性教育の授業で盛り上がる!アイスブレイク(導入)5選
投稿者 : on
性教育の授業では、「少し恥ずかしい」「何を聞かれるのだろう」「自分のことを話さないといけないのかな」と、参加者が緊張しやすいことがあります。
いきなり本題に入ると、身構えてしまう人も少なくありません。
そこで役立つのが、授業の最初に行う「アイスブレイク」です。
性教育におけるアイスブレイクは、ただ場を盛り上げるためのものではありません。
参加者が安心してその場にいられるようにし、「聞くだけでもいい」「無理に話さなくてもいい」「分からないことがあっても大丈夫」と感じられる雰囲気をつくるための導入です。
今回は、性教育の授業やワークショップで使いやすいアイスブレイクを5つと、注意点や成功させるポイントを紹介します。
短時間で取り入れられるものを中心にしているので、授業のはじめやグループワーク前の導入として活用できますよ🎵
① どっち派?ライン移動ゲーム
教室や体育館の左右を使い、「犬派?猫派?」「夏派?冬派?」などの質問に合わせて移動してもらう活動です。
完全にどちらかの壁や場所(三角コーンなど)に移動させることも可能ですし、「やや右寄り」といった回答も場所で表現することをOKにすればさらに面白くなります。
慣れてきたら、「友達とは毎日連絡したい?」「SNSで写真を載せられるのは平気?」など、人との関わり方や性教育のテーマに関する質問へ発展させることもできます。
移動が難しい環境では、タブレットやアンケートアプリで回答してもらう方法もおすすめです。
結果をリアルタイムで表示することで、「思ったより意見が分かれた!」「意外とみんなそう思っていたんだ!」という発見が生まれます。

② 電車の座席、どこ座る?
電車の座席のイラストやワークシートを提示し、「あなたならどこに座る?」と問いかけます。
端が好きな人もいれば、出口の近くを選ぶ人、人の隣を避けたい人もいます。
同じ場面や近くに座る人が誰によるかでも、心地よい距離感は、人によって異なることが見えてきます。
この活動は、からだの境界線(バウンダリー)やパーソナルスペースの話題につなげやすいアイスブレイクです。
③ 安心して参加するためのルールづくり
性教育の授業では、最初に「この場で大切にしたいルール」を確認することがとても重要です。
これ自体をアイスブレイクにすることができます。
たとえば、参加者に「安心して授業を受けるために、どんなことが大切だと思う?」と問いかけます。
出てきやすい意見としては、次のようなものがあります。
- 「人の意見を笑わない」
- 「話したくないことは話さなくてよい」
- 「決めつけない」
- 「からかわない」
- 「この場で出た個人的な話を外で広めない」
- 「分からないことをばかにしない」
ファシリテーターが一方的にルールを伝えるよりも、参加者自身が考えることで、授業への納得感や安心感が高まります。
このアイスブレイクは、盛り上げるというよりも、場を整える効果が大きいものです。
特に性教育のように繊細なテーマを扱う場では、最初に安心の土台をつくることが大切です。
進め方の例
- 「安心して参加するために大切なこと」を考えてもらう
- 付箋やチャット、発言で意見を集める
- 似ている意見をまとめる
- 授業中の共通ルールとして確認する
④ 距離感(バウンダリー)ワーク
withセイシルで提供している距離感のワークシートもアイスブレイクにおすすめです。
バウンダリー・同意などのテーマで、授業する際の導入にぴったりです。
3つのテーマがあるので、どれか1つだけ行い、授業に入るのも良いでしょう。
自然とコミュニケーションにつながります。

バウンダリーのワークシートの詳細はこちら
⑤ 今の気持ちカード
参加者が「今の気持ち」を選ぶアイスブレイクです。
たとえば、次のような言葉を書いたカードやスライドを用意します。
- 「楽しみ」
- 「少し緊張している」
- 「よく分からない」
- 「聞いてみたい」
- 「不安もある」
- 「まずは様子を見たい」
参加者は、自分の気持ちに近いものを選びます。
発表は必須にせず、手元で選ぶだけでも構いません。
ペアで話す場合も、「話せる範囲で大丈夫」と伝えておくと安心です。
このワークのよいところは、性に関する個人的な経験を話さなくても参加できる点です。
授業に入る前に自分の気持ちを確認でき、ファシリテーター側も場の空気をつかみやすくなります。
進め方の例
- 気持ちカードを見せる
- 自分に近い気持ちを1つ選んでもらう
- 希望者だけ、選んだ理由を一言共有する
- 「どんな気持ちでも大丈夫」と伝えて授業に入る

アイスブレイクの注意点
性教育のアイスブレイクでは、楽しい雰囲気づくりと同じくらい、参加者の安心を守ることが大切です。
特に、次の点には注意しましょう。
⭐️個人的な経験を話させない
恋愛経験、性経験、身体の悩み、家庭環境など、個人的で繊細な内容を話させるアイスブレイクは避けます。
本人が話したくないと思っていても、場の空気によって「答えなければいけない」と感じてしまうことがあります。
導入では、深い自己開示を求めるのではなく、気持ちを選ぶ、考えを共有する、安心のルールを確認する程度にとどめると安全です。
⭐️「パスしてもよい」と伝える
参加者全員が同じように話せるわけではありません。
緊張している人、過去の経験から話題に触れることがつらい人、まだ考えがまとまっていない人もいます。
そのため、アイスブレイクの前に「話したくないときはパスして大丈夫です」「聞くだけでも参加です」と伝えておきましょう。
参加しない選択肢があることで、かえって安心して参加しやすくなります。
⭐️性別や恋愛のあり方を決めつけない
「男の子はこう」「女の子はこう」「恋人がいる人は分かると思うけど」といった言い方は、参加者を取り残してしまうことがあります。
性別のあり方、恋愛への関心、経験、家庭環境は人によってさまざまです。
誰かを前提から外してしまわないように、できるだけ中立的で包摂的な言葉を選ぶことが大切です。
⭐️笑いの扱いに気をつける
アイスブレイクでは笑いが起こることもありますが、誰かの体、性別、恋愛観、知識不足、発言内容を笑う流れにならないよう注意が必要です。
性教育の場では、「知らないことがあっても大丈夫」「違う考えがあっても否定されない」という雰囲気が大切です。
からかいや冷やかしが起きたときは、そのまま流さずルールを確認して、落ち着いて場を整えましょう。
⭐️年齢や発達段階に合わせる
小学生、中学生、高校生、大学生、社会人では、理解しやすい言葉や扱えるテーマの深さが異なります。
同じアイスブレイクでも、対象によって問い方や表現を調整する必要があります。
参加者の年齢、発達段階、授業の目的に合わせて、無理のない内容にすることが大切です。
アイスブレイクを成功させるポイント
性教育のアイスブレイクは、長く行う必要はありません。
授業の導入としては、5〜10分程度でも十分です。
大切なのは、参加者に「この場は安心していてよい場所だ」と感じてもらうことです。
無理に盛り上げようとするよりも、落ち着いた雰囲気で進める方が、性教育の導入には向いています。
また、ファシリテーターや教員は、最初に次のような一言を添えるとよいでしょう。
- 「話したくないことは話さなくて大丈夫です」
- 「分からないことがあっても大丈夫です」
- 「人の意見を笑ったり、決めつけたりしないようにしましょう」
- 「聞くだけの参加でも大丈夫です」
このような言葉があるだけで、参加者の緊張はやわらぎます。
アイスブレイクの目的は「正解探し」ではない
性教育のアイスブレイクで大切なのは、正しい答えを当てることではありません。
同じ問いに対しても、人によって考え方や感じ方が異なることを知り、「自分も相手も大切にする関わり方」を考えるきっかけをつくることです。
また、タブレットやアンケートアプリを活用すると、発言が苦手な児童生徒も参加しやすくなります。
匿名で回答できる仕組みは、「自分の考えを表現しても大丈夫」という安心感にもつながります。
授業のテーマや対象年齢に合わせて、ぜひ取り入れてみてくださいね。