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【イベント報告】10代向け性教育メディア「セイシル」5周年イベント

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【イベント報告】10代向け性教育メディア「セイシル」5周年イベント

10代向け性教育メディア「セイシル」が2024年12月に5周年を迎えることを記念し、「ライフステージに寄り添う性教育のあり方」と題したイベントを実施。(2024年11月28日)   イベントでは、モデル・クリエイターの鈴木えみさん、一般社団法人「“人間と性”教育研究協議会」代表幹事で、元高校教諭の水野哲夫先生をお迎えし、「ライフステージに寄り添う性教育のあり方」をテーマに2部制に分けてトークセッションを行いました。全編はおとなセイシルで詳しく紹介していますのでぜひご覧ください。   第1部:鈴木えみさんと語る「性教育の輪を広げよう」 第2部:水野先生×セイシル「ライフステージごとの性教育のあり方」 withセイシルでは、性教育従事者の方に向けて、特に参考になる第2部の水野哲夫先生とセイシルを担当する福田(元 保健体育教員)のトークセッションの様子をご紹介します。      セイシルの5年間の歴史を紹介する展示品 会場入り口には、セイシルの5年間の歴史を紹介する展示品をはじめ、性教育の年表、withセイシルでも紹介しているセイシル本やデートDVチェッカー、コンドームモデル(アームサイズ)なども展示しました。 性教育の年表は、今後withセイシルでも提供予定ですので、どうぞお楽しみに!   水野先生が性教育に関わるようになったきっかけは「反省」から 福田:性教育界隈では、水野先生を知らない方はいないんじゃないかと思うほど、多くの性教育従事者が先生を参考にしていると思います。まずは、水野先生の性教育活動について、どのような想いでこれまで続けてこられたのでしょうか?   水野先生:1996年に、大東学園高校で1年生の総合科目として「性と生」の授業が始まりました。私は翌年1997年にそのチームに加わり2013年に定年退職するまで関わってきました。高校で年間20時間以上性教育がある学校は非常に珍しく、東京都内では私立で3つだけです。(大東学園高校、正則高校、吉祥寺女子中学高校)私が性教育に関わることになった当初、当時は性に関して無知な駆け出し教員でしたので、高校生の性行動を「問題行動」としてしか捉えていなかったんです。上から言われるままに、例えば、生徒の財布にコンドーム入っていたら「不順異性交遊だから保護者を呼び出して注意する」ということをしていました。それが生徒に対して良い事だと思ってしていました。しかし、卒業生から「先生の性教育は、私たち生徒を苦しめていた。間違っていると思います。」と言われてようやく気が付き、反省しました。その反省を胸に、これまで性教育を続けてきました。 福田:性教育活動のきっかけは反省からだったんですね。性教育界隈では水野先生のことを知らない方はいないんじゃないかというほど、水野先生の意思に共感している性教育従事者は多いかと思います。今日は短い時間ですが、たくさんお話を聞いていきたいと思います!   <登壇者プロフィール>   写真右:水野 哲夫(みずの・てつお) 一般社団法人「“人間と性”教育研究協議会」代表幹事。 元高校教諭であり、私立・大東学園の包括的性教育の授業「性と生」を長きにわたり先導。   写真左:福田 眞央(ふくだ・まお) 保健体育科教員として勤めた後に大学院に入り、ジェンダー学・性教育を専攻。2021年からTENGAヘルスケアに携わり、10代向け性教育WEBメディア「セイシル」を担当。   10代の性に関する悩みカテゴリー1位はマスターベーション セイシルのモヤモヤ投稿フォーム   福田:セイシルでは、「モヤモヤ相談室」という性の悩みや疑問(モヤモヤ)を募集するフォームを設置しています。昨年モヤモヤ相談に投稿された10代からの約3000件の1データがこちらです。    福田:10代からは、圧倒的にマスターベーションに関する投稿が多いことがわかりました。このデータをご覧になって、水野先生はどう思われましたか?   水野先生:子どもたちにとって、マスターベーションは誰からも教わりづらいものということですよね。 実際、マスターベーションについて教えている学校はほとんどないですから。よく頑張って教えている学校でも、「自慰・マスターベーションは有害ではないよ」といった程度の内容ですので。 私はこのグラフだけではなく、すべての投稿(文章)を拝見しまして、女性からの「マスターベーションで性的な快感を得られない」という相談がすごく多いなと思いました。そして、何を基準に快感が得られないと言っているのかというと、それはAVですね。 AVのような激しい快感表現を見て「そこまで感じられない自分はおかしいのでは…」と思ってしまう。AVの刷り込みが基本になり、実際の自分の状況とのギャップで悩んでしまう。 今後、今よりも性教育が浸透してきても、学校では教えられない部分は残ると思います。その受け皿として、セイシルの存在は大きいと思います。   福田:私も前職が保健体育科教員ですが、学校で教えていいのか、ためらってしまうトピックはありました。   大人が「そんなことない」と思うことでも子どもには真剣な悩み 水野先生:男子中高生にすごく行き渡っているテクノブレイクって聞いたことありますか? マスターベーションしすぎると死ぬという伝説なんですけど、「嘘に決まっているだろ」と授業で言ったら、青い顔でスマホを持ってきて「先生!これがテクノブレイクで死んだ人間の画像です…!」って。(画像に映っているのは人間ではなく)人形なんですけど。 私が説明するまで不安に思いながら噂を信じていた子もいました。   福田:私たち大人が「そんなことあるわけないだろ」と思っていても、子どもたちは真剣に悩んでいたりしますよね。そういったところにまだまだ知識を届けなくてはならないなと思っています。    15歳頃を起点に他者を含めた性の悩みが増加   福田:年齢が上がるにつれ、自分自身の悩み(マスターベーションやからだのこと)から、他者ありきの悩み(セックス、避妊・妊娠など)の割合が増えていっています。こちらをご覧になって水野先生はどう思われますか?   水野先生:10代の前半くらいは、「自分の体がどうなっているんだろう」「自分は変じゃないか」といったことで悩みがちですが、15歳くらいから急カーブ。要するに人間関係の悩みということですよね。 性の問題は自分の心と体のこともありますが、人間関係が基盤にあります。10代半ばになると精神面が成熟してきて、人間関係に基づく悩みが増えてきたということだと思いました。   福田:生理などの「自分の体に関する疑問」は調べて自分の中で解決すれば終わりですが、セックスなど人間関係が絡むと自分だけでは解決できませんもんね。そういったところに意識が向き始めるということですね。 また、「TENGAだから投稿される内容にマスターベーションが多いのか」と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、もちろんその側面はあると思います。一方で、悩みを見ているとマスターベーションについて、同じ目線に立って真正面から向き合ってくれる場所というのがこれまでなかったのかなとも取れます。   水野先生:中学校・高校で呼ばれて外部講師として授業をして、その際に無記名で質問を募ると、マスターベーションの悩みが寄せられます。   福田:受け止めてくれるだろう場所に子どもたちは悩みを打ち明けるということですね。   投稿年齢は義務教育前後で変化「はどめ規定」の影響? 福田:続いて、全体的に見た相談室にモヤモヤを投稿した「年齢層」についてですが、セイシルでは12〜13才の中学1年生が多いことがわかりました。中学生に上がるこの時期から性の悩みや疑問を抱えやすいのかなと私は思ったのですが、このデータをご覧になって、水野先生はどう思われましたか?  水野先生:心と体が大きく変化する思春期に入ってきている中学生に上がる時期から悩みが増えてきやすいですね。 そうすると、(16歳以降も)増えていっても良いように思いますが減っています。これは、義務教育とそれ以降でわけて考えると納得がいくのかなと。 義務教育段階では、性に関する指導を行った場合でも「妊娠に至る経過は扱わないこととする」といういわゆるはどめ規定があります。   はどめ規定とは… 文部科学省が定める、小学校・中学校で扱う指導内容を制限する規定のこと。 (例)小学校の理科:人の受精に至る過程は取り扱わないものとする 中学校の保健体育科:妊娠の経過は取り扱わないものとする     はどめ規定は現場判断で「ないもの」にできる 水野先生:現場の先生方では「義務教育でははどめ規定があるからセックスのことを教えちゃダメなんだよね」という認識が強いと思います。 悩みの投稿件数が16歳以降で減る理由は、下記ではないでしょうか。 はどめ規定がなくなる高校生以降は保健体育で性交等を学習する 友だち同士での情報交換の機会が増える ネット情報にもこれまで以上にアクセスしやすくなる ただ、性交そのものを教えることは高校でもまだまだ少ないでしょうね。 とはいえ、高校生になれば性交同意年齢(16歳)を超えた生徒たちがいて、性的な行動も活発化しますので、「性交について何とかして適切に対処(指導)しなくては」と考える先生の割合が増える点も違いとしてあるのではと思います。 保健体育の学習指導要領では、「コンドームは性感染症予防に有効であることを教えましょう」となっています。でも、性交は教えられない…。手品…?   福田:手品ですね。感染経路を教えられないわけですから。   水野先生:ただ、実は文部科学省ははどめ規定について、「教えちゃいけないということではなく、学校長次第で(現場の裁量で)個別の質問に答えるのはOKですよ」としています。ただしこのことはあまり知られていなくて、現場では「セックスについては教えてはいけない」と考えている先生が圧倒的に多いでしょう。学校長が現場に対して「必要だからやってください」と言えば、はどめ規定の制約は解除できるということは知ってほしいですね。   性教育は義務教育段階から必須の教養 水野先生:第1部で鈴木えみさんもおっしゃっていましたが、国際セクシュアリティ教育ガイダンスでは、「性教育は5歳から始めましょう」とカリキュラムが組まれていますが、ヨーロッパにおけるセクシュアリティ教育ガイダンスは0歳からがスタンダードです。0歳からというと、非常に狭く特殊に捉えて「0歳からセックスを教えるのか?」と思う人がいるかもしれませんがそうではないです。性というのは、体と心全てですから、体を大事にする、清潔にする、丁寧に扱う、自分の体に他人が触れることに対して抑制的にする、逆に他者のことも尊重するという部分が性教育の始まりなので、早くから始めていくのが良いと思います。性交について教えるのは、10歳くらいが良いのだろうと考えていますが、「自分の身体は自分だけがコントロールできるものである」という体の権利のことは5歳からやっていけば良いと思います。読み書きそろばん情報操作、歴史認識、社会の仕組みと並んで人間の絶対必要な教養だろうと私は思います。 福田:本当にそう思います。交通安全教室、情報モラル、たばこや薬物などの防止教育はあるのに、性教育は必須にはなっていなくて、もっともっとやっていくべきだなと思いました。   「悩みを抱えたまま成長した大人たち」が今、どうなっているか 福田:悩みを抱えたまま、解決せずにいる大人は少なくありません。ここまで子どもたちの話をしてきましたが、大人はどうかというと、自分自身振り返っても性教育らしいものは受けた記憶がなく、大人になってからもその機会はありませんでした。そのあたり、水野先生はどう思われますか。  ...

\命育✖️セイシル/5周年ありがとう✨キャンペーン

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\命育✖️セイシル/5周年ありがとう✨キャンペーン

10代向けの性教育WEBメディア「セイシル」と、家庭ではじめる性教育サイト「命育」が5周年を迎えました!👏🏻同じ性教育情報を発信するメディアとして、合計50名様に当たる「セイシル×命育5周年記念 コラボプレゼントキャンペーン」を開催します🙌🏻✨ キャンペーン期間:2024/12/20(金)〜2025/1/31(金)   プレゼント🎁内容 ●セイシルでは、「命育セット」他をプレゼント(合計25名様)●命育では、「セイシルセット」他をプレゼント(合計25名様) 詳細は各応募ページをご覧ください🎵   ~命育セット応募の場合~ ①セイシルのInstagramのハイライト「プレゼントキャンペーン」をタップ!②Googleフォームを記入で応募完了!https://docs.google.com/forms/d/1u8_v-GyJBWAlGhzjp0318vIC8j7SArmRlPoAqlmuAf8/viewform?edit_requested=true ~セイシルセット応募の場合~ ①命育のサイトのキャンペーンページをクリック!②「申し込みはコチラ」から応募フォームを記入!   セットはお一人でどちらも応募することが可能です✨(それぞれの申し込みが必要です)ぜひこの機会に、命育さんとのコラボキャンペーンにご応募ください!

【イベント報告】第14回AIDS文化フォーラムin京都

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【イベント報告】第14回AIDS文化フォーラムin京都

 先日、龍谷大学深草キャンパスで行われた「第14回AIDS文化フォーラムin京都」にて、セイシルスタッフが展示と口演をしてきました✨ イベントの詳細はこちら   AIDS文化フォーラムとは? 1994年に横浜で開催された「第10回国際エイズ会議」をきっかけに、全国各地でHIV/AIDSに取り組む団体・個人の発表・交流の場として、また、多くの市民、特に若者に向けた啓発の場です! HIV/AIDSをはじめとする性感染症については、セイシルで詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください♪   イベントでの展示の様子 展示では、withセイシルで提供している「デートDVチェッカー」や「セイシル紹介カード」、「TENGAオリジナルコンドーム」などの配布を行いました。 特にコンドームは大人気で、1日で200個の配布が終了しました。「オシャレなので持っていたい」とのお声をたくさんいただきました🌈   イベントでの口演の様子 口演では、セイシルが今までに取り組んできた活動や、WEBメディア制作の裏側をお話ししたり、性感染症予防の視点から、実際にコンドームを配布して一緒に開け方から適切な使用方法を学んでいただいたりしました。 また、若者から寄せられた性のモヤモヤ(疑問や悩み)の概要を紹介して、参加者の皆さんと一緒に解決方法を考えたりもしました。 口演後の事後アンケートでは、満足度10満点中9をいただき、「学校等で使えるコンテンツや資料、教材などの情報が得られた。」「性に対しての壁が無く、興味深い口演でした!とにかくコンドームのプレゼントが嬉しかったです。」とお声をいただきました✨   おまけ:秘忍者ジミーハットリくん登場 口演の最後に、ジミーハットリくんが遊びに来てくれました👏 ジミーハットリくんは、愛知県を中心に、HIVの感染拡大防止の為に【予防、治療、支援、理解】という4つの行動の啓発活動をしています。 秘忍具(避妊具)がモチーフのニンジャのようですね🥷   これからもwithセイシル会員の皆様と、直接お会いできることを楽しみにしています!

【イベント報告】北海道大学COI-NEXT主催のイベントに参加してきました!

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【イベント報告】北海道大学COI-NEXT主催のイベントに参加してきました!

11月3日、北海道札幌市にある商業施設・COCONO SUSUKINO(ココノ ススキノ)で、北海道大学COI-NEXT「こころとカラダのライフデザイン共創拠点」主催のイベント「They -もう少し先の自分へ-」に参加してきました‼️ このイベントは、「自分と相手、心と身体を大切にするには何が必要だろう?」をテーマに、若者が触れる機会の多い音楽とファッションを通じて、愛と性を考えていくイベントです。 北海道出身の3ピースバンド「KALMA」のギターボーカル・畑山悠月さんによるアコースティックライブや、TENGAカンパニーが運営する「TXA -TENGA by Artist-」のアパレル販売が実施されたほか、セイシルはパネル展示やトークセッション、そしてPodcast番組の公開収録を行いました。 パネル展示の様子 イベントはCOCONO SUSUKINO 3階の屋外広場前で行われました。 大きなモヤパンの看板が目印のパネル展示エリアでは、「ちゃんととれてる?性的同意」のページをそのまま抜粋したパネルを使用しています。 要点をしっかり押さえていて、読み応え十分👀 性的同意の重要性や、具体的に同意のとりかたの後に「デートDVチェッカー」の紹介をすることで、「そもそも自分は、パートナーと適切に同意がとれる間柄なんだろうか?」とスムーズに考えられる導線になっています(イベントではパネル展示の横でデートDVチェッカー、セイシルカードを配布していました)。 セイシルのページ上にある性的同意の練習問題に、4択の中からシールで回答してもらうパネルを設置することで、イベントに来た方の行動を促す参加型のコーナーになっています。学校や施設でも取り入れやすいアイデアですね✨ 隣のステージでライブを行った畑山悠月さんが、観客の皆さんに「一緒にパネル展示見てみよう!」と呼びかけてくださったおかげで、パネル展示エリアには終始人だかりができていました。 ダンスボーカルグループ「ambitious」の皆さんとトークセッション 午後のプログラムでは、北海道のダンスボーカルグループ「ambitious」のLISAさん・MAHOさん・MOMOさんとともに、TENGAカンパニー広報の西野が「性的同意」に関するトークセッションを行いました。 同じく北海道中心に活動されているミュージシャン・MCの田村次郎さんによる司会進行のもと、ambitiousの皆さんには性的同意の練習問題に回答してもらい、西野が性的同意のポイントについて解説していきます。 練習問題の内容について、ambitiousの皆さんは「そもそも部屋に上がったらOKという認識がおかしいよね」「言葉で確認することって大事」と、各々の考えをしっかり発信してくださいました。 こうした若い世代の方が、性的同意について臆せず発信してくれるというのは、同世代の方にとっても心強いことなのではと思います。 最後に「NOはNO!YESはYES!」という大事なキーワードを登壇者全員で復唱し、トークセッションも盛況のうちに終わりました⭐️ こちらのステージは飲食スペースと地続きになっていたため、ステージ前に座ってイベントに参加する方はもちろん、お昼ごはんを食べに来た方や通りすがりの方も、足を止めてトークセッションに耳を傾けてくれました。 性教育というテーマは、心理的安全性の保たれたクローズドな空間でしっかり議論することも大事ですし、こうしてオープンスペースで話をして、必ずしも性教育に関心が高くない方にも聞いてもらうのも必要なことだなぁと思った次第でした。 オープンスタジオでPodcastの公開収録 トークセッションの後は、COCONO SUSUKINO 1階にあるオープンラジオスタジオ「MID.α STUDIO」(ミッドアルファスタジオ)で、引き続き西野とMCの田村さんによるPodcast番組「セイシルから学ぶ!どうする子どもの性教育」の公開収録を実施。1回につき15分程度の番組を、4回分収録しました。 若い世代が自分のための性教育を学んだトークセッションとは異なり、この番組では子どもに対する性教育を、親目線から考える仕立てになっています。 各回それぞれ以下のようなお話をしました。 初回:性教育の現在 ユネスコが発表している「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」に基づくと、性交渉は小学校中~高学年から教えるべきテーマに入っている。しかし日本は「はどめ規定」の存在によって、幼い頃から性暴力については教えるのに、性交渉自体は高校生まで教えないというおかしな状況に。 ただ親御さんの性教育に対する意識は年々高まっていて、その影響を受けて性教育を分かりやすく学べる絵本や書籍の出版が爆発的に増えている。など 2回目:性的同意、ちゃんと知れてる? トークセッションの内容を、改めておさらいする内容。 特に「日本では、16歳未満の人への性行為は本人の同意の有無にかかわらず、性暴力になり得る」という点を説明。 3回目:避妊について 日本にはないけれど海外ではメジャーな避妊方法を紹介しつつ、日本で主流な避妊方法であるコンドームについて解説。「安全日というものは存在しない」という話をしっかり説明。 4回目:多様な性について セイシルの記事や昨今の事情を交えつつ、このテーマについてお子さんとお話する時どうするかについてディスカッション。 1児の父である田村さんからも、お子さんにジェンダーバイアスを与えないよう具体的に気をつけていることなど、家庭での性教育について参考になるお話をたくさん聞かせていただきました。 こちらのスタジオはCOCONO SUSUKINO出入り口の近く、エスカレーターのすぐ横にあり、収録中はひっきりなしに人が行き交っていました。隣はソファが置かれた休憩スペースになっています。 収録中の音声はスタジオ外にも聞こえるようになっているので、ambitiousの皆さんとのトークセッションよりも踏み込んだお話を、多くの人にお届けすることができました。「性的同意」「避妊」といったテーマをこれだけオープンな場所で語るのは、セイシルとして初めての試みとなりました。   Podcastのお知らせ Podcastは、以下のプラットフォームで配信されます。ぜひお聞きください❣️ 「セイシルから学ぶ!どうする子どもの性教育」 2024年11月16日(土)より、毎週土曜日23:00配信(全4回) ・Apple Podcasts https://podcasts.apple.com/us/podcast/%E3%82%BB%E3%82%A4%E3%82%B7%E3%83%AB%E3%81%8B%E3%82%89%E5%AD%A6%E3%81%B6-%E3%81%A9%E3%81%86%E3%81%99%E3%82%8B%E5%AD%90%E3%81%A9%E3%82%82%E3%81%AE%E6%80%A7%E6%95%99%E8%82%B2/id1778350927 ・Spotify https://open.spotify.com/show/3k8LBJtSyiRI7QXg10erWF?si=d6b87b4a7f7c4c46 ・Amazon Music https://music.amazon.co.jp/podcasts/7de2aaec-200a-43b6-927d-42c57338bd00/%E3%82%BB%E3%82%A4%E3%82%B7%E3%83%AB%E3%81%8B%E3%82%89%E5%AD%A6%E3%81%B6%EF%BC%81%E3%81%A9%E3%81%86%E3%81%99%E3%82%8B%E5%AD%90%E3%81%A9%E3%82%82%E3%81%AE%E6%80%A7%E6%95%99%E8%82%B2

武蔵野大学看護学部の実習を行いました!

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武蔵野大学看護学部の実習を行いました!

先日、助産師資格や教員経験のあるセイシルスタッフ3名が、2日間に分けて武蔵野大学看護学部の「母性看護学実習」を行いました。 武蔵野大学での実習は昨年から行っており、担当の武蔵野大学看護学部教授の坂上明子先生とセイシルスタッフの出会いから、この実習が実現しました。 対象は看護学部の3年生で、夏(前期)に2回、冬(後期)に2回、合わせて4回の実習を、毎回違う学生に向けて、10名ずつに分かれて実施します。 当日の実習内容を紹介 1回の実習は120分です。55分ずつ前半と後半に分けて、前半と後半の間に10分の休憩時間をとりました。 ⭐️配布物(withセイシルでご注文いただる教材もございます!) ・セイシルカード5種 →ノーマルカード →クイズカード・デートDVチェッカー →トリセツつき・プレコンセプションケア冊子「私はパパになれますか?」・ニニンカツ冊子(非売品)・プレコンセプション学習教材(非売品) →セイシルオリジナルのプレコンセプションケア冊子・講義用の指導案ワークシート(非売品)・コンドーム装着棒2種(大学側準備物、使用後回収)・練習用コンドーム2種(大学側準備物)・ウェットシート(大学側準備物)・セイシルオリジナルコンドーム →ピーチかチョコどちらか(学生のお土産用)   【前半】性教育の歴史学習とコンドーム実習 まず、セイシルのスタッフ3名が自己紹介を行いました。それぞれ、なぜこの仕事を選んだのか、そしてこれまでどのような経験を積んできたのかを語り、プレコンセプションケアにも役立つ人生計画の参考にしてほしいという想いや、いろいろな人生があることを知ってもらいたい、というメッセージを込めています。 続いて、会社の概要や性教育WEBサイト「セイシル」について説明した後、事前アンケートで募集した看護学生たちの性に関する悩み「モヤモヤ」に答えました。避妊や性欲に関する質問が多く、セイシルの情報をもとに回答しました。自分の悩みが取り上げられた学生はもちろん、他の学生も同級生がどんな悩みを持っているか知ることで共感を深めてもらえたと思います。 次に、学生さんたちのアイスブレイクを兼ねて、二人組を作って話し合い、発表してもらう時間をとりました。内容は「①小中高での性教育の思い出」と「②家庭での性教育の思い出」です。 学校での思い出は、「あまり覚えていない」というのが一番多く、小学生の時に男女分かれて生理の話を聞いたという学生が数名いました。中には、男女分かれて掃除の時間だと聞かされ、雑巾を持って女子が体育館に行くと、性教育が始まって騙されたというエピソードも! 家庭での思い出は、「全くない」というのが一番多く、ナプキンをもらった時に少し聞いたという学生や、親が学生のお菓子をコンドームと間違えて急遽性教育の話になった学生もいました。(勘違いに気づいた親御さんの焦りが目に浮かびます…^^;) そして、避妊具の中でもコンドームについて詳しく説明しました。学生に一人ずつ配布し、開け方から一緒に行ってもらいました。 スタッフは見本として、コンドームモデル(アームサイズ)を使って手順を説明しました。本物として使うことはできませんが、腕まで入る大きさなので、見本として使うと学生さんたちに見えやすいです。 初めて触る学生や、見たことはあるけど自分ではつけたことがないという学生が多く、意外と難しいと言い合いながら学生同士でワイワイと装着棒につけました。この難しさを経験してもらうことで、なぜ失敗が起きてしまうのか、いかに練習が必要であるかを感じてもらうことが狙いです。コンドームを袋から出すポイントを知らなかったと驚いていたり、捨てる時にどれくらい爪を立てたら破れるのか実験してみたり、素材や厚さが違うコンドームと比べてみたり、じっくり楽しく学んでもらいました。 最後には、学生自身が学んだ後に、コンドームを高校生に学んでもらうために、自分たちが先生として授業をするなら、どんな授業をするかというような指導案づくりにもチャレンジしてもらいました。コンドームにまつわるクイズを用意したり、性感染症予防の切り口で説明したり、失敗例を紹介したりするなど、色々なアイデアが出ました。   【休憩】質疑応答&性に関するアイテム紹介 休憩時間は、お手洗いや水分補給の時間でもありつつ、質問があればスタッフに聞いたり、実際に性に関するアイテムに触ってもらったりする時間にしました。 セイシルを運営する株式会社TENGAヘルスケアの商品は、性の悩みの解決を目指したアイテムばかりです。性に関する幅広い悩みが存在することを学びつつ、実際に触ってもらいました。また、武蔵野大学の先生方には、指用のコンドーム「フィンドム」や口腔性交用の「デンタルダム」、月経カップなど、たくさんの性に関するアイテムを展示してもらいました。 女子学生も男子学生も、興味津々で質問してくださり、スタッフはいろいろなアイテムの使用体験談を踏まえて、使い方や使い心地などを学生さんたちに紹介しました。男女それぞれが、実際のアイテムを手にとって使い方を学べる機会は貴重だったと思います。 アイテムの他に、性に関するたくさんの書籍も武蔵野大学の先生方に用意していただきました。こんなにも色々な本があることに驚いている学生が多かったです。 【後半】プレコンセプションケアについて考えよう 後半は、将来に目を向けていきます。ここでは事前アンケートで募集した悩みから、将来のことに関するモヤモヤに対して回答しました。 講師という立場はもちろんのこと、学生さんたちより長く人生を経験している先輩として、具体的な経験談を交えて、1つ1つ丁寧に答えました。 その後は、セイシルオリジナルのプレコンセプションケア学習教材を使用しました。プレコンセプションケア(Pre conception care)とは、「将来妊娠するかどうかにかかわらず、すべての人が性と生殖に関する正しい知識をもち、自分たちの生活や健康に向き合うこと」です。 (来年にはwithセイシルで提供開始予定です!) プレコンセプションケアの視点を踏まえて、学生さん自身の将来のライフプランを検討していきます。この時、セイシルが気をつけたことは「結婚や妊娠を絶対条件にしてはいけないこと」、「計画通りではない妊娠が絶対に悪いわけではない」ということです。 モデルケースでは多種多様なパターンを準備して、結婚する/しない、子どもは産む/産まない、異性愛や同性愛、転職や海外での就業、副業、留学などさまざまな働き方や人生を例としてあげました。 そして、将来、妊娠したいと考えた時に妊娠できる(妊娠したいと考えていない時には避妊ができる)ようにするためには、性別に関係なく、今、できる生活改善やパートナーとの関係性についても伝えた上で、実際に10代〜老年期まで人生計画を考えてもらいました(各学生が書くライフプラン検討シートは他者に共有しないことを約束しています)。 学問や趣味など5項目に分けて書き進めてもらいましたが、10代から5項目全て埋めて書きながら考える人や、人生の軸と自分で決めた1項目を全て書いてから他を書き進める人、老後の野望を書いてからそれに向けて計画する人、書き方だけでも、いろんな人生計画があることがわかります。 学生の中には「書いてみると、思っていたより時間がない!」と、明日から何かを始めようと意気込んでいる人もいました。また、「将来の人生を考えると、今のうちから健康管理をしっかりしないといけないと気付いた」という学生もいました。 また、プレコンセプションケアの1つとして、男性不妊に関する冊子「私はパパになれますか?」は、多くの学生が興味を持って読んでくれていて、後の実習記録にも、その情報について、男性不妊が多いことへの驚きなどの感想が多く寄せられていたと先生方にお聞きしました。 その他、性感染症やデートDVについてもプレコンセプションケアに関連付けて、少しですが話をさせていただき、どれもとても熱心に聞いてくださいました。 実習を受けた看護学生さんたちの声 実習後に武蔵野大学の看護学生さんたちにアンケートに答えてもらいました。その一部をご紹介いたします。 実習の満足度 今回の実習の満足度は、なんと10段階評価で平均10でした! 受講者は、毎回10人程度と少人数に絞って行いましたが、参加した学生全員が10の満足度をつけてくれました✨少数だからこそ、コンドーム装着練習やディスカッションもしやすかったと感じます。 満足度を選んだ理由: ・自分の今後について考える機会になった。実際に体験すること、試しながら触ったりすることが初めてで、普段できない経験をすることができたから。 ・正しいコンドームの付け方を教えてもらったことはなかったし調べたこともなかったため勉強になったため。また、初めて知る商品があったりして充実した授業を受けることができたため。 ・嫌悪感なく楽しく性について学ぶことができたことや、自分のこれからの計画について見つめることができたから。 ・実際にコンドームの装着を体験したことで、こんなにも難しいことなのだと初めて知ることができたからです。また今までに知らなかった知識を知ることができ、自身の人生を選択するための糧になるものがあったと思います。 ・自分の人生について30代より先まで考えたことが無かったので、具体的に20代で行いたいことをした上で30代以降自分にどんな事がしたいか、必要かを考えることが出来たから。 ・恥ずかしさを感じずにこの授業を受けることが出来たから。また飽きることなく2時間過ごすことが出来たから。 ・実際に避妊具を用いながら講義を行うことは、今までの学校では行われなかったことだったので、非常に新鮮で知らないことが多いと感じたからです。 ・正しい知識を得ることができた。コンドームの正しい着用を実際に行うことができた。休み時間までも様々な物品について説明していただいたから。 感想の紹介 受講した学生さんたちの感想の一部もご紹介します。 ・性欲は無くても大丈夫だということを知ることが出来て、私は性欲がないことに困っていたためとても安心しました。 ・男性も不妊の原因になる可能性があること、また割合として女性と変わらないことが印象的でした。 ・梅毒が流行していることがとても印象に残っている。感染症の検査などをしっかり行って予防していきたい。 ・性を楽しむために色んな商品が発売されているのを知った。見た事がないものが多くあって驚きが大きく、印象的だった。また不妊に関して、精子を守るための7ヶ条が印象的だった。 ・避妊や性感染症の対策グッズには種類が沢山あることを知りませんでした。妊活支援のグッズも安価で手に入り、使いやすいことを知りました。 ・コンドームの付け方について、実際に学ぶことがなかったので印象に残った。 ・コンドームの付け方は今日習って忘れることは無いと思います。 ・意外にも性行為を強要したり、コンドームを使用したがらない男性が世の中にはいるのだということが驚きだった。 ・(マイプレコンについて)50代以降も書いてあったのが未来を想像しやすくてよかった。 ・(マイプレコンについて)自分の思い描く将来を表に表すことで具体的な希望が見えた。 ・(マイプレコンについて)記入例があることでさまざまな生き方があることを学ぶことができた。自分の未来について考えるきっかけになった。 どの感想も、実習で積極的に学んでくれた姿勢が伝わる内容で、看護学生さんたちの将来の夢を応援したくなります。素敵な感想をありがとうございました‼️今後の実習の参考にさせていただきます。 実習効果を学会で発表 2024年3月に香港で開催された、27th East Asian Forum of Nursing Scholarsと、2024年9月に開催された、第22回日本生殖看護学会 学術集会で、このセイシルの昨年の実習の効果について、武蔵野大学の先生方にポスター発表をしていただきました。 一般演題(ポスター)として、タイトルは「Effectiveness of Preconception Care Program in Reproductive Health Practice」と、「母性看護学実習によるプレコンセプションケア学習プログラムの効果-質問紙調査による評価-」です。 この実習のプログラムが、学生がプレコンセプションケアを学ぶための有効なツールであったと評価していただきました。   おまけ:実習後に食堂へ 武蔵野大学さんでの実習後、セイシルスタッフみんなで食堂でランチタイムを過ごしました。大学へ実習に行くお楽しみポイントですね✨ 武蔵野大学看護学生の前期履修のみなさん、ありがとうございました‼️ 後期のみなさんとも、お会いできることを楽しみにしています♪