【登壇報告】児童養護施設職員向け性教育研修を実施しました!
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先日、都内の児童養護施設にて、保育士・心理士・児童指導員など、
子どもたちを支える職員の皆さまを対象とした性教育研修を実施しました。
児童養護施設で暮らす子どもたちは、それぞれ異なる生育歴や経験を抱えています。
そのため、性に関する悩みや困りごとも、一人ひとり背景が異なります。
今回の研修では、事前アンケートで職員の皆さまに現場の疑問や悩みを集め、
その内容を反映した講義と、実際のケースをもとにしたグループワークを中心に進めました。
「子どもから突然、性の相談を受けたらどう返せばいいのか」
「性的な話題を避けずに、安心して相談できる関係をどう作るのか」

知識を学ぶだけではなく、現場ですぐに実践できる対応について、
参加者同士で考えながら学ぶ時間となりました。
10代から寄せられる相談は、妊娠や性感染症だけではない
研修では、セイシルに実際に寄せられた10代の相談についても紹介しました。
2024年4月から2025年3月までの1年間に、
10歳から19歳までの若者から寄せられた相談は1,295件。

性の悩みは、ある日突然始まるものではありません。
自分のからだへの戸惑い、友人との会話、SNSで目にした情報、好きな人との関係など、
日常生活のさまざまな場面から徐々に生まれます。
だからこそ、困りごとが大きくなってから対応するのではなく、
日頃から子どもが疑問を口にできる関係をつくっておくことが重要です。
「正しい答え」よりも「安心して話せる大人」であること
研修の中で特に多くの職員の方が印象に残ったと回答したのは、
知識そのものだけではなく、子どもの話を聞くときの姿勢でした。
大切にしたいのは、次のような関わりです。
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子どもの話を、まず受け止める
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否定したり、決めつけたりしない
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急いで結論や正解を出そうとしない
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「話してくれてありがとう」と伝える
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子どもの今の気持ちを尊重し、一緒に考える
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必要に応じて、専門機関やほかの支援者につなぐ
大人がすぐに完璧な答えを返せなくても構いません。
「それは大変だったね」
「今、どんなことに困っている?」
「話してくれてありがとう」
「一緒に考えてもいい?」

こうした言葉によって、子どもは「この人にはまた話してもいい」と感じることができるかもしれません。
日頃の関わりの中で使える接し方について、とても熱心に考えていただきました。
ケーススタディで考える「性の悩み相談の対応」
今回の研修では、子どもからの相談場面を想定した2つのケーススタディを行いました。
コラムではそのうちの1つを紹介します。

グループごとに、普段関わる子どもの年代を想定しながら、15分ほど対応を検討しました。

「最初にどんな言葉を返すか」
「どこまで本人に質問してよいのか」
「本人が何に困っているのかを、どう確認するか」
「一人の職員で抱えず、どのようにチームで支援するか」
参加者それぞれの職種や経験によって、注目する点や言葉の選び方は異なります。
自分では思いつかなかった視点をほかの職員から得られることも、
グループワークの大きな意義です。

最後に、グループで考えた回答方法を発表で全体に共有しました。
行動を叱る前に、その背景や関係性を見る
事前アンケートで回収した質問にも、研修当日にセイシルスタッフから答えました。
「自分の性を引き換えにして、相手の関心を得ようとしているように見える子どもに、何を伝えればよいか」という質問が寄せられ、
行動だけを見て叱ったり、「自分を大切にしなさい」と伝えたりするだけでは、
子どもの心に届かないことがあることを紹介しました。

「安心したかった?」
「好きでいてほしかった?」
「断ったら嫌われそうだった?」
子どもの行動の背景には、愛情を確かめたい気持ちや自己肯定感の低さ、
過去の被害経験、境界線について学ぶ機会の不足などがあるかもしれません。
そのうえで、
「あなたの体は、好かれるための交換条件ではない」
「あなたの『嫌』を聞いてくれる人を選んでいい」
「困ったときは、罰するより先に助ける」
と伝えることが大切です。

禁止や叱責だけを強く伝えると、何か起きたときに「怒られるから言えない」と、
かえって相談しにくくなる場合があります。
性に興味を持つこと自体を責めるのではなく、安全を守るための知識と、
本人の価値や尊厳を同時に伝えていく必要があります。
参加者の感想
研修後には、次のような感想が寄せられました。
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「子どもの話をまず受け止めることの大切さを改めて実感しました。」 「ケーススタディが実践的で、現場ですぐに活かせる内容でした。」 「性教育は“生きる力”につながる支援だという考え方に、とても共感しました。」 「職員同士で性について話し合う貴重な機会になりました。」 「子どもが安心して相談できる大人でありたいと思いました。」 「『相談してくれてありがとう』という言葉を大切にしたいです。」 「セイシルを子どもたちにも紹介し、日々の支援に活かしていきたいと思います。」 「知識だけでなく、関わり方そのものを学ぶことができました。」 「子どもを被害者にも加害者にもさせないために、まず大人が学び続ける必要があると感じました。」 |

〈研修会場の後方で性に関する書籍を紹介しました〉
性の支援は、子どもの尊厳を守る支援
今回の研修で最後に共有したのは、
性とは「生きる力」そのもの
性の支援は、尊厳の支援である
性を「避けるテーマ」ではなく、「支援の一部」にする
というメッセージです。
子どもから性について相談されたとき、大人がすべての正解を知っている必要はありません。
まず受け止めること。
分からないことは一緒に調べること。
一人で抱えず、チームや専門家と考えること。
そして、子どもが再び相談できる関係を守ること。
大人が学び続け、性について安心して話せる環境をつくることは、
子どもを被害から守るだけでなく、自分と相手のからだや気持ちを、
尊重する力を育てることにつながります。
セイシルはこれからも、教育・福祉の現場で子どもたちを支える皆さまとともに、
誰もが性のモヤモヤを安心して話せる環境づくりに取り組んでいきます。