大阪府立都島工業高校(定時制)にて出前授業を行いました!
投稿者 : on
2026年2月、大阪府立都島工業高校(定時制)にて「多様な性」をテーマに授業を実施しました。
授業内容や実際に行ったロールプレイの台本、生徒と先生からの感想をご紹介します。
授業当日は、生徒の後方で多くの先生方にもご参加いただき、共に授業を聞いていただきました。
日頃から生徒と関わる先生方にも同じ内容を共有できることは、
生徒にとっての安心感につながるため、とても重要でありがたいことだと感じています。

また、授業の約1ヶ月前には、Googleフォームを用いた事前アンケートを実施しました。
性の多様性に関する認知度の把握に加え、
生徒が性について抱いている疑問や悩みを自由に記入してもらっています。
事後アンケートでは、
「事前アンケートをもとにQ&Aコーナーがあったことが良かった」といった声も見られ、
授業への満足度向上にもつながっていました。
事前アンケートの実施は、ぜひおすすめしたい取り組みです。

〈生徒からの質問への回答スライドの一例〉
「性のあり方」を自分ごとに捉えるために
授業の中で特に大切にしたのは、
LGBTQや多様な性のあり方を「誰かの話」としてではなく、
「自分にも関係のあること」として捉えてもらうことです。
また、今後のコミュニケーションにも役立つ視点として考えてもらえるよう意識しました。
LGBTQやSOQIEの基本的な説明に加え、
かつては「当たり前」とされていた言葉や表現も、
現在では見直されてきていることを伝えました。
言葉は社会の価値観を映すものであり、
性別を前提にしない表現の大切さについても触れています。

さらに、「これまでの人生で、性別を理由に選びにくかったものはなかったか」
と問いかけることで、自分自身の経験を振り返る機会をつくりました。
思い込みを少しずつ減らし、否定されない安心感の中で自分らしい選択ができることは、
誰にとっても生きやすい社会につながる。
そのようなメッセージを大切に伝えました。

また、講師自身の経験を具体例として紹介することも、理解を深めるうえで有効です。
今回は、女性を自認する講師が、
小学生の時に野球チーム(いわゆる少年野球:この言葉も使われなくなっていくことに期待しています)に入っていたものの、
中学進学の際に野球部へ入部できなかった体験を共有しました。
こうした実体験は、生徒にとって身近でリアルに感じられ、
学びをより自分ごととして捉えるきっかけになります。
先生方にご協力いただいたロールプレイ
授業の後半では、先生方にご協力いただき、ロールプレイを実施しました。
NG例とOK例の2パターンを演じていただき、それぞれを比較することで、
生徒の理解をより深めることができました。
〈会話をスクリーンに映しながら、先生方のロールプレイの様子〉
先生方は台本に頼らず、相手の目を見ながら役になりきって演じてくださり、
生徒たちも興味津々の様子でした。
日頃から身近な存在である先生方が実演することで、
生徒の関心や理解が一層高まり、記憶に残る学びにつながったと感じています。
多様な性を学ぶロールプレイ台本とスライド
多様な性について学ぶためのロールプレイ台本とスライド例をご紹介します。
地域の方言や学校の雰囲気に合わせて、
生徒にとって親しみやすい会話例にアレンジすることがポイントです。
文言は適宜変更し、それぞれの学校に合った形でご活用いただければ幸いです。

〈多様な性を学ぼう ロールプレイ台本〉

〈多様な性を学ぼう スライド例〉
なお、今回は先生方にロールプレイを行っていただきましたが、
担当の先生方と相談のうえ、生徒同士で実施することも方法の一つです。
(ロールプレイを演劇部の生徒の発表の場として、活用される学校もあります)
ただし、先生・生徒いずれの場合も、
演じる本人の積極的な参加意思や懸念点がないかを事前に確認し、
無理のない形で進めることが重要です。
事後アンケートの感想
授業後に実施したアンケートでは、
生徒と先生方からコメントが寄せられました。
🔹生徒の感想
|
・一人ひとりの良さがあるとしれた。 ・性に当たり前というのがなくて、それぞれの性がその人達にとっての良い個性なんだなと思いました。 ・横文字をわかりやすい言葉にしてくれた。 ・丁寧でわかりやすかった。 ・勉強になりました。 ・同じ人間でも考え方が全く違うことを改めて分かった。 など |
🔹先生の感想
|
・自分自身の心の持ち方を中心に話してくれていたので良かったと思う。 ・わかっていたつもりでしたが、話を聞かせていただき改めて再認識させられた部分もありました。 ・わかりやすく、出来るだけソフトな言葉をえらんで話されていた。 ・ソジーやアライなど新しいワードを知り、勉強になった。 ・ロールプレイングの場面は、誰もがありうる日常的な会話のシーンだと思うので、とても身近なところから多様な性について学ぶきっかけをつくることができた。 ・100人いれば100通りの性があるという言葉が印象に残りました。 ・時代とともに人との関わり方が変わっていくことなど、人間力をつけて人と接していくことが必要になると思った。 ・本校のアンケート結果や事前質問をスライドに反映していただき、それをふまえたお話があった点が良かったです。 ・「SOGIEという言葉は、LGBTQと違って誰もが持っている要素を示している。誰もが当事者である」というようなお話が特に印象に残っています。 ・セイシルについて知れて良かったです。自身が抱えている性についてのもやもやを解消する方法が増えたと思います。 など |
まとめ:多様性の理解から、関わり方の変化へ
今回の授業とアンケートから見えてきたのは、
性の多様性の学びは単なる知識ではなく、
自分の言動や価値観を見直すきっかけになるという点です。
性の話を「特別な誰かの話」ではなく、
自分や周りとの関わり方の問題として捉えていただけたなら嬉しいです。
性教育は、知識を伝えるだけでなく、
人との関わり方を学ぶ教育です。
今後もセイシルでは、理解で終わらず、
行動につながる性教育を届けていきたいと思います!
大阪府立都島工業高校定時制のみなさん、ありがとうございました!