと聞かれたときは、その年齢に合った範囲で、シンプルに答えれば十分です。 (※参考:おとなセイシル「子どもにセックスって何?」と聞かれたら) 無理に話を広げる必要はありません。子どもの“知りたい”に合わせて答えることがポイントです。 ③一度で全部話さない 性教育は「一回で終わるもの」ではなく、何度も重ねていくものです。 一度にすべてを説明しようとすると、子どもも理解しきれず、親も負担に感じてしまいます。 日常の中で少しずつ話題にすることで、自然と理解が深まっていきます。 性教育のNG対応例 一方で、ついやってしまいがちな対応もあります。 ごまかす 質問をはぐらかしたり、嘘でごまかしたりすると、子どもは「聞いてはいけないことなんだ」と感じてしまうことがあります。 恥ずかしがる 親が強く恥ずかしがっていると、子どもも同じように「性=恥ずかしいもの」と受け取ってしまうかもしれません。 怒る 性に関する質問や行動に対して叱ってしまうと、子どもは次から話しにくくなってしまいます。 性の話は、特別なものではなく、体や心の成長の一部として自然に扱うことが大切です。 完璧に答えようとしなくても大丈夫。「一緒に考えていこう」という姿勢が、子どもに安心感を与えます。 【年齢別】性教育の伝え方(一覧) 性教育は、その時期に合った内容を少しずつ伝えていくことが大切です。年齢ごとのポイントを一覧でまとめました。 年齢 伝える内容例 ポイント 0~5歳 ・体の名前(正しい呼び方)・プライベートゾーン・イヤと言う練習 自分の体は大切にされるものと伝える。イヤなことは断っていい経験を積む。 小学生 ・赤ちゃんの誕生のしくみ・体の変化(思春期の準備)・人との距離感(バウンダリー) 「知らない不安」より「知る安心」を大切にする。体の変化を前向きに伝え、からかいや誤情報を防ぐ。 中学生 ・性的同意・避妊・性感染症・デートDV 「好き」と「同意」は別であることを理解する。正しい知識で自分と相手を守る視点を持つ。 高校生 ・性行動のリスク・自己決定・パートナーとの関係性 周囲に流されず、自分で考えて選ぶ力を育てる。対等で安心できる関係とは何かを考える。 上記の内容は、国際セクシュアリティ教育ガイダンスの考え方を参考に整理したものです。 ただし、性教育に明確な正解はなく、あくまで一例です。子どもの様子や関心に合わせて柔軟に調整していくことが大切です。 まとめ: 性教育に迷ったときに大切にしたいこと 性教育について考えるとき、「どこまで詳しく話すべき?」「嫌がられたらどうしよう」「学校に任せればいいのでは?」と、さまざまな迷いが出てくるものです。 しかし大切なのは、正解を探すことよりも、子どもと向き合い続けることです。 性教育に「早すぎる」はなく、日常の中で少しずつ積み重ねていくことで、子どもは自然に理解を深めていきます。 また、一度にすべてを伝える必要はありません。年齢やタイミングに合わせて、必要な分だけ伝えていけば十分です。...

【性教育実践インタビュー②】現場の声から考える性教育 星野貴泰さんに聞きました!

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【性教育実践インタビュー②】現場の声から考える性教育 星野貴泰さんに聞きました!

性教育をより良くしたい──。そんな思いで現場に立ち続けている方たちの取り組みを紹介する、【性教育実践インタビュー】シリーズ。第2回となる今回は、手術看護師で性教育歴16年の星野貴泰さんにお話を伺いました。ご自身が性教育に興味を持ったきっかけ、授業後の生徒へのアフターフォロー、外部講師として授業先の先生とのやりとりの工夫、そして星野さんが立ち上げた性教育コミュニティ「kokoro color」の活動まで、たっぷり語っていただきます。インタビュアーは、セイシルを運営する福田です。現場のリアルな声と実践方法を参考に、ぜひ一緒に性教育を考えていきましょう。   性教育に興味を持ったきっかけは遠見先生 福田:まず、性教育に興味を持たれたきっかけと経歴から教えてください。 星野:私は群馬県のすごく田舎の出身で、最寄りの電車の駅がなくてバスが1時間に1本あるかないか、みたいな地域です。2007年、高校3年生のときに、その田舎の高校へ当時医学生だった「えんみちゃん」が性教育の講演会に来てくれたんです。 福田:なんと遠見才希子先生(現 産婦人科医)が星野さんの高校に! 星野:そうです。当時、私は保健委員長をやっていて、もともとHIV/AIDSへの興味関心はあったんです。でも、性教育が予防に不可欠だという思いはあるけれど、学ぶ機会がなくて。そんな中でえんみちゃんの講演を聞いて、「今まで聞いた性教育と全く違う」と衝撃を受けました。そこから「自分もこういう活動をやりたい」と思ったのが一番のきっかけです。 福田:それで進路も変わったんですか? 星野:はい。もともとは高校卒業後、農家になる予定だったんです。でもそれをやめて看護師の大学に進学しました。「大学に行ったら性教育の活動をやろう」って決めて。 福田:すごい転機ですね! 〈当時、医学生の遠見先生と高校生の星野さん〉 星野:当時の群馬県には、エイズ予防講演会推進事業という事業があって、医師が来ることが多かったんです。スーツにネクタイで、いわゆる“禁止教育”的な内容が多かった。でもえんみちゃんの講演はそれと真逆で、それが私が「やりたい」と思う決定打でした。 福田:その予算の中で医学生の遠見先生も呼ばれたんですか? 星野:後から予算の中だと聞きました。当時、養護教諭の先生が思春期学会でえんみちゃんの活動を知って、「呼んでみよう」と思って呼んだそうです。えんみちゃんが群馬県に来るのは初めてでした。 福田:そこで星野さんが、たまたま講演を聞いていた。 星野:そうなんです。あとそのとき「水の交換ゲーム※」をやるってなって、最初の1人に私がなったんですよ。えんみちゃんとコミュニケーションを取りながら参加して、講演後に少し話して。翌年、大学に進学してからAIDS文化フォーラム(横浜)でえんみちゃんに「看護師になるために大学に進学しました。性教育をやるために来ました」と伝えたら、「頑張ってね」って言ってくれて。以降も仲良くしてくれています。 福田:すごい・・・!それがきっかけだったんですね。 星野:そして2010年、大学3年生のときに初めて性教育の講演に呼んでもらえるようになりました。最初は「大学卒業したら辞めるんだろうな」と思っていたけど、ありがたいことに依頼が続いて、今も続けています。気づけば講演歴16年目になりました。 ※水の交換ゲーム・・・性感染症の広がり方を体験的に学ぶワーク。参加者がコップの透明の水を数人と交換し、それを性的接触に見立てる。その後、薬品を入れて色の変化を見ることで、最初は少数でも接触を通じて感染が広がることを理解する参加型の活動。 “聞いて終わり”ではない、性教育が広がった瞬間 星野:しかもありがたいことに、私の講演を聞いて「性教育をやりたい」と言ってくれる子も実際にいて。私が高校へ講演に行ったときに生徒だった子が、のちに私の大学の後輩になって、性教育の講演をするようになったこともあります。 福田:そのバトンがまた繋がっていくなんて! 星野:あとは性教育コミュニティ「kokoro color(後ほど紹介)」に入ってくれた人が、自己紹介で「高校生のときに星野さんの講演を聞きました。一般企業に勤めていますが勉強したくて入りました」って書いてくれたり。自分の言葉が届いているのか不安なこともあったけど、受け取って動いてくれる人がいるのは嬉しいですね。 〈性教育講演の様子〉 福田:そういう“後から返ってくる反応”は大きいですね。 星野:そうなんです。アンケートで「満足」と書かれても、その後の人生でどう活きたかは分からない。性教育って効果指標が見えにくいからこそ、「活動するようになった」とか「学び続けてくれている」っていうのは、自分の授業の効果のひとつの指標になるなと思っています。 忙しい日々の中でも続く、性教育への情熱 福田:今は看護師をされながら性教育を、ということですよね。 星野:はい。手術室看護師として働いて13年くらいです。でも性教育の講演歴は16年なので、看護師歴より長いですね。 〈手術看護師として学会に参加する星野さん〉 福田:忙しい中、どうやって時間を捻出しているんですか? 星野:以前は年1〜2回の講演だったので割と余裕を持って講演をしていましたが、今はありがたいことに増えてきて、月1回の年休をとって「午前1件・午後1件・定時後1件」みたいに詰め込んだりしていました。 福田:なんて多忙なんでしょう…! 星野:世の中には性教育を仕事でやっている人もいて、年間何百回と講演をしている人と比べたらずっと少ないんですけどね。それでも資料作りは、仕事の合間や帰宅後に少しずつ少しずつやっています。最近は執筆依頼や論文の査読依頼も来るので、昼休みにメール返したり、帰宅後にご飯を作って、子どもとお風呂入って、寝かしつけは家族が担当してくれるので、その後に続きを作ったり。 〈性教育と同じく夕飯作りにも奮闘していることがわかるInstagramの投稿〉 Instagramまでが授業の一貫 福田:Instagramもよく更新されていますよね。 星野:講演が決まったら講演の参加者に事前質問をアンケートで集めます。講演内でも答えるけど、時間が足りないので、「インスタ見たら詳しく載ってるよ」と案内してます。だから講演前に更新が増えますね。 〈講演質問のInstagramの投稿例〉 福田:なるほど、Instagramで子どもたちの質問に答えているわけですね。 自分の質問が投稿で取り上げられると、生徒も嬉しいですよね。 星野:そうですね、「自分の質問を答えてもらえてうれしかった」という感想があります。生徒数が多くない学校も多くて、質問数もそこまで多くないので、いただいた質問は全部回答するようにしています。10個来たら10個全部。 安心して聞ける性教育の授業づくり:前提に話すべきこととは? 福田:他に工夫されている点はありますか? 星野:最初に必ず言うのは、「今日の話を聞きたくない人がいるかもしれないけど、無理して聞かなくてもいい」ということです。“絶対に聞かせる”スタンスじゃない、と最初に示します。苦手な人を否定せず、安心していられる空間を作ることが大事だと思っています。それから前提として、まずバウンダリー(境界線)とプライベートゾーン/プライベートパーツの話。その後、どの授業でも必ずセクシュアリティの話をします。 福田:必ず入れているんですね。 〈授業の初めにセクシュアリティの話をしている様子〉 星野:異性愛前提の話だけにならないように、「セクシュアリティはみんなに関係ある話」として伝えています。事前質問でもセクシュアリティに関する質問が昔より増えていて、「自分はゲイなんだけど」「ジェンダーフルイドだと思う」などが来ます。書くほどではないけどモヤモヤしている人も、最初にその話を聞くことで「自分が抱えてたモヤモヤはこれなんだ」と気づくきっかけになることがあるので、この順番にしています。 リアルな経験が子どもたちの心を動かす 福田:先生方や生徒からの反応で、特に評価される点は? 星野:よく言われるのは「身近な経験談があるから自分ごととして捉えられていたのが分かった」です。病院の話をそのまましても自分ごとにならない子もいるので、子どもたちの年齢に近いケースを話します。例えば、お腹が痛いと救急搬送された17歳の女の子が、検査したら妊娠36週だった、みたいな話をすると一気に引き込まれることがある。あとは講演後に養護教諭の先生から「実は先週、今日講演を聞いた生徒の中で中絶をした子がいた」と言われたこともあります。14歳の女の子で、相手も14歳。妊娠に気づいたのは母親だった、など。 〈星野さんの話を興味津々に聞く学生たちの様子〉 福田:現場のリアルですね…。 星野:そして「難しい話をするのかと思ったけど、分かりやすかった」とも言われます。それは手術室看護師として、看護学生に教える中で「難しい言葉を使わず噛み砕く」訓練をずっとしてきたからだと思っています。 保護者にも届く、家庭でのヒントになる性教育 福田:保護者向け(PTAなど)の講演もありますか? 星野:あります。去年、中2の講演が授業参観日にあって、生徒向けの後に保護者向けもやりました。保護者向けは15分で、性教育の本の紹介や、保護者の事前質問に答える内容でした。 〈保護者向けの講演会の様子〉 福田:反応はどうでしたか? 星野:保護者は全員ではないけど、20人くらい来てくれました。生徒60人に対して20人。「性の話を子どもとどう話せばいいか分からなかったけど、淡々と話せばいいと分かった」とか、「姉と妹で女の子に挟まれた長男がいて、女の子っぽいから“男らしくなりなさい”と言ってしまった。反省した」という声もありました。性教育の話だけのつもりでも、子育ての接し方のヒントとして受け取ってくれる方もいて、良かったです。 講演会までの準備の工夫 福田:学校の先生とのやり取りはどのようにされていますか? 星野:基本はホームページの依頼フォームから連絡が来て、メールで調整します。本当は電話がいいけど、仕事中電話できる時間が少なくて…。やり取りが増えるのが大変なので、まとめたファイルを作ってあります。 講演の演題(複数候補から選択) 交通費の計算方法 当日準備してほしいもの 講師紹介文の参考などを一括で案内。 年度が始まったタイミングでそれを送って、日付・人数などを入力してもらうGoogleフォームも一緒に送ります。「この1通で準備が分かる」ようにして、なるべく少ないメールで済むようにしてます。 性教育の時間をどう確保するか:学校への伝え方 福田:授業時間について、こちらからどうお話しされてますか? 45分とか50分とか言われることも多いですよね。集合に10分かかって、実質30分しかない、みたいな。 星野:ありますね。今は「この順番でこの内容を話すので最低1時間は必要です」と理由付けしてお願いしています。先生から「この話をしてほしい」と要望を聞いた上で、「それなら最低この時間は必要」と伝えると、学校側も確保に動いてくれることがあります。 福田:限られた時間の中でテーマもあり、質問にも答えるとなると、時間配分はどうしていますか? 星野:基本は50分〜1時間、できれば70分をお願いして、細かいタイムマネジメントを毎回ガチガチにするというより、頭の中で「今の残り時間でどこまでいけるか」を考えながら進めています。ただ「水の交換ゲーム」を入れると、相手次第で読めなくて配分をミスるときもあります。 〈性教育講演での様子〉 福田:なるほど。 星野:あと、始まりの“儀式”みたいなの(挨拶や紹介など)を長く取るより、話す時間を確保したいので、校長先生の挨拶や紹介は短くしてもらうようお願いすることもあります。講師紹介は「看護師・星野」で十分です、と。 性教育講演依頼の狙い目は春!? 福田:呼ばれるのは授業というより行事の中が多いですか? 星野:行事の中が多いですね。主催も保健部・生徒指導部・学年などいろいろで、Googleフォームで聞いています。 福田:時期の傾向はありますか? 星野:群馬県は12月近辺が多いです。昔の「エイズ予防講演会推進事業」の名残だと思います。世界エイズデー(12/1)もあって、秋〜12月が多い。 〈性教育イベントで出展参加する星野さん〉 福田:春(3〜5月)は少ないですか? 星野:少ないです。式典もあるし、養護教諭は健康診断で忙しくて動けない時期なので。 福田:学校以外(外部団体、自治体、男女共同参画センターなど)の方は、3〜5月は逆に狙い目かもしれないですね! 性教育コミュニティkokorocolorの活動について 福田:性教育コミュニティkokoro colorについて、どんな活動をされているか簡単に教えてください。 星野:2020年、コロナで性教育のイベントや研修が軒並み中止になったときに、「みんなで集まって性教育の話がしたい」と思ってオンラインイベントを開催したのが始まりです。参加者から「性教育を勉強したくても場所がない。居場所がない」と声をもらって、誰でも参加できる性教育の居場所を作ろうと思いました。今はLINEのオープンチャットを中心に、月2回くらいZoomで勉強会をしたり、LINEのライブトークで交流したりしています。最近のテーマだと、緊急避妊薬が薬局で販売されるようになったことについて、SNSでの反応共有や、学校でどう伝えるか(生徒にどう返すか)をみんなで考えたり、研究データをもとに議論したりしています。参加者は、性教育をバリバリやっている人もいれば、勉強したいけど何をしたらいいか分からない人もいて、フラットに話し合える場になっています。   講演のその先へ:Instagramと書籍化の目標 福田:今後の目標や野望があれば、教えてください! 星野:いつかやめるんだろうと思いながら続けてきたけど、やめずにここまで来ました。子どもが生まれてからは、性の話を“特別にする”んじゃなくて、日常の中で当たり前に扱えるように意識して子どもに接しています。それも学ぶ機会があったからだなと思っていて、自分の子どもが性で困らないように、子どものために勉強していきたいです。野望としては、ずっと「次は書籍化だよね」と言われてきて、まだ話はないけど、Instagramをこんなに頑張ってるなら書籍化できたらいいなと。出版社から「やりませんか」と言われたら「やります!」って言えるように、日々投稿を良くしていこうと思っています。目標はフォロワー1000人、そして書籍化。以前、看護師としての仕事とのバランスについて悩んだ時期もありましたが、慎重さを持ちながら活動を続けています。 福田:インスタ投稿、私も見てて楽しいです。応援しています! 〈定期的に丁寧な投稿をされているので、ぜひ星野さんのInstagramをご覧ください。〉 星野:ありがとうございます。インスタを頑張ってる理由は、講演を聞いた生徒が「もっと知りたい」と思ったときにアクセスできるツールにしたいからです。あと、どの学校でも、その学校に合わせた資料を用意してます。裏面にQRコードをたくさん貼って、「今日のみんなのために選んだ信頼できる情報サイト」へ飛べるようにして、正しいかどうか曖昧な、不適切な情報に行かないようにしています。そのリンク先の一つとしてInstagramも入れてます。 福田:最後に、性教育事業を頑張ろうと思っている人へのメッセージがあればお願いします。...

性教育の出前授業・講演・講座とは?外部講師に依頼するメリットや依頼する際のポイントを解説

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性教育の出前授業・講演・講座とは?外部講師に依頼するメリットや依頼する際のポイントを解説

学校や地域、企業で「性教育を伝えたい」と思っても、「どこまで扱ってよいのかわからない」「専門的な知識や準備の時間が足りない」と悩む現場は少なくありません。 そうした課題をサポートする方法としてあるのが性教育の出前授業・講演・講座(出張授業)です! このコラムでは、性教育の出前授業・講演・講座とは何か、外部講師に依頼するメリット、実際の内容やテーマ、依頼する際の確認ポイントについてわかりやすく解説します⭐️実際に依頼できる「全国版 性教育講師リスト」も最後に紹介しているので、見てみてくださいね! 性教育の出前授業・出張授業とは? 性教育の出前授業(出張授業)とは、性教育を専門とする講師が学校や地域、企業などに出向き、授業や講演を行う取り組みです。 以下のような形で実施されています。 小学校・中学校・高校での性教育出前授業 PTA・保護者向けの性教育講演 教職員向けの研修講座 自治体や企業での性教育講座 対面・オンラインの両方に対応できるケースも多く、学校現場の状況や対象者に合わせて柔軟に実施できる点が特徴です。 性教育講演・講座との違いは? 性教育の出前授業・講演・講座は、対象や目的によって使い分けられることが多いです。 出前授業・出張授業学校向けが中心。学年や発達段階に応じた内容で、参加型・対話型の授業が多い。 講演保護者、教職員、一般向けに行われることが多く、理解促進や啓発が目的。 講座連続型・研修型で、性教育を体系的に学ぶ形式。教員研修や専門職向けに実施されることも。 いずれも「性教育」という共通テーマを持ちながら、目的と対象によって設計が異なる点がポイントですが、特に分けることなく、使われることもあります。 性教育に外部講師が求められている理由 性教育の現場では、次のような背景があります。 学習指導要領の枠組みの中で扱える内容に限界がある SNSやインターネットによる誤った情報への不安 教員一人ひとりにかかる負担の増加 生徒・保護者からの性教育ニーズの高まり こうした中で、専門知識を持つ外部の性教育講師が関わることで、現場の負担を減らしながら、より実態に即した性教育を届けることが可能になります。 性教育の講師に依頼するメリット 性教育を外部講師に依頼することには、以下のようなメリットがあります。 専門的で正確な知識を伝えられる 最新の社会状況や子どもたちの実態を反映できる 第三者だからこそ話しやすいテーマがある 生徒・参加者の関心や理解が高まりやすい 教員や保護者の心理的負担を軽減できる 特に、デリケートなテーマほど「いつもの先生」ではなく外部講師の存在が効果的なケースも多くあります。 性教育の出前授業・講演で扱われる主なテーマ 性教育の出前授業や講演では、以下のようなテーマが扱われます。 思春期の体と心の変化 同意(同意の考え方・境界線) デートDV・性暴力予防 ジェンダーと多様な性 SNS・ネットリテラシー プレコンセプションケア(将来の健康を考える視点) 年齢や立場に応じて内容や表現を調整し、「今、その子どもたちに必要な性教育」を届けることが重視されます。 性教育出前授業・講演を依頼する際のポイント 依頼する際は、以下の点を確認すると安心です。 年齢や目的、地域性やその学校に合った内容か 当日の内容を事前に確認できるか ➡︎校内や企画関係者内で共有しておきましょう 講師の専門性や実績(教育現場での経験) 事前の打ち合わせや相談が可能か ➡︎メールだけでなく、可能な限り対面で行いましょう 講演料(謝礼)や交通費の目安、支払い方法について事前に確認できるか➡︎事務や経理担当と確認しましょう 単発で終わらず、その後の学びにつながる設計ができるかも重要なポイントです。 性教育講師をお探しの方へ withセイシルでは、現在「全国版 性教育講師リスト」を公開しています! 随時、講師の先生を追加していきますので、お楽しみに。 ぜひご検討ください!

【どこでも性教育シリーズ③】英語の授業で性教育をどう行う?

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【どこでも性教育シリーズ③】英語の授業で性教育をどう行う?

どこでも性教育シリーズ第3弾!いつでもどこでも性教育がしたいというみなさんにお応えして、これから保健の授業だけでない性教育のタイミングや内容を紹介していきます! 今回は「英語」です。 英語は単なるコミュニケーションの手段ではなく、文化や価値観を学ぶ入り口でもあります。 英語の授業で性教育を扱うと、生徒は「性に関する言葉」を学ぶと同時に、世界の多様な考え方に触れることができます。 もちろん学校の授業の中だけでなく、ぜひご家庭でも参考にしてくださいね。   性教育に関する英単語を学ぶ 性や人権に関わる英語表現を知ることは、国際的な場で自分や他者を守る力になります。 consent(同意) safe sex(安全な性行為) reproductive health(生殖に関する健康) LGBTQ+(性的少数者) harassment(ハラスメント) 授業の工夫: 簡単な例文で「Yes means yes, No means no.」を扱い、性的同意をシンプルな英語で理解させる。 海外ではどのように単語を使用しているのか調べたり、性に関する英単語の意味を深掘りしたりして考える。 有名な「性的同意と紅茶」の動画を日本語訳ではなく、英語の音声で聞く   異文化理解と性教育 英語教材には「family」「adolescence(思春期)」「life events」といったテーマがよく登場します。 そこに各国の性教育事情を盛り込むと、生徒は「文化比較」を通して性教育の意義を学べます。 授業の工夫: 「日本と欧米の性教育の違い」を調べ、英語でプレゼン。 性に関するイベントなど、海外のポスターやキャンペーンを教材にし、「どんなメッセージか」を英語で読み解く。   コミュニケーションスキルとしての性教育 性教育は「伝える力・聞く力」と直結します。 英語の会話練習に「断る表現」「相手を尊重する表現」を取り入れると、コミュニケーションスキルと性教育を同時に学べます。 相手の気持ちを聞く英語は、「YESをもらうため」ではなくて「相手が選べるようにする言葉」だと伝わると良いでしょう。 授業の工夫: ロールプレイで「誘いを断る表現」を英語で練習する。例: I don’t feel comfortable.I’d rather not.(ちょっと嫌だな。できればやめときたい。)    Not really.(うーん、あんまり。)    No.Stop.(いや、やめて。) ロールプレイで「相手の気持ちを確認する表現」を英語で練習する。例:Is it OK if I sit next to you?(隣に座ってもいい?)  You don’t have to if you don’t want to.(嫌ならしなくていいよ。) 国際的なニュースや文章を題材に 性教育やジェンダーに関する国際ニュース記事を教材にすると、リーディング力と社会的理解が深まります。 授業の工夫: UN(国連)の “International Day of Women” のスピーチを教材にし、リスニングの練習。 性に関する海外の記事を読んで、「自分の意見」を書くor英語で書く。   英語から性の「言葉」と「文化」を学ぶ授業へ 英語の授業は、性教育を「国際的な言葉と文化の学び」として展開できる場です。 単語学習で「性を語る言葉」を知る 異文化比較で「日本と世界の違い」を理解する ロールプレイで「同意や拒否を伝える力」を育てる こうした工夫を取り入れることで、生徒は英語を学びながら、性についても前向きに考えられるようになるでしょう。   おまけ:オススメの海外の性教育動画 アメリカの性教育NGOが製作している性教育動画「AMAZE」は、無料公開されています。 NPO法人ピルコンでは、日本語訳した「AMAZE」の動画やワークシートを公開しています。 字幕ありでもなしでも英語の勉強をしながら、性のことが学べますよ。 参考:https://pilcon.org/activities/amaze