武蔵野大学看護学部の実習を行いました!
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先日、助産師資格や教員経験のあるセイシルスタッフ3名が、2日間に分けて武蔵野大学看護学部の「母性看護学実習」を行いました。
武蔵野大学での実習は昨年から行っており、担当の武蔵野大学看護学部教授の坂上明子先生とセイシルスタッフの出会いから、この実習が実現しました。
対象は看護学部の3年生で、夏(前期)に2回、冬(後期)に2回、合わせて4回の実習を、毎回違う学生に向けて、10名ずつに分かれて実施します。
当日の実習内容を紹介
1回の実習は120分です。55分ずつ前半と後半に分けて、前半と後半の間に10分の休憩時間をとりました。
⭐️配布物(withセイシルでご注文いただる教材もございます!)
・セイシルカード5種
→ノーマルカード
→クイズカード
・デートDVチェッカー
→トリセツつき
・プレコンセプションケア冊子「私はパパになれますか?」
・ニニンカツ冊子(非売品)
・プレコンセプション学習教材(非売品)
→セイシルオリジナルのプレコンセプションケア冊子
・講義用の指導案ワークシート(非売品)
・コンドーム装着棒2種(大学側準備物、使用後回収)
・練習用コンドーム2種(大学側準備物)
・ウェットシート(大学側準備物)
・セイシルオリジナルコンドーム
→ピーチかチョコどちらか(学生のお土産用)
【前半】性教育の歴史学習とコンドーム実習
まず、セイシルのスタッフ3名が自己紹介を行いました。それぞれ、なぜこの仕事を選んだのか、そしてこれまでどのような経験を積んできたのかを語り、プレコンセプションケアにも役立つ人生計画の参考にしてほしいという想いや、いろいろな人生があることを知ってもらいたい、というメッセージを込めています。
続いて、会社の概要や性教育WEBサイト「セイシル」について説明した後、事前アンケートで募集した看護学生たちの性に関する悩み「モヤモヤ」に答えました。避妊や性欲に関する質問が多く、セイシルの情報をもとに回答しました。自分の悩みが取り上げられた学生はもちろん、他の学生も同級生がどんな悩みを持っているか知ることで共感を深めてもらえたと思います。
次に、学生さんたちのアイスブレイクを兼ねて、二人組を作って話し合い、発表してもらう時間をとりました。内容は「①小中高での性教育の思い出」と「②家庭での性教育の思い出」です。
学校での思い出は、「あまり覚えていない」というのが一番多く、小学生の時に男女分かれて生理の話を聞いたという学生が数名いました。中には、男女分かれて掃除の時間だと聞かされ、雑巾を持って女子が体育館に行くと、性教育が始まって騙されたというエピソードも!
家庭での思い出は、「全くない」というのが一番多く、ナプキンをもらった時に少し聞いたという学生や、親が学生のお菓子をコンドームと間違えて急遽性教育の話になった学生もいました。(勘違いに気づいた親御さんの焦りが目に浮かびます…^^;)
そして、避妊具の中でもコンドームについて詳しく説明しました。学生に一人ずつ配布し、開け方から一緒に行ってもらいました。
スタッフは見本として、コンドームモデル(アームサイズ)を使って手順を説明しました。本物として使うことはできませんが、腕まで入る大きさなので、見本として使うと学生さんたちに見えやすいです。
初めて触る学生や、見たことはあるけど自分ではつけたことがないという学生が多く、意外と難しいと言い合いながら学生同士でワイワイと装着棒につけました。この難しさを経験してもらうことで、なぜ失敗が起きてしまうのか、いかに練習が必要であるかを感じてもらうことが狙いです。コンドームを袋から出すポイントを知らなかったと驚いていたり、捨てる時にどれくらい爪を立てたら破れるのか実験してみたり、素材や厚さが違うコンドームと比べてみたり、じっくり楽しく学んでもらいました。
最後には、学生自身が学んだ後に、コンドームを高校生に学んでもらうために、自分たちが先生として授業をするなら、どんな授業をするかというような指導案づくりにもチャレンジしてもらいました。コンドームにまつわるクイズを用意したり、性感染症予防の切り口で説明したり、失敗例を紹介したりするなど、色々なアイデアが出ました。
【休憩】質疑応答&性に関するアイテム紹介
休憩時間は、お手洗いや水分補給の時間でもありつつ、質問があればスタッフに聞いたり、実際に性に関するアイテムに触ってもらったりする時間にしました。
セイシルを運営する株式会社TENGAヘルスケアの商品は、性の悩みの解決を目指したアイテムばかりです。性に関する幅広い悩みが存在することを学びつつ、実際に触ってもらいました。また、武蔵野大学の先生方には、指用のコンドーム「フィンドム」や口腔性交用の「デンタルダム」、月経カップなど、たくさんの性に関するアイテムを展示してもらいました。
女子学生も男子学生も、興味津々で質問してくださり、スタッフはいろいろなアイテムの使用体験談を踏まえて、使い方や使い心地などを学生さんたちに紹介しました。男女それぞれが、実際のアイテムを手にとって使い方を学べる機会は貴重だったと思います。
アイテムの他に、性に関するたくさんの書籍も武蔵野大学の先生方に用意していただきました。こんなにも色々な本があることに驚いている学生が多かったです。
【後半】プレコンセプションケアについて考えよう
後半は、将来に目を向けていきます。ここでは事前アンケートで募集した悩みから、将来のことに関するモヤモヤに対して回答しました。
講師という立場はもちろんのこと、学生さんたちより長く人生を経験している先輩として、具体的な経験談を交えて、1つ1つ丁寧に答えました。
その後は、セイシルオリジナルのプレコンセプションケア学習教材を使用しました。プレコンセプションケア(Pre conception care)とは、「将来妊娠するかどうかにかかわらず、すべての人が性と生殖に関する正しい知識をもち、自分たちの生活や健康に向き合うこと」です。
(来年にはwithセイシルで提供開始予定です!)
プレコンセプションケアの視点を踏まえて、学生さん自身の将来のライフプランを検討していきます。この時、セイシルが気をつけたことは「結婚や妊娠を絶対条件にしてはいけないこと」、「計画通りではない妊娠が絶対に悪いわけではない」ということです。
モデルケースでは多種多様なパターンを準備して、結婚する/しない、子どもは産む/産まない、異性愛や同性愛、転職や海外での就業、副業、留学などさまざまな働き方や人生を例としてあげました。
そして、将来、妊娠したいと考えた時に妊娠できる(妊娠したいと考えていない時には避妊ができる)ようにするためには、性別に関係なく、今、できる生活改善やパートナーとの関係性についても伝えた上で、実際に10代〜老年期まで人生計画を考えてもらいました(各学生が書くライフプラン検討シートは他者に共有しないことを約束しています)。
学問や趣味など5項目に分けて書き進めてもらいましたが、10代から5項目全て埋めて書きながら考える人や、人生の軸と自分で決めた1項目を全て書いてから他を書き進める人、老後の野望を書いてからそれに向けて計画する人、書き方だけでも、いろんな人生計画があることがわかります。
学生の中には「書いてみると、思っていたより時間がない!」と、明日から何かを始めようと意気込んでいる人もいました。また、「将来の人生を考えると、今のうちから健康管理をしっかりしないといけないと気付いた」という学生もいました。
また、プレコンセプションケアの1つとして、男性不妊に関する冊子「私はパパになれますか?」は、多くの学生が興味を持って読んでくれていて、後の実習記録にも、その情報について、男性不妊が多いことへの驚きなどの感想が多く寄せられていたと先生方にお聞きしました。
その他、性感染症やデートDVについてもプレコンセプションケアに関連付けて、少しですが話をさせていただき、どれもとても熱心に聞いてくださいました。
実習を受けた看護学生さんたちの声
実習後に武蔵野大学の看護学生さんたちにアンケートに答えてもらいました。その一部をご紹介いたします。
実習の満足度
今回の実習の満足度は、なんと10段階評価で平均10でした!
受講者は、毎回10人程度と少人数に絞って行いましたが、参加した学生全員が10の満足度をつけてくれました✨少数だからこそ、コンドーム装着練習やディスカッションもしやすかったと感じます。
満足度を選んだ理由: ・自分の今後について考える機会になった。実際に体験すること、試しながら触ったりすることが初めてで、普段できない経験をすることができたから。 ・正しいコンドームの付け方を教えてもらったことはなかったし調べたこともなかったため勉強になったため。また、初めて知る商品があったりして充実した授業を受けることができたため。 ・嫌悪感なく楽しく性について学ぶことができたことや、自分のこれからの計画について見つめることができたから。 ・実際にコンドームの装着を体験したことで、こんなにも難しいことなのだと初めて知ることができたからです。また今までに知らなかった知識を知ることができ、自身の人生を選択するための糧になるものがあったと思います。 ・自分の人生について30代より先まで考えたことが無かったので、具体的に20代で行いたいことをした上で30代以降自分にどんな事がしたいか、必要かを考えることが出来たから。 ・恥ずかしさを感じずにこの授業を受けることが出来たから。また飽きることなく2時間過ごすことが出来たから。 ・実際に避妊具を用いながら講義を行うことは、今までの学校では行われなかったことだったので、非常に新鮮で知らないことが多いと感じたからです。 ・正しい知識を得ることができた。コンドームの正しい着用を実際に行うことができた。休み時間までも様々な物品について説明していただいたから。 |
感想の紹介
受講した学生さんたちの感想の一部もご紹介します。
・性欲は無くても大丈夫だということを知ることが出来て、私は性欲がないことに困っていたためとても安心しました。 ・男性も不妊の原因になる可能性があること、また割合として女性と変わらないことが印象的でした。 ・梅毒が流行していることがとても印象に残っている。感染症の検査などをしっかり行って予防していきたい。 ・性を楽しむために色んな商品が発売されているのを知った。見た事がないものが多くあって驚きが大きく、印象的だった。また不妊に関して、精子を守るための7ヶ条が印象的だった。 ・避妊や性感染症の対策グッズには種類が沢山あることを知りませんでした。妊活支援のグッズも安価で手に入り、使いやすいことを知りました。 ・コンドームの付け方について、実際に学ぶことがなかったので印象に残った。 ・コンドームの付け方は今日習って忘れることは無いと思います。 ・意外にも性行為を強要したり、コンドームを使用したがらない男性が世の中にはいるのだということが驚きだった。 ・(マイプレコンについて)50代以降も書いてあったのが未来を想像しやすくてよかった。 ・(マイプレコンについて)自分の思い描く将来を表に表すことで具体的な希望が見えた。 ・(マイプレコンについて)記入例があることでさまざまな生き方があることを学ぶことができた。自分の未来について考えるきっかけになった。 |
どの感想も、実習で積極的に学んでくれた姿勢が伝わる内容で、看護学生さんたちの将来の夢を応援したくなります。素敵な感想をありがとうございました‼️今後の実習の参考にさせていただきます。
実習効果を学会で発表
2024年3月に香港で開催された、27th East Asian Forum of Nursing Scholarsと、2024年9月に開催された、第22回日本生殖看護学会 学術集会で、このセイシルの昨年の実習の効果について、武蔵野大学の先生方にポスター発表をしていただきました。
一般演題(ポスター)として、タイトルは「Effectiveness of Preconception Care Program in Reproductive Health Practice」と、「母性看護学実習によるプレコンセプションケア学習プログラムの効果-質問紙調査による評価-」です。
この実習のプログラムが、学生がプレコンセプションケアを学ぶための有効なツールであったと評価していただきました。
おまけ:実習後に食堂へ
武蔵野大学さんでの実習後、セイシルスタッフみんなで食堂でランチタイムを過ごしました。大学へ実習に行くお楽しみポイントですね✨
武蔵野大学看護学生の前期履修のみなさん、ありがとうございました‼️
後期のみなさんとも、お会いできることを楽しみにしています♪